見出し画像

花瓶.


嫌なことももちろんある世界で
幸せなこともたくさんある世界で

僕は出会った時からずっと
君に向けて文字を打ってる。

感情を伝えるのが凄く下手だった僕が
君に精一杯文字を打ってる。

君に向けて
嬉しい気持ちになる言葉はなにか、
元気が出る言葉はなにか、
勇気が出る言葉はなにか、
出来るだけ君に優しくいたいと思った。

全部嫌になったあの時。
誰も信じられないって
君が僕の前から消えそうになった時。

まだあの頃は今の関係じゃなかったから
電話も気軽にかけられない、
僕にできることはなにか沢山考えた。

文章?手紙?
君を救うつもりがあるなら
そんなんじゃ間に合うわけがないのに。

僕は精一杯君に文字を打った。
これが最後の会話なのかも
届かないかもって寂しくなった。

君は猫みたいな人だから。
全部嫌になったらふらって
居なくなってしまうと思うから。

割れたガラスの上を君は裸足で歩いてた。

痛いのに痛くない顔だけは一丁前で
歩き方も痛がってるのバレないように
隠せるほど上手で。

僕は君に何が言えるんだろう。
どんな言葉なら僕は君の味方だって伝わるか、
味方なんて言葉も嫌気がさしてしまうだろうか。

⠀⠀⠀⠀⠀⠀┈┈┈┈┈┈┈┈⠀" 大丈夫 "

沢山見てきたから
君が素敵だってこと。
頑張ってたこと。
本当はガラスが刺さったその足は痛かったこと。


そのガラスの上、もう一人で歩く必要はないよ。
一緒に歩くよ。痛みも分け合おう。

そう言いたかった。

僕も君も全部嫌になった。
それでいいんじゃないかな。

二人で、一緒に嫌だねって言えるなら。

詩人を気取ってる僕はさ、
今日も君を思って書き散らす。

精一杯、君に文字を打ってる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?