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中華系の人名について

「どうやって名前を決めたら中華系っぽくなる?」
「そもそも名前をつけるルールはあるのか?」

 創作のとき、中華系のキャラクターを作る時、こうした疑問が生まれる時もあると思います。ですので、簡単に調べました。

中華系の名前の基本

  • 苗字について

  • 名前について

  • 伝統的な家族にある特別な名前の付け方

  • 結婚した時の苗字はどうなるの?

 今回は中国や台湾などの名前を例にまとめましたので、中華系の人名をつける時の参考になれたら幸いです。

中華系名前を知ろう

 まず、中華系、広く言うと漢族の名前は並び方が日本と同じ。前が苗字(ファミリーネーム)で、後ろが名前となります。

苗字について

 意外なのかもしれませんが、実は中華系の苗字では、近代になるにつれ、ほとんどが一文字なのです。

 二文字の苗字もありますが、こちらを複姓と言い、「歐陽」、「上官」、「皇甫」のような、ほぼ決まった苗字でしか見かけなくなりました。ちなみに複姓の苗字の中では歐陽が一番多く、約90万人いるが、苗字の中で一番多いがなんとその百倍以上、9400万人以上います。

 2020年の時だと、苗字が王の人がなんと1億人を越え、中華系では一番多く見られる苗字です。

 参考に公式の苗字統計を見てみると、2020年の中国公式調べでは「」「李」「張」「劉」「陳」が苗字の上位五位を占めました。が、実は2010年の時からこの五つの苗字がトップファイブであり続けました。

 また、台湾の公式調べだと、2018年の上位五位の苗字が「」「林」「黃」「張」「李」となり、順位に差があるものの、やはり一文字の名前が上位を占めました。

 実際統計を見てみると、上位100位以内に複姓の苗字の存在がなく、少なくとも近代100年くらいの中華系苗字では、一文字がメジャーである事がデータ的に示されています。

 なので、苗字を決める時、一文字にしておけば、中華系の苗字になります。……余談ではありますが、「洗」「母」「仇」などの苗字は中国で実在しているので、本当に余程の選択でない限り、それっぽくなると思います。

 とは言え、二文字以上の苗字はかなり少数になっていますが、存在はしていますので、どうしても実在する長い苗字にしたい時は「中國 姓氏 三字」調べてみてください。もしくはオンラインゲームやSNSのハンドルという事にするのも一つの手です。

名前について

 名前のつけ方なんですが、基本は二文字一文字で付けています。日本のように三文字以上の名前はほぼ存在しませんので、特別な理由がない限り、長い名前はあだ名や二つ名としてつける方がいいです。

 名前基本文字数を分かれば、次はつけ方の例として、よく使われる名前の統計を見ていきましょう。

 今の中国では一文字の名前が一番多く、上位の名前では男性はほぼ全員「」「 強」「勇」「傑」で呼ばれて、女性は「娜」「敏」「」になります。

 子供に名前をつける時、一文字の名前で男の子だと「睿、浩、博、瑞、昊」の使用率が高く、女の子の場合は「悅、妍、涵、玥、蕊」の五文字がメジャーです。

 二文字の名前の場合、男の子は「浩宇、子軒、浩然、雨澤、宇軒、子涵、皓軒」がよく見かけます;女の子では「欣怡、子涵、梓涵、雨涵、可馨、詩涵、梓萱」の出現率が一番高いです。

 ちなみに台湾だと二文字の名前が一番多く、むしろ一文字のがマイナーと言う面白い現象があり、また、子供につけるとしたら、皆基本二文字でつけます。

 今の台湾だと、上位でよく見る名前で男性は「家豪」「志明」「俊傑」「建宏」が多く、女性は「淑芬」「淑惠」「美玲」「雅婷」で呼ばれる事が多いです。

 子供によく付ける名前上位としては、男の子は「承恩、宥廷、品睿」となり、 女の子は「詠晴、子晴、品妍」になります。

 中華系は結構名前の一文字一文字に意味を込めてつける事が多いので、迷ったら、「どういう意味の名前にしたいのか」を考えて付けてみると良いかもしれません。また、案外名前占いをしていい名前をつける考えの人が多いので、名前占いで結果を見てから決めるのもありと思います。

伝統的な家族にある特別な名前の付け方

 過去の伝統では子供を多く作る事を推奨して、そのため親戚が一堂に会する時、年下なのにおじだったり、歳上なのに甥だったという事が起こります。なので、兄弟の名前をつける時に、特定な文字を入れることで、その子供や子供の子供を見分けられます。これを「字輩」と言います。

 しかし、文字を入れると言っても、適当な文字を使う訳ではありません。折角だから、家族を称えたり、未来の繁栄を祈る為の文章(詩文)を作り、そしてその文章で使われた文字を順番に名前に入れる事にしました。

 例えばその一家の代で『忠良振國光』の一文になり、お父さんとその兄弟の名前のが「勇」「傑」で、今の代の名前は良の次の文字を入れる為「宏」「強」になります。逆に言うと、お爺さんやお爺さんの兄弟の名前が良の前の文字を入れるから「義」「成」という風に名前を決まっています。

 簡単に言うと、こういう風に名前をつけると、お爺さん、お父さんと今の代の名前を並べば家族に伝わる言葉になる、という事です。

結婚した時の苗字はどうなるの?

 中華圏では例えば 和軒さんと 筱涵さんが結婚したら、お嫁さん『陳李 筱涵』になります。つまり、自分の苗字の前に、夫の苗字をつけます。これを「冠夫姓」と言います。離婚したら、苗字は元に戻ります。

 しかし、約70年前に法律を修正し、「夫婦には自分の苗字を自由に使える」という事が確立されており、嫁の苗字に夫の苗字を付けなくても良い事になりました。

 また、夫婦の間に出来た子供は基本夫の苗字を使うので、夫の 和軒さんと嫁の 筱涵さんの子供でしたら、の苗字を使います。ですが、台湾の場合、夫婦できちんと決めて、子供につける苗字を書類で記録すれば、嫁の苗字であるを使っても大丈夫です。

最後のまとめ

 簡単に言うと、中華系のキャラクターを作る時、苗字が一文字、名前が二文字だと、それっぽくなります。

 しかし、ネットの呼称となると、こういった制限がなくなりますので、長い名前使いたい時はそちら方向で決めるのも良いでしょう。


 っと、こちらの記事はPixivFANBOXにで公開しています(創作めもより)。
 ですが、内容的には台湾文化と関係あるので、やはりこちらにも公開すると決めました。
 両方の内容は同じですが、こちらは文化紹介メイン、FANBOXはゲーム紹介メインとなりますので、気になる方でご覧頂ければ嬉しいです。

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