瀬場拓郎とヴァシリのFROM THE DEPTHの恐怖!
やりたくねー。
どうもこんにちは、瀬場拓郎です。
本日ご紹介するゲームはこちら、FROM THE DEPTH。いったいどんなゲームなんでしょうか。例の如くSTEAMのストアの紹介文を引用させて頂きます。
Over 1000 unique components allow you to build and command voxel vehicles from the deep ocean to outer space- including battleships, planes, submarines and space ships! Forge strategies, allegiances and fleets strong enough to destroy eight deadly factions of the planet and reign supreme.
はい、英語ですね。ちゃちゃっとグーグル翻訳します。
1000を超える独自のコンポーネントにより、戦艦、飛行機、潜水艦、宇宙船など、深海から宇宙空間までボクセルビークルを構築して指揮することができます。惑星の8つの危険な派閥を破壊し、最高に君臨するのに十分強力な戦略、忠誠、艦隊を作り上げてください。
要するに乗り物を作るマインクラフトだと思って頂けたらいいです。
ここまで読み進めて下さった読者は「こいつ何に怯えているんだ?」と思っていることでしょう。さーて、ここから本番です。
このFROM THE DEPTH(以下FtD)、早期アクセス版としてSTEAMで販売が開始したのは2014年8月8日、そして製品版として発売されたのが2020年11月7日とおおよそ6年もの年月をかけて製品化されたのです。
先ほど俺はこのゲームを乗り物を作るマインクラフトと表現しましたが、そんな生易しいものじゃないです!
分かりやすいのはエンジンでしょうか。まずエンジンはそのまま船にポンと置けばいいというものではなく、まず核となる燃料エンジン発電機、燃料を動力に変換するシリンダー、シリンダーと燃料エンジン発電機を繋げるクランクシャフト、クランクシャフトにのみ接続するアダプター、シリンダーから熱を取り除く排気管、シリンダーを冷却するラジエーター、シリンダーの出力を上げるインジェクター、キャブレター、燃費を改善させるスーパーチャージャー、ターボチャージャー、もちろんこれらを稼働させるための燃料タンクを組み合わせて初めてエンジンが出力されるのです。
おまけに船体は完全に物理エンジンが働き、エンジンパーツが重ければ沈み、軽ければ推力に負けてウィリーします。
だが本当に怖いのはこれからです。本ゲームは6年間もの間、早期アクセスの状態でした。つまり当然、製品に向けてアップデートやパッチ、追加要素の実装が行われました。
さて、これを踏まえて先ほどのエンジンを構成する11ものパーツについて考えてみてください。このような複雑な系(システム)に置いて、仮にアップデートでエンジンを構成するパーツの一つでも修正が入ったとしましょう、その効果は全体に波及してせっかく作った船が丸々改修、最悪、そもそもエンジン構成が変更になる場合も存在します。
複雑なのはエンジン周りだけだと思われるでしょう? ところがどっこい、武装も同様の仕様です! 単純なのは船体ぐらいなもんで、プレイヤーはこのようなアップデート(FtD界隈では高浪とも呼ばれる)による仕様変更に苦しめられながら船を作るのです。
昨日の常識は今日の非常識、目まぐるしく変更される仕様に攻略wikiはさじを投げて更新を停止し、古参プレイヤーは「プレイ1000時間までは初心者」という金言を残して沼に沈みました。
故に俺はこう思ったものです。
「これやるくらいだったら何か資格の勉強をした方がいいんじゃないか?」
一年前、ARKに挫折した俺は船づくりに精を出すヴァシリにこのゲームを進めました。今や彼のプレイ時間は1473時間、知らなかったとはいえ彼を恐ろしい沼に突き落としてしまったことを猛省しております。
さて、そんなFtDも製品化され「もう仕様を根本から変更するような高浪(アップデート)は来ないだろう」とプレイヤーの間で囁かれたの束の間、3月にAI関連でUIレベルでの大幅な仕様変更が行われ、wikiに蓄積されたデータはゴミクズ同然と化し、プレイヤーはいちから操作を覚えなおす羽目になりました。
このような仕様変更は敵にも適用され、開発者も自分が何をやっているのか分かっていないのでしょうか。空母等から射出される艦載機をコントロールできずに、艦載機関連の敵を軒並み削除。空母が何故か艦載機も出さずに突進してくる海戦が起きる始末。
さぁどうです? 恐ろしくなって来たでしょう。
さて、本日はそんなホラーゲーム、FROM THE DEPTHのご紹介です。
やりたくねー。
さて、久々にダウンロードしてメニュー画面を開くと見たこともない画面が早速現れた。パッチとバグフィックスの情報と共に、中央にはプレイヤーがSTEAMに投稿した作品が表示されている。
瀬場「そんなことする前にやることがあるだろ!」
ヴァシリ「そうだそうだ!」
さて開発会社の名前が表示され―――
タイトル。
そしてメニュー画面。ストアでは日本語対応していないと書かれているが、部分的にはちゃんと対応している。
これがチュートリアルだ! チュートリアルは日本語に対応していないが、やらないよりはマシである。
ただこのチュートリアルはアップデートに対応しているのだろうか?
一切の保証はない。それがFtDである。ちなみにこのチュートリアル、全部やろうとすると10時間くらいかかる。このゲームの9割は勉強である。そう言っても過言ではない。
プログラミングの勉強でもした方が有意義ではなかろうか?
さて、今回はデザイナーモードで簡単に船を作ってみよう。
この中央のロボットがプレイヤーキャラである。それにしても俺が前にデザイナーモードをやったときと全然違うな。
瀬場「で、どうすりゃいいんだっけ?」
ヴァシリ「まずBでビルドモードに入る」
ビルドモードにはいるとブロックが表示された。こいつを組み上げて船にするのである。
Eボタンで様々なパーツを呼び出せる。ブロックには木、ガラス、石、金属、木、鉛など様々な種類があり、それぞれ重量や耐久値が異なる。
ちまちまとブロックを置いていたんじゃ時間がないので、既に出来上がった塊(プレハブ)を用いる。
よし、こいつをひな型に船を作るぞ! ちなみに船体を作るのにはマテリアルという概念が必要なのだが、デザイナーモードではそういうのを考えなくてよろしい。
動力としてプロペラを付ける。
瀬場「いくつつけたらいいかな?」
ヴァシリ「2つくらい必要だね」
今回は一番でかいプロペラを2つ付ける。
幸いなことにこのゲーム、電気回路とかは考えなくていいので、こうしたものは自由に取り付けられる。
あて、次はエンジンを乗っけよう。エンジンも予め組み上げられたプレハブが存在する。今回は燃料エンジンの大型プレハブを使う。このエンジンにしたってどこに置いてもいいのだが―――
設置した瞬間に海底へ落下していくエンジン。
ヴァシリ「船体と繋がっていないから、設置した瞬間に破壊されたんだ」
ヴァシリ「アップデートで配管に設置判定が無くなったんだ。うまく隙間に繋がるようにエンジンを置かないと」
ブロックを置いて干渉地点を増やす。
設置完了したがエンジンが出力しない。
ヴァシリ「排熱してないんだ」
エンジンのエキゾーストパーツを展開する。
ヴァシリ「配管の向きを……そうそう、そんな感じ」
ヴァシリ「あとは燃料を置くんだ。どこでもいい」
瀬場「ちょっとまて、なんだこのパーツ」
ヴァシリ「そいつは設置すると船が喘ぐようになる」
瀬場「喘ぐ????」
さっそく取り付けてみる。
舵と椅子を取り付ける。舵は船のコントロール、椅子は直接関係ないが、プレイヤーが船外に出てしまったとき椅子にスポーンすることが出来るのだ。
さっそく動かしてみるが、船が進んだり進まなかったりする。
ヴァシリ「プロペラが水面上に浮いてしまうのが原因。船体をもう少し沈めるか、ピッチを上げないと」
瀬場「ピッチを上げる……??」
ヴァシリ「船の下に翼を付ける」
この翼を可変させて船体の傾き(ピッチ)をコントロールし、プロペラがずっと海の中にいる状態を維持するのがヴァシリの狙いである。
ついでに左右の方向転換をつかさどるラダーを取り付ける。
ヴァシリ「船の上でE押してコントロールの項目で、PIDってのがあるからそれをどっかに置いて」
ヴァシリ「Qでアクセスしてまずハイドロフォイルアングルコントロールにチェック、そしたら真ん中のFake set point adjustmentのチェックを入れて-10あたりに設定する」
瀬場「(設定項目が多すぎる)」
こんな感じになった。
足回りの設計が完了したので、武装を乗っけてみる。やっぱり大砲だろう。
もちろん、大砲を組み上げるのも砲身から何から何まで複雑なので、組み立て済みのプレハブを置く。
こいつにしよう。
載せるためにデッキを増築。
弾薬箱も置いて―――
武器を操作するウェポンコントロールシステムを舵の隣に置いた。
瀬場「よーし、早速撃って―――」
天地が!
ヴァシリ「船体バランスが崩れてそりゃそうなるわ」
ひっくりかえる船。
大艦巨砲主義は駄目だ。ミサイルを置こう、ミサイルを。
ミサイルのプレハブは大きく、また大砲の二の舞になりそうなので一から設計する。
ヴァシリ「はい、まずはコントローラーを置きます」
瀬場「はい」
ヴァシリ「それからミサイルにはSサイズ、Mサイズ、Lサイズがある」
瀬場「Mでいってみようか」
ヴァシリ「じゃあ、Mを置いて。それがミサイルの基部になる。基部と基部は接続しないから、コネクターでコントローラーとつなげてやる必要がある。左右4つずつくらい置こう」
ヴァシリ「置いたらレールで伸ばしていく。guntryって奴だ」
ヴァシリ「そいつを設置するとミサイルを伸ばしていける。そいつの数が最終的なミサイルの大きさを決定する」
ヴァシリ「ちなみにNキーでミラーリングできるからな。こうすると線対称で物を設置出来て手間が省ける」
ヴァシリ「最後にミサイルハッチを付ける」
ヴァシリ「Identify friend of foe add-onを付けるのを忘れるな。それないと撃ったミサイルが自分に向かって飛んでくるぞ」
瀬場「(なんでそんなパーツ、というか設定に………)」
ヴァシリ「Staggered fire add-onも付けろ。こいつはミサイルの発射間隔を制御するパーツで、まぁ、これはつけなくてもいいが付けないと全てのミサイルが同時に発射されることになる」
ヴァシリ「ミサイルの設定も忘れてはならん。左端にあるのが、現在のミサイルに搭載されているものの内容だ。飛行するためのスラスター、飛行を制御するFin、飛行するための燃料、爆発するための火薬、爆発した際に飛び散るための金属片、装甲付き筐体は防御力を上げる。しかしこのままでは意味がない。装甲付き筐体の設定を変更しろ」
瀬場「はい(だから設定するもの多すぎるだろ!)」
ヴァシリ「その欄は敵を追尾するシステムを選択できる。レーダー探知、赤外線探知、レーザー照射とかあるが、ここはレーダー探知でいいだろう。索敵システムを組む手間が省ける」
ヴァシリ「最後にミサイルコントロールシステムにQで設定だ。上の今は45に設定されている項目は、ミサイルの敵を探知する角度だ。このままだとミサイルは宇宙に向かって飛ぶだけだから、角度を180にして水平方向の敵を探知できるようにしろ」
瀬場「(だから設定すること多すぎ!)」
しかしこれでミサイルシステムが完成した。
ヴァシリ「あ、ごめん。ミサイルの燃料タンクを一つOne-turnに設定して。これはミサイルの方向転換の回数で、これをやらないと敵を追尾しない」
瀬場「はぁ」
ミサイルを装甲で覆う。これで曲がりなりにも動けて攻撃できる船が完成したぞ。
転覆。
ヴァシリ「やはり船体重心が」
船体下部に鉛のブロックを取り付け、重心を下げる。
転覆しなくなったけど、もうウィリーさ!
飛行する船。
でもエンジン出力を押さえれば、ウィリーすることはない。ついでに鉛のブロックに追加で小さいプロペラを付ける。これで速度が上がったり下がったりすることも多少緩和されるのではないか。
マウスホイールを上に動かして武器の操作をAIから主導に切り替え、右クリックでミサイルを発射する。
飛んでいくミサイル。
ちょっと戦闘してみよう。一番弱いとされる勢力、DWGをイージーモードでRatあたりをヴァシリに勧められた。
水平線の向こうにRat出現。
ミサイルの雨を降らせる。
撃沈した。
もう少し強いヴァンガードクラスならどうかな?
砲撃が直撃して船体が損傷するも―――
撃沈した。
この船案外いけますよ!
いかがであっただろうか。ほんの短い時間だが、FtDの恐ろしさ、自由度の高さを分かってくれたのではないか。
組み上げるのも複雑なら設定も複雑である。本来開発者が調整すべき数値をプレイヤーに委ねている部分があまりに多すぎるのだ。
Valheimがやりたい………私はヴァシリと言うアドバイザーが付いていながら、思わずそんな弱音を吐いてしまいました。
さて、最後にヴァシリが作った潜水艦をご覧に入れて締めたいと思います! ヴァシリの魂の一作『潜水空母伊-400』です! この記事のコメントでもTwitterでもいいので誉め言葉をかけてあげて下さい!
それではどうぞ!
見て下さい、このディティール!
この完成度!
この甲板の飛行機は飾りじゃありません!
翼を広げて―――
飛びます! 潜水空母の名前は伊達じゃありません!
潜水艦なので沈みます!
浮上して大きく船首を突き上げる伊-400! どうでしょう、俺は一切作る気がしません!
どうでしたか皆さん。これが沼に引きずり込まれた男の末路です。これを完成させる間に彼はどんな高浪(アップデート)を乗り越えたのでしょうか。
皆さんも是非、FtDで遊んでみてください! ………と言いたいところですが正直言って万人に勧められたもんではありません。
今、俺たちが船を作ったのを「おっ、参考にしよう」と思っている人がいるかもしれませんが、あなたが買ったときには高浪(アップデート)が来て仕様が変わり通用しないかもしれませんよ! FtDはそういうゲームです。
それならキングダムハーツでグミシップいじってた方が多分、楽しいと思います。
沼に入り込む覚悟のある人だけ買って下さい!
完
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