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#2瀬場拓郎がいまさらアイドルマスター!?

前回までのあらすじ

ちょっとした用事(第二種電気工事士試験実技)で遠くのモール(実際、そこまで遠くない)まで来た瀬場拓郎は、そこで初代AC版アイドルマスターの筐体に遭遇する。
ニコニコ動画のMADと同人誌で読んだ程度の知識しかアイマスを知らない瀬場拓郎は「これも何かの縁」とプレイを始める。
懐かしき感熱式ロイコカード、ブラウン管の画像の向こうで如月千早をパートナーに選んだ瀬場拓郎は、思ったよりも性格がアレな千早と一分でデビュー曲を決めさせられるあまりに性急な判断を要求されるなどしながらも、千早と共にオーディションを勝ち抜いてFランアイドルの座を勝ち取ったのである………。

というわけで続きをやっていきましょう。
と、言いたいところですが皆さんにこのアイドルマスターというゲームについていくつか補足したい点がございます。

前回、いまいちピンとこなかったこのシーン。活動停止になったら強くてニューゲームな感じでコンティニューするのかと思いきや、これ文字通りの意味らしいです。
10週以内にランクアップできないと、そのキャラクターはアイドルを引退して永久に使用不可能な状態になるのです!
艦娘で言うと轟沈、ツイッターで言うとアカウントBAN、人間で言うとです。

ほらこれ! カードにも書いてあります!
このUPリミットがゼロになると千早は引退=死んでしまうのです!
ちなみに62週経過しても使用不可能になります。

仮面ライダー龍騎かよ!

戦わなければ生き残れない(生き延びられるとは言っていない)のか?

このアイドルマスターというゲーム、見た目に反してバトルロワイヤルみたいな世界観だ。
きっと稼働当時は「アイドルカード! お前もプロデューサーなのか!」って感じでバトルが繰り広げられてたんだろうな。
冗談じゃなくてマジでそうだったのかもしれん。

俺の契約モンスター『如月千早』

なんかうっかりデスゲームに参戦してしまった主人公の気分だ。
こんな恐ろしいゲームだと知ってたら参加するんじゃなかった………。
千早がダンスのレッスンをしたいと申すので、ダンスのレッスンをしよう。

レッスン場は臨時休業することもある。

ダンスレッスンは出来そうです。

「一日の計はレッスンにありだ! ……うん、なかなかいい事言うなあ、俺」

何ってんだコイツ。状況分かってんのか?

人の命(ないし人生)かかってんだぞ!

ダンスレッスンはスロットマシーンの目押しみたいに、足のマークを決まった位置で止めるのだ。

レッスンの後は仕事をする。
仕事は

  1. ライブ

  2. ある日の風景1

  3. ミーティング

の三つだ。

とりあえずライブ行っとけ千早。
っていうかライブ以外に実際仕事らしい仕事ないぞ。

千早「そろそろ、ライブ開始ですね。お客さんがすくないから、気をつけないと」

「すくないから、気をつけるって……どういう意味だ?」

千早「ミスしたら、目立ってしまいますよね? 客席の盛り上がりで、ごまかせませんから」

千早は真面目だな。

このあとライブの全力具合を指示してイベントが進む。

いい思い出が出来たみたいだ。

ライブで結構、ファンを獲得した。
さすが千早だぜ。

次の一週間が始まる。この世界は一週間単位で時間が進むのだ。
モンスターファームと同じですね。

今週はビジュアルに力を入れたいと申す。
ボーカル以外にも興味が出てきたか。いいことだ。

奇しくも今週のトレンドはビジュアル系だ。

千早の衣装も変えよう。

千早は何着ても文句を言う。

「喜んでくれて俺もうれしいよ! じゃあ、今日も1日がんばろう!」
俺も俺で人の話を全く聞いていない。

というわけで表現力のレッスンをする。

こいつは画面にブラクラみたいにうようよするパネルの中から、指定された色のパネルをタッチするレッスンだ。
はっきり言って、忙しいのでプレイ中の映像を撮影することは出来ない。
千早の人生かかってんだ。

表現力が鍛えられたらしい。

次は仕事だ。

買出しにでも行こうか。

千早「必要なものの、買出しですね。でも、ファンデーションなんて、なんのために?

何を言ってるんだお前は。

「撮影とかに、必要だから。千早は、化粧とかは?」

千早「しないです。興味もないので……。見た目でごまかすのって、好きになれなくて」

でたー! 女を敵に回す発言! 謙虚を一回りして嫌味なセリフ!

千早「それに、私、すこし前まで肌荒れがひどかったんです。だから、化粧どころじゃ……」

ああ、そうなの?

いかん! 俺が千早に触ろうとしている! こっ、これは!

おさわりイベントだ! 気をつけろ! 
どんな地雷が仕掛けられているのかわからんぞ!

とりあえずほっぺの辺りを軽くタッチしてみるか。

何とかしのいだ。

千早「たまには、こうして買い物もいいですね。私、誰かと出かけることなんて、ないので……」

お、ぼっちか? 最近はやりの。

千早「合わせるの、苦手なんです。だったら、ひとりでいた方が、ずっとラクで……」

なんか暗い過去がありそうだ!

「千早にはいい思い出が出来たみたいだな。オーディションで応援してやろう」

俺もぜんぜん空気読めないな。何がいい思い出なんだ……。

「今日は今ひとつだったなぁ…女心は難しい…ばぁ…」

自覚あんのかよ。よくわかんねぇな、俺。

買出しするだけでファンが増える女、千早。
そろそろオーディション行くか?

ランクUPリミットまであと7週だ。
あと7週間以内にファンを6000人増やさなければならねぇ。
そんなことが果たして可能なのか?

千早のテンションは最高らしい。

今週のトレンドはダンス系だ。
千早ダンス系弱いけど……オーディション行けるか?

しかし戦わなければ生き残れない! 行くぞ千早!

オーディションに勝てば数千人単位でファンが手に入る。
つまり二回勝てばいい。
楽勝だ。

アーケード版アイマスは既にネットワークサービスが終了しているので対戦相手は全員NPCだが、現役稼働していた頃はこいつらが同じ人間というのだから、本当に仮面ライダー龍騎だ。

ま、所詮はNPC。千早の敵ではあるまい。

と、思っていたのだが………。

お、落ちたぁ!

いや、油断していたのもあるけど普通にNPCが強い。容赦がない。ネットワークサービスが終了したんだから手加減してよ。

そしてここから地獄が始まるのである………!!

千早のテンションが落ちてしまったのだ!

説明します。

千早の右上にあるこのハート、こいつがテンションを表しています。

ちなみに前回、オーディションに勝った直後のテンションがこんな感じです。
ハートの枚数がテンションの高さを表していて、数字は今のテンションの中のレベルを細かく表したものになります。このテンションが高ければ、アイドルの能力に様々な補正が加わり、オーディションにも受かりやすくなる、かなり重要なパラメータとなっているのです。

ところがこの千早、テンションの管理が難しく一度下がったテンションがなかなか回復しません。なので、

オーディションに落ちる→テンションが下がる→オーディションに落ちる……

という状況に陥りやすいのです。通称、千早スパイラル

全然回復しねぇ

このスパイラルを抜け出すには、地道にレッスンで高得点を出したり、コミュニケーションを成功させていくしかない!

テンションが低いとやる気を出させるために慰めたりしなくちゃならん。

営業だ営業、お客さんと触れ合ってやる気を出させよう。

千早「シングルCDの店頭販売ですか? 歌手って、自分で売り子までやらないと、いけないもの?」

俺もそう思うけどFランアイドルだし、そういうもんじゃないかなぁ。

千早「やらなければならないことなら、そう言ってもらえると。私、耐えますので」

ブラック企業とかに向いてそう。まぁ、とにかく今日一日がんばろうよ!

その後、なんやかんやで千早のでかい声がうまく働いてCDが売れ、ファンもちょっと増えた。
千早もテンションが少し上がったぞ。

00が01になっただけだが。

ファンレターが来た。なんだこれ……?

はっ、これは如月千早を示す獣の数字、72だ!

(何故、72が獣の数字であるかは各自お調べください)

千早のテンションがちょっと回復している。昨日の仕事が効いたのだろうか。

が、直後に挨拶をミスってまたもとの木阿弥に。

今日のトレンドはボーカル系か………よし、テンションを回復するためにも、今度こそ勝とうぜ!

勝て! とにかく勝て! 勝たなきゃ死ぬぞ!

やったー! これで五千人のファンを手に入れてEランアイドルだ!

恒例のステージが始まる。
衣装が黄色いから、どっちかっていうと黄色い鳥だな。

まーたずっこけてるよ。

しかしいい歌だ。

アイドルランクの発表だ!

あと309人足りない!
まだ戦わなきゃいけないのかよ!

あと4週間あるんだ。いけるいける!

が、このあとオーディションに再び落ちる………。

いけると思ったんですよ!

千早「毎日、毎日、アイサツまわり……。それでも一向に、人気は……。くっ」

やめろ千早、その攻撃は俺に効く。やめてくれ。

ここから話は千早の両親へ飛ぶ。なんか家庭に居場所がないっぽい。

千早「(両親のことが)……大嫌いです。だから、芸能界に飛び込んだことすら、伏せています」

ええ~!!!!

「本当か!? それぐらい、報告しておいた方がいいんじゃ……」

ほんとだよ。大丈夫なのか? 税金とかあるだろ。

千早「……イヤです。あんな自分勝手な人たちに、話すことなんて、ありません」

耳が痛いってレベルじゃねぇ。

千早「家には居場所がなくて……、ようやく入った新しい世界にも、私の居場所は……」

もうやめて! 俺のライフはもうゼロよ!

千早「プロデューサー、どこにもないんですか? 私が、私でいられる場所なんて?」

「なければ、つくろう」

千早「つくる……? そ、そういう考え方はしたこと、なかったです……」

なんかいい感じで終わってよかった。本当によかった。

まだリミットまで時間があるが、コンビを結成して10週が経過した。

もうなりふり構ってられねー! とにかく勝つぞ千早!

チーン(最下位)

ボーカルの星を取りまくったけど、審査員帰られてすべて失った。

た、タイムリミットが来た!
三百人程度なら普通に仕事した方がファンを稼げたんじゃないか?

もうなりふり構ってられねぇ!
ビジュアル系の曲にチェンジして、衣装も変える!
ボーカル特化とか、駄目だ! ロールプレイとかしてたら勝てん!

いや、でもここで終わった方が楽かもしれない………金がかかるし………。

何考えてんだ! 千早の人生かかってんだぞ!

プレイする瀬場拓郎の心にはAPEXの比じゃないプレッシャーと葛藤が渦巻いていたという………。

勝った、勝ったぞ!

た、助かったのか、俺たち。

しかしアイドルが歌える曲は3曲までだ。
この時点ですでに2曲使ってしまった。FATEで言うと令呪を2つ使ったみたいな感じだ。

道のりは長いし、次はあと7万人もファンを増やせという。
五千人増やすのに苦労したのに7万人ですか!

続く。

戦わなければ生き残れない!


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