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指先が、ふにゃり

めでたく1歳を迎えた次女は、ますます野性みを帯びてきた。

バナナやりんごを食べる姿は
まるで ゴリラ。

ご飯をあげるとき、スプーンより手の方がよく食べるため
エサやり体験が頭にうかんでしまう。

最近では 食卓のイスに
うなりながら全力で
よじよじ よじ登り
雄叫びをあげている。

動物園なんか、遊びに行かなくても
うちが立派なアニマルパークだ。

カメや牛のぬいぐるみが 
ガジガジとかじられ
床に投げ捨てられる。

おもちゃの弱肉強食。

こんなにたくましい育ち方の次女でも
おどろくほど弱い部分がある。

指先だ。

********

こどもを生むまで、知らなかった。

ボタンを押すことが
これほどむずかしい作業だとは。

押す場所を認識して
指を正確にあて
ぐっと力を入れるという

いくつかの工程が必要だ。

うちの1歳の子ゴリラも
音のなるおもちゃは大好きなのに、
ボタンが全く押せなかった。

人差し指を持っていくまではできるが
そこからジョークのように
指先が曲がる。

ふにゃふにゃで
全くやる気のない指先だ。
え、冗談だよね?と
思わずツッコミたくなる。

ものすごい力で 色々 破壊し
めでたく「破壊神」というあだ名がついたのに
これでは 名前負けだ。

そう思いながら、
ここ1か月 ボタン押しの練習をした成果が
ついに発揮された。

やけに大人しく じっとしていると思ったら

音のなるおもちゃの 特にかたいボタンを
上手に押していた。

ただ、指はものすごい角度で曲がっていた。
頑張っている。

大人なら、複雑骨折レベルだが
赤ちゃんの指は やわらかい。

一生懸命 ボタンを押す背中が
棒で 砂山をつつく おさるに重なる。

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おー、またひとつ
人間に近づいたな!と
一種の感動を覚えた。

次女にボタンを押されたプーさんは
「いない いない ばぁ」の声とともに
1日中 出たり 引っ込んだりしていた。








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