KITセミナー「ティール組織の人事ってどんなことをしているの?」
「ティール組織の人事ってどんなことをしているの?~KIT修了生が経験した成功と失敗から学ぶ~」@KIT(金沢工業大学)に参加してきました!
https://www.kanazawa-it.ac.jp/tokyo/toranomon/professional-meeting/1206384_2847.html
組織に関するイベントのためか、年齢層は高めだと感じました(・・)
ティール組織の説明①
まずは、嘉村賢州さんからお話をいただきました!
ティール組織は、「メンバがフラットになればティール組織」のように、誤って広まっている節があるとのこと。センセーショナルな解釈のみ、流布されてしまっているのでしょうか…
決して、すべての組織においてティール組織が理想形というわけではありません。
フレデリック・ラルー氏(ティール組織の著者)は、あらゆる分野の歴史の調査から始めたそうです。
農業革命: 自然を、子どもをコントロールする。
産業革命: 機械を改善するように、人や仕組みを改善する。
なう : 教育において、子どもたちが自分のやりたいことを決める。
医療において、物理的な治療ではなく、関係性などを改善する。
農業において、本来の野菜のエネルギーを発揮する。
⇒混ぜこぜ、循環。生命体、生態系。
・ティール組織となっている企業は、中長期経営計画を持っていないそうです!
・リーダーがどれださらけだせるかは、大事。リーダーがカチカチだと、組織もカチカチになる。
ティール組織の例
オズビジョンの人事の方からお話をいただきました!
理念が社員の「自己実現」の会社です!
売上とeNPS(Employee Net Promoter Score、従業員エンゲージメントを測定する指標)の時系列変化を基に、盲目期/内省期/分断期に分けて話をしてくださいました。
・合宿ってやっぱりやるんですね!
・内省期に社員にアンケートを取ったそうです。
『階層間(経営層とそれ以外、など)の意思疎通にギャップが大きい』というような回答を得られたそうですが、本当に意思疎通が大きければ、そういう意見すら上がってこないのでは?と思いました。
・『理念は浸透していたけど、クレドは浸透していなかった』という発言をされていて、その浸透方って一般職にとってそんなに違うの!?と思ってしまいました。
・「理念やクレドの浸透には、策定に参画してもらうことが一番の近道」と聞いたことがありますが、そのようにされていたようです。加えて、まずは、『クレドとはなにか』というところからスタートしたそうです!(大事ですよね。)
・給与制度は大事。
・一つ一つの取り組みが、eNPS の向上に寄与したそうです!!
ティール組織の説明②
話の合間合間にファシリテーターからの質問などもあり、様々な話を聞くことができました!
ティール組織では、社長のすることが変わるそうです。
従来の(オレンジ組織の)社長の仕事のうち、以下をする必要がなくなる。
「指示命令」
「計画」
「マネジメント」
「事故対応」
一方、社長の仕事として以下が残る。
「会社の顔」
「(ティールを)体現する(ロールモデルとなる)」
「(ティールの)器を守る」
「ソースである(存在目的 Purposeの声を聞く)」
ティール組織の特徴として、「社長と現場のルールが同じになる」ことが挙げられます。ティール組織では、「存在目的(Purpose)が上司」となるそうです!!社長にせよ一般社員にせよ、存在目的(Purpose)の下、役割が異なるのみで、権限が違うのではありません。
存在目的(Purpose)とビジョン/ミッションは異なる。例えば、Aさんが組織に入ってもビジョンは変わらないが、Aさんという分子が加わることにより組織の存在目的(Purpose)は変わる。
ビジョンに合う人を採用することは、機械の部品を追加している(オレンジ組織)に過ぎない。
自分はまだ、「存在目的(Purpose)」という概念を理解し切れていないですm(__)m
キャンプファイヤーモデル
グリーンとティールの違いを表すものとして、「キャンプファイヤーモデル」について説明いただきました。
ティール組織になると、暗闇に飛び出していける、飛び出す人を認めてあげることができる。
質疑応答
質疑応答も非常に有意義なものでした。
①いうても、サボる人、おるでしょ?ルールや制約が必要ではないの?
⇒今の組織が、性悪説に偏りすぎている。やってみて、学べることは非常に多いはず。
例えば、サボる人がいる場合、自分とその人との間で対立構造が生じることになる。まずは、1対1にて話し合い、解決を目指す。それでもダメなら、複数人にて話し合う。それでもダメなら、社長が話に加わる。
現在の組織では、人事などが介入することが早すぎる。
②いうても、262 の2 の人もおるやん。
⇒262 は、組織の持っている物差しでしかない。
ティール組織においては、「サボっているのはなぜ?」ではなく、「この人が能力を発揮できていないのはなぜ?」という問いが生じる。また、ティール組織においては支配的な階層構造はなくなる。一方で、自然な階層構造(役割)が生まれる。
③部分的にティール化することは可能?
⇒一部門だけなど、ティール組織を小さく試すことも可能である。
その場合、リーダーの覚悟が必要であるとともに、中長期的な経営層の理解が必要となる。試行中に売り上げが落ちるなどイレギュラーな事態が発生した場合に経営層が介入すると、現場は任されていないと感じてしまい、ティール組織の考えから外れてしまうことになる。
④ティール組織は自由なの?
⇒ルールがないのではない。最低限のルールの中で、みんなが成長するのがティール組織である。
主観
自分の属する組織はティールなんて程遠い、と思っているけども、でもその概念を身近に引き寄せたいと思っているから、『ティール組織を小さく試すことも可能』という言葉に勇気をもらった!
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