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パニック放銃症候群

○はじめに

今回の反省は、技術的なことではなく、打ち手が冷静さを欠いていることへの反省です。どのようにして冷静さを欠いたか、何故冷静さを欠いたのか、どうすれば冷静なまま進行出来るかを考えていきます。

ただ、文量が多いです。あしからず。

○本文

・東3局

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状況はラス前、上家に放銃したシーン。画像だけ見ると上家は南家でマンズ模様で南初牌だしそりゃ当たるしその1向聴から何突っ込んでるんだよという話なんですけど、おっしゃるとおりその通りです。自分でもロンと言われた瞬間に全てに気付いて自分に絶望して「ぅあ!!」となりました。でも放銃するまではこの南で放銃するとは思っていませんでした。ヤバイですね。そこで、このクソったれな放銃を分析していくことが今回の反省になります。

まず、下の画像。

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対面が發を鳴いた場面。合計5副露入ってますね。この時点で頭がパニックになりました。主戦場が東風なのに。和了って2着以上を目指したいけど間に合っている感覚は一切ない。ここから副露は増えなかったんですけど、もうこの時点でげんなりもげんなりでした。特に下家の捨牌が派手すぎて一体なんなんだよと。でもこれ冷静に見たら上家はマンズ・南、対面は自然、下家はトイトイ・北・白・ホンロウ・チンロウあたりだと絞れますよね。実戦では下家チンロウか!?で脳みそが8割支配されていました。僕は気付いてしまったレアケースの可能性に異常に怯える癖があって、ここから思考が停止してしまいます。ただ、他家の手を予想することは思考の一つでしかなく、大事なのは和了りに行くかどうかになります。今回は、手牌も悪くなかったですし、和了りたかったので粘りました。

そして微妙に粘って冒頭の場面になりますが、上家は手出し北から全部ツモ切っています。頭がバグっててもこれは把握できていました。だからこそ、マンズ染めだという読みが抜けていきました。捨牌二段目以降で染め色が手出しされるまではだいたいセーフ理論を信じているので、そうなると上家はマンズを手出ししていないので「ん?じゃあなんだ?」というところで立ち止まってしまいます。よくよく考えなくても北のあと3m2m1m全部ツモ切りってめちゃくちゃテンパイ模様なので、打北か打3mの時点で字牌のカウンティングを行うべきだったのに、全員が鳴き散らかすもんだから整理整頓が出来なくなっていました。カウンティングを冷静に行っていれば、8巡目、対面の白ツモ切りで反応できました。下の画像です。

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字牌のカウンティングを行っていれば「東・中1枚切れ、南・白初牌」という情報を持っていたはずなので、情報を更新することができます。しかし、実戦ではカウンティングを行っていない上に手牌に視線を落として「6mと6pどっちが危険だろう。鳴くのは何だ」ということしか思考していなかったので論外ですね。ただでさえ場が動きすぎて把握が難しいので、諦めてしまって自身の手牌で精一杯になってしまいました。これもよくある癖です。

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また冒頭の場面に戻りますが、スクロールするのが面倒だと思いますので画像は再掲しておきます。まず下家について。これもうオリてますよね。手出しが多すぎます。3p、白、1pあたりでオリてるなと分かります。従って、下家は無視できます。何か切れない牌を掴んでオリてます。そもそもトップ目なので引くという選択は常に持っているはずなのでオリに傾きやすいですよね。こういう、点棒状況での他家の押し引きのバランスも頭から抜けていました。

続いて対面について。注目すべきは打5mと打東で、明確に押しています。ほぼテンパイです。待ちはわかりませんが3mポンはなかったですし、高いかどうかはわかりませんが、69mかソウズかな、と。ソウズで打つと赤跨ぎもあるので嫌です。

最後に上家。東も通ったので残った字牌は1枚切れの中と南です。これが切れません。マンズは通っていないのが46789mです。つまり、46789m南中のうち、いずれかの牌は当たります。よって、南は単純な放銃率で14%に相当します。ほら、切れません。切れるわけがありません。

冷静に後から見返せば、苦渋のオリでよかったです。ツモ2pで問題だったのは、2pが初牌だったことです。ここで完全に頭がバグりました。2pは切れない。でも粘りたい。だから一旦和了りに必要ない南。初牌だけど字牌だしいいや。その程度の思考で切りました。おかしいですね。だって後から見返せば切れるわけがないことが分かりますから。

―――

さて、この放銃で何を学べば良いのでしょうか。ここからが本題になりますが、ここまで書いてちょっと疲れたので結構ざっくりいきます。

まず、押し引きがふわふわしていたことが問題になります。5ブロックが確定していない形からの仕掛けだったので自身の手牌にかかりきりになってしまいました。リソースを手牌に割かなければならなかったのが良くなかったです。もう一つ踏み込んで言えば、「リソースを手牌に割かなければならなくなった」ことを認識出来てなかったことが、パニックの原因の一つになっていました。実戦中は気付けばあわあわしていましたが、おそらく原因はそこにあります。何故か他家への思考をストップしていて、何故ストップしてしまっていたのかも把握できなかったので突如として数牌の初牌をツモったときに南の危険性まで頭が回らなくなってしまいました。一つ一つ整理できていればこんなことにはなりません。これがまた、後から見返すと一つ一つ整理できてしまいます。だから座学では出来た気になってしまいます。だってある程度は整理できてしまうわけですから。

でも麻雀というゲームはどうしても状況が突然変化しますし、自身の手牌の難易度も配牌によって変われば状況によっても変わります。麻雀って変化しすぎるゲームなんです。しかも時間無制限死ぬまで長考可能な競技麻雀Mリーグと違って、ネット麻雀には制限時間があります。その制限時間の中でまずは手牌も変化も把握しなければなりません。そこで僕のようなメンタルが弱い人間は、激しい変化によって思考がストップしてしまわないような手段を見つけて克服出来るように訓練しなければなりません。

メンタルも技術だと思っていますが、これは実戦中にのみ克服できるようなものではなく、やはり座学を行わなければならないと痛感しています。そこで目標として「しっかり思考する」「状況を整理する」「自分の手牌だけ見て麻雀を打たない」などと何万回と行った反省をまた繰り返してもいいのですが、どうやらそれでは大して改善されないな、過ちを繰り返してしまうなということは把握できています。

しかし、根本的にどうすればいいのかは分からないので「意識すること」から始めます。最終的なゴールは「毎局手牌について最善を尽くせるし状況の変化に応じて他家の手牌を想定できて危険牌も把握できる。字牌及び危険領域の牌についてカウンティングも実施できる。しかもこれらはほぼ無意識に、直感的に。」というところにあります。つまり「全て直感でノータイムで正解を出す」ということになるのですが、まぁそれはゴールなので大目に見てください。

ここでは一旦「状況の変化に応じて逐一他家の手牌を想定して危険牌を把握する」「字牌及び危険領域の牌についてカウンティングを実施する」の2点を意識します。ホント、それだけです。他家の手牌を読む癖を付けていきますし、字牌のカウンティングをする癖を付けていきます。それだけです。というか、意識して反復する以外に特別な方法が思いつきませんでした。オチがこれなので、ここまで3000文字も必要だったのかという文句もあるでしょうが、結局こんな単純なトレーニングでしか克服出来る気がしませんでした。何か画期的な方法があったら教えてください。

もう一つ。手牌にどれだけの思考リソースを割かなければならないのかを把握するというのも意識したいです。特に、ブロックが足りていなかったりすると一気に脳みそが持って行かれます。そうなったときに他家への警戒がゆるくなりがちなので、そういうタイミングで「だめだだめだしっかり他家の手牌を読むんだ」と踏ん張る意識を持つように訓練していきます。

そこからは、実戦でこれらの反復を通じてコツコツ成長していくしかありません。大変ですね。でも実戦でのテーマが見つかったのはよかったです。

○さいごに

最近考えることが多すぎてパニックになることが増えてきたので一旦思考整理のために書きました。後から見返して「うっわこんなことも出来ないのかよ!」となるのは嫌ですからね。持っている実力はなるべく全て発揮したいものです。

それでは、短い鳳東ライフを満喫してきます。

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