肺MAC症に新たな治療薬!?:アリケイス
こんばんは。
うしくんです。今日も 1日の 締めくくり にお勉強です。
今日は、アリケイス吸入液590mgです。
肺MAC症の治療薬なんですが、医療機関にいる方なら
なんとなく聞いたことがあると思います。
基本的な知識のおさらいをし、この薬について考察しよう!
Keyword
1.肺MAC症
2.アミノグリコシド系
1.肺MAC症
MAC=「Mycobacterium Avium-intracellulare Complex」 頭文字
→要するに
Mycobacterium=マイコバクテリウム属
Avium / intracellulare=アビウム菌 / イントラセルラーレ菌
Complex=複合体
結核って聞くとえっ大丈夫???
ってなりますが、結核と違い、人から人へはうつりませんので安心です。
症状は、慢性的な咳・息苦しさ・倦怠感・発熱など幅広い症状があります。
進行性なので放っておくと、肺に重度、不可逆な損傷を及ぼします。
現在は、結核の治療と同じく、抗菌薬の3剤+αを加える多剤併用療法が一般的です。
3剤とは:リファンピシン(or リファブチン)+エタンブトール+クラリスロマイシン (+カナマイシン or ストレプトマイシン)
病院でもたまにいますが、抗菌薬を長く飲み続けることや量の問題、他に手段がないなど治療に困ったことが多く嫌な疾患でした。
新しい薬ができたのは、本当に嬉しいことです。
2.アミノグリコシド系
今回の薬は、アミノグリコシド系抗菌薬に分類されます。
アミノグリコシド系って???となると思いますが、
要は、薬の構造式から同じ構造を持つものをそう呼んだだけです。
簡単に言うと、グリコシド=糖とアミノ酸がくっついた構造を持つもの
構造が類似していると効果も類似してくるのでそういった分類にしているだけです。
このアミノグリコシド系の薬剤は、特徴として「細菌のリボソームの 30S サブユニットに結合してタンパク質合成を阻害することにより抗菌活性を示します」そう言われもって感じだと思いますが。
解説すると。リボソームというのがタンパク質を作るための装置です、その装置には、30Sと50Sという部分があります。そのうち30Sの部分の機能を停止させて、細菌のタンパク質合成を妨げます。
まぁ細かい作用機序は、医師・看護師・患者に取ってはそこまで大事じゃないので、簡単に覚えておくと、「タンパク質の合成を阻害して、殺菌作用を示す」ってだけ理解しておいてくれれば大丈夫です。
アミノグリコシドは、使い方を間違うと耳に障害を出す可能性があります。
具体的に、耳の障害が起こる理由は、わかっていませんが、濃度が高い状態が持続すると耳に障害が起こることがわかっています。
なので注射製剤を使用する際は、血中濃度を調べて投与を行います。
それでは、基礎知識もおさらいしたので、話し相手ごとの説明方法を考えていきましょう。
1.患者
2.医師
3.看護師
1.患者
今まで注射しかなかったけど、製薬会社が頑張って吸入薬にしたんですよ。内服すると肺にちゃんと送られて細菌を殺してくれます。
耳に副作用が起こることがあるから、飲み始めてからめまいとか耳鳴り、聞こえずらくなったりしたら、受診してください。
2.医師
アミカシンが改良されて吸入薬になりました。肺MAC症の適応を持っています。注射薬の時と同じく、聴力の障害があり得るので、定期的な聴力の確認をしてください。
3.看護師
1 日 1 回ネブライザを用いて吸入するので、そのまま内服しないように注意してください。聴覚への障害があり得るので、耳が遠くなっていると感じる場合は、医師へ聴力検査の依頼をお願いします。
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