見出し画像

36「詩」願い

私の生まれるずっと昔に
生まれた光の粒たちが
行く当てもなく
散らばっていって
やっとやっと辿り着いたのは
音の波
限りなく広がる波は
いくつもの笛から
奏でられ
光の粒たちは
分け隔てなく波に溶けていく

流れついた音がいつか
だれかに光を渡す

いつもと変わらない1日でありますように

音に願いをこめ
手のひらに包みそっと息を吹きかけてみる
目を凝らさないと見失ってしまうほど
かすかな願いが裸で震えている

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?