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334【2019年の科学10大ニュース】

アメリカの科学雑誌サイエンス誌2019年12月20日号巻頭記事:2019年のブレークスルー(https://vis.sciencemag.org/breakthrough2019/)によると、2019年に科学の分野で世界にブレークスルーを起こしたベスト10は次のようなものでした。
1 暗黒が見えるようになった
天文学者たちの国際チームが、ブラックホールの画像を初めて作成した。チームの一員である国立水沢天文台の秦和弘さんを小学校に招いて授業をしていただけたことは本当に光栄だったと思っています。
2 デニソワ人(Denisovans)の顔と向き合う
絶滅した人類の顔の復元に成功しました。
3 量子スプレマシー(量子超越性)が確認された
量子コンピュータがこれまでの古典コンピュータより実際に優れていることが初めて確認されました。これからのコンピューターの処理速度は、こちらへシフトしていくように思います。
4 微生物が低栄養と戦う
腸内細菌を改善するサプリで、発展途上国の子どもたちの栄養状態をよくできるかもしれないということです。健康に関する考え方が変わってきます。
5 大量絶滅をもたらした隕石衝突
6600万年前、メキシコ・ユカタン半島に巨大隕石が衝突して恐竜などを絶滅させ、チクシュルーブ(Chicxulub)・クレーターを形成したことが、堆積物の分析によりその詳細が明らかになったらしいです。
6 遠方の天体がクローズアップ
これまでUltima Thuleと呼ばれてきたカイパーベルト天体の正式名称が、Arrokoth(アロコス)に決まりました。NASAの探査機ニューホライズンズが、アロコスが太陽系形成期の物質からなることを発見しました。意外と知られてないんですよね。
7 微生物出現の「ミッシング・リンク」
日本の研究チームは、12年間努力して深海堆積物から採取した微生物の培養に成功しました。人間をはじめとする全動植物を含む生物グループである真核生物の起源解明に向けて、大きな一歩を踏み出したことになります。
8 大部分の嚢胞(のうほう)性線維症(cystic fibrosis)が薬で治療できる
大部分の嚢胞(のうほう)性線維症(遺伝性疾患の一種)に効く薬品が承認されました。
9 ついに、エボラ出血熱の患者に希望が
数十年の間、致死性の伝染病とされてきたエボラ出血熱の生存率を画期的に高める治療薬が2種類登場したらしいです。
10 人工知能が複数のプレーヤーで行うポーカーをマスターした
チェス、将棋、囲碁に次いで、ポーカーでも人間の名人に勝ちました。
2020年、3か月が過ぎようとしています。地球温暖化問題もあるのに、今年は新型コロナウィルスが注目を集めてしまいそうです。


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