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ニュルンベルク裁判2021? その1

こんにちは。

「デマは絶対に許さない!」でお馴染み?の「デマは絶対ダメマン」です。

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※ ダメ、絶対


1. はじめに

Twitterを眺めていて、また「ん?」と思うTweetを見つけました。

ニュルンベルク裁判2021」ですって?何それ?美味しいの?

Twitterで「ニュルンベルク裁判2021」とかの単語で検索すると、現在必死にこの話を広げようとしてるのは「こちらのアカウント」のようです。

※ 元ツイートが消えるとアレなので、念の為スクショも。

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ちなみに、こちらの「カミーユ・ディラン」というアカウントの方は

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こういう方でして。

過去のTweet履歴をざっくり確認してみたところ


「ワクチンには絶対反対!何がなんでも阻止!」

な姿勢を貫かれている方な様子です。

※ フォロワー数もかなりいらっしゃるので、そこそこ影響力あり?

(自分が拡散してる内容は)「基本的に引用元に御確認下さい」ですって?「自分は善意で拡散してるだけなので、例えデマを拡散してしまったところでなんの責任もありません」ってことがおっしゃられたいのかな?

「デマ、陰謀論ガーの人には関わるな」ですって?


「こっちからお断り」ですからご安心を
※ 「不都合があるなら」ですか?それは全体的に

2. リサイクルデマ?

今回のこの話(ライナー・フュルミッヒ博士が率いる1,000人を超える弁護士と10,000人を超える医療専門家のチームが、人道に対する罪についてCDC、WHO、およびダボスグループに対して訴訟を起こした)、実は私が先日ご紹介した『COVID-19ワクチンは「大量破壊兵器」なのか? - 「BonaFidr」のことだったり、「Dr. Vernon Coleman(バーノン / ヴァーノン・コールマン博士)」のことだったり』という話題とも共通している点があります。

それは「ニュルンベルク綱領」というものです。

※ 分かりにくいので、前者を「コールマン博士のデマ」、後者を「フュルミッヒ博士の話」(まだデマか確定してないので)としておきます。


3. 「ニュルンベルク綱領」って?

一応、ここで「振り返りとして」詳しく「ニュルンベルク綱領」について見て見たいと思います。

ニュルンベルク綱領 (ドイツ語: Nürnberger Kodex、英: Nuremberg Code)は、非倫理的な人体実験研究に対し、第二次世界大戦後のニュルンベルク裁判の一環で1947年に行われた「医者裁判」の結果として生まれた、人間を被験者とする研究に関する一連の倫理原則である。これがのちの「ヘルシンキ宣言」といった研究倫理の確立に繋がり、医療倫理の発展、そして患者の権利の確立へと結びついた。

なお、何が戦争犯罪にあたるのかを定義した「ニュルンベルク諸原則(英語版)」とは異なる。

ニュルンベルク綱領における10の要点

1. 被験者の自発的な同意は絶対に不可欠なものである。
2. 実験は、社会の利益のために実りある結果を生み出すようなものであるべきであり、他の方法や研究手段では実行不可能なものに限り、また無作為でも本質的に不要なものであってはならない。
3. 実験は、動物実験の結果、及び病気の自然な過程についての知識、研究中の他の問題についての知識、に基づき設計され、予想される結果が実験を正当化させるものでなければならない。
4. 実験は、すべての不必要な肉体的および精神的な苦痛や怪我を避けるものであるべきである。
5. 死亡または身体障害を負う傷害が発生すると信じうる先験的な理由がある場合、実験を実施してはならない。ただし、場合によっては、実験医が自ら被験者としての役割も果たしている実験は除く。
6. 起きうるリスクの程度は、実験によって解決されるべき問題の人道的重要性によって決定されるものを超えてはならない。
7. 被験者を、わずかな怪我や障害の可能性から守るために、適切な準備と、適切な設備のもとで行われるべきである。
8. 実験は科学的に資格のある人によってのみ行われるべきである。実験を行う者、または参加する者は、その実験のすべての段階を通して、最高度の技術と注意が要求されるべきである。
9. 実験の過程で、被験者が実験の継続が不可能であると思われる肉体的または精神的状態に達した場合、実験を終了する自由を被験者に与えるべきである。
10. 実験の過程で、責任者たる科学者は、その立場で求められる誠実さ、優れた技能、注意深い判断力、に基づいて、万一被験者に傷害、身体障害、または死をもたらす可能性がある場合には、いつでも実験を終了できるよう、備えをしておかなければならない。

ニュルンベルク綱領 - Wikipedia より

3. 「ロイター」によるフェクトチェック

さて。

「COVID-19ワクチンを投与する医療従事者は『戦争犯罪者』だ!」とするデマには関しては「2021年2月5日」に、既に「ロイターのファクトチェックで完全に否定されている」ので、そちら改めてご紹介したいと思います。

ファクトチェック:COVID-19ワクチンを投与したスタッフは戦争犯罪者ではない

 「COVID-19ワクチンを投与する医療従事者は「戦争犯罪者」だ!」と主張する男性の動画がFacebookで話題になっています。

 この15分間のビデオは、公開時点で6,800のシェアと4,900の「いいね!」を獲得しており、ある男性がこう言っています。「試験がまだ進行中なので、ワクチンが安全で効果的かどうかは、誰にもわからない。」と (5:05) (fb.watch/3qA_JoObuo/ , re-posted fb.watch/3qB2LImHhI/ , here and here). ※ 現在すべてリンク切れ

 彼は、アメリカ政府のホームページにある、「ワクチンの実験が2023年1月31日に終了する」という記録(こちら)に触れ、こう付け加えます:「実験だから、まだ終わっていない」と。(5分33秒)

 しかし、「ワクチンが承認されて展開された後も、安全性のモニタリングは継続されるのが標準的なやり方」です。ワクチンがどのように試験され、認可され、モニターされるかのプロセスについては、オックスフォード大学のVaccine Knowledge Project(こちら)、欧州医薬品庁(bit.ly/2YLLros)、米国疾病管理予防センター(CDC)(こちら)が説明しています。

 最終的な第3相臨床試験(治療現場で患者の使用を想定)をクリアした米国の製薬メーカー「ファイザー」とドイツのパートナー「ビオンテック」のCOVID-19ワクチンは、2020年12月に米国の規制当局から緊急使用の承認を受け、そのワクチンと英国の製薬メーカー「アストラゼネカ」とそのパートナー「オックスフォード大学」のワクチンは、英国での使用が承認されています。

 ファイザー社は2020年12月に、第3相試験の参加者の安全性モニタリングを継続することを報告しました。(ここでは、「有害事象」を参照)つまり、「すべての試験参加者は、2回目の投与からさらに2年間、長期的な保護と安全性を評価するためにモニタリングを継続する」ということです(ここ)。

 これは「通常の手順」です。英国政府はイエローカード制度(こちら)を、米国政府はVAERS(vaers.hhs.gov/reportevent.html)を用いて、国民に投与されたワクチンの追跡調査を行っています。

 ロイターは、COVID-19の臨床試験に関する過去の誤った主張をこちらで否定しています。

 昨年のポリティコ誌で「有名な反ワクチンのインフルエンサー」(こちら)と紹介されていた動画の男性は、こう続ける。

 「1947年に書かれた医学実験に関するニュルンベルク綱領では...人体実験には患者からの明確で自発的な同意が必要であるとされています。つまり、患者は自分が実験に参加していることを知らされ、起こりうるすべての有害事象について警告されなければならない、これがインフォームド・コンセントの意味です。どれだけの医師や看護師が人にこの薬を注射し、患者に『これは試験だ』と伝えているだろうか?どれだけの人が、価値ある判断をするために必要な情報を提供しているでしょうか?限りなくゼロに近いのではないでしょうか。だから、法律的には、予防接種をしている人たちはみんな戦犯なのです。もう一度言いますね。法的には、予防接種をしている人たちは全員、戦争犯罪者です」(6:20)

 彼は続ける。「はっきりさせておこう。実験であることを説明せず、起こりうる有害事象をすべて列挙せずにCOVID-19ワクチンを投与する人は皆、戦争犯罪者です」(7:34)

 1947年のニュルンベルク綱領は、実験に参加する人間にインフォームド・コンセントを与えることを義務づけており(こちら)、1949年のジュネーブ条約の一部として採用されています(こちら)ので、規約違反は戦争犯罪になります(こちら)。

 しかし、ワクチンを受ける人は、インフォームド・コンセントを行っています。英国政府のグリーンブック(こちら)では、「すべてのワクチン」を含め、「治療や身体調査を開始する前、または患者の個人的なケアを行う前に、同意を得なければならない」と説明されています。

 「同意は自発的かつ自由に与えられなければならない。本人は、予防接種のプロセス、メリット、リスクについて知らされ、自分の意思を伝えることができなければならない」(bit.ly/3jlgkcX 、7-8ページ)とあります。この章では、情報はリーフレット、ポスター、ビデオ、情報パック、ファクトシート、ウェブサイトなどで伝えることができると付け加えています。

 英国とは異なり、米国では予防接種に関するインフォームド・コンセントを連邦政府が求めることはありませんが(こちら)、いくつかの州ではインフォームド・コンセント法が制定されています(こちら)。

 しかし、CDCは、破傷風などの認可されたワクチンを受ける患者には、リスクとベネフィットの概要を説明したワクチン情報説明書(VIS)を渡さなければならないとしています(こちら)。COVID-19ワクチンについては、「ワクチン接種について十分な情報を得た上で決定するのに役立つ」ファクトシートが患者に提供されます。このファクトシートはVISに似ていますが、認可されたCOVID-19ワクチンごとに作成されている点、ワクチンメーカーが作成している点、FDAが認可している点が異なります(こちら)。

評決


 虚偽である。承認されたCOVID-19ワクチンを投与する医療従事者は戦犯ではない。すべてのワクチンは、規制当局によって承認され、一般市民に提供される前に、厳格な臨床試験を経ています。また、政府や製薬会社は、ワクチンが承認された後も安全性のモニタリングを継続するのが普通です。また、政府や製薬会社は、ワクチン承認後も安全性の監視を続けるのが普通です。イギリスやアメリカでは、ワクチンを受ける前に、その効果とリスクについて説明を受けています。

https://www.reuters.com/article/reuters-factcheck-vaccination-idUSKBN2A42H5 より


4. ここまでのまとめ

 4.1. 2021年2月5日以前

 「バーノン(ヴァーノン)・コールマン」なる人物が「先ずはFacebook」にて「COVID-19ワクチンを投与する医療従事者は『戦争犯罪者』だ!」と主張し、それが世界中に拡散された。
※ この動画は2021年3月13日「Brand New Tube」に再度投稿される。

 そこで主張されている内容は「1947年に定められた『ニュルンベルク綱領』は、実験に参加する人間にインフォームド・コンセントを与えることを義務づけていて、1949年のジュネーブ条約の一部として採用されている。規約違反は戦争犯罪になる」ということである。

 4.2.  2021年2月5日

 この「バーノン博士のデマ」に関しては「2021年2月5日」に、既に「ロイターのファクトチェックで完全に否定されている」し、その後も様々なファクトチェックサイトにて「デマ認定」を受けている。

・2021年2月5日

・2021年3月15日

・2021年3月31日

など。

 4.3. 2021年3月29日

 日本にて、この話題を「BonaFidr」なる「過去に陰謀論的な話題を拡散させていたサイト」が取り上げる。

 4.4 2021年5月10日(現在)

 「フュルミッヒ博士の話」が拡散しようとしている。

こういう時系列なのですが、「フュルミッヒ博士の話」と「コールマン博士のデマ」は、同じ「ニュルンベルク綱領」を利用した話ですが、細部が微妙に違う様子です。

次回はもう少し詳しく「フュルミッヒ博士の話」の「話の出所」や「拡散の経緯」、そして「内容のチェック」を行ってみたいと思います。

次回へ続く!

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