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酷暑の季節にロードでお出かけするために

当たり前を再確認

夏の摂氏35度を超えるような季節と天候で運動は本来やるべきではない。
発表される気温はアスファルトやコンクリートの上で計測してない。体感と実測ではもっと高い温度の中を走ることになり、普通に考えれば体温を下げるための強制冷却機能が機能しなくなることを意味する。
故に体の中に熱がこもり、発熱しているのと同じような状態が続くことになるのでパフォーマンスはもちろん上がらないし、命に関わるのも当然と言える。
水分補給を口酸っぱく言われるのも、後述しているが汗をかくのが極めて大切だからでもある。

それでも乗ることがあるならば

冬に半袖半パンで自転車に普通のシチュエーションではまず乗らないのと同じで、夏も極めて準備が大切になる。

  1. 日焼け止めを塗ろう

  2. 普段から外気の暑さと湿度に体を慣らそう

  3. 異常を感じた時にすぐにやめれるよう周回路で練習しよう

  4. 冷たいものを摂りすぎない


日焼け止め

日焼けは若い男子ほど侮ってしまうが、いってみればジリジリと時間をかけて火傷をしているようなものだ。つまり肌に常時ダメージをうけているようなものなので、日焼け止めを塗っていないと体力を奪われている行為を放置しているに等しい。
ゆえに日焼け止めを侮ることなかれ、ということだ。半日も乗ると体へのダメージの差を感じることになるので、これを機に老若男女、自転車に関係ない時でも太陽の下を行動時は対策をされることをお勧めする。

自分のことを言うと、夜でもない限りは基本的に日中は季節に関係なくアームカバーやコンプレッションのシャツで長袖状態を維持している。日焼け止めを塗らなくて済むのと、後述の気化熱をコントロールするためだ。

外気に体をならす

もちろんこれは体に気温をおぼえさせて、その状況下での体温調節を自然と覚えさせるという意味合いもある。運動を行わない人であればそれで十分だ。
ロードバイクに乗る人にとって大事なのは「汗」になるのだが、基本的に汗をかいていようといまいと、肌に含まれる水分に風があたると強制的に気化熱で熱が奪われていく。
単車に乗っていて寒くなりがちなのはこれに起因する。

汗をかくと気化熱の素材が肌の表面や頭にばら撒かれ、それが蒸発することによって体温を強制的に奪い、体温を下げる仕組みなのは皆さんもよくご存知だろう。

逆に言えば汗をかかないと体温が体に篭ってしまいがちなので、普段からあまり汗をかかない人は危ないわけだ。夏はしっかりと汗を出す生活にしている人の方がリスクは下がるので、早め早めに暑いところでしっかりと汗をかけるようになっておく、というのが大切になる。

湿度が高いと熱中症になりやすいのは、水分が蒸発しにくくなるため汗が気化しにくくなるためだと考えればわかりやすいだろうか。故に気温が30度くらいでも湿度が90%を超えるような時も同様に運動のリスクが高くなるのはそういうことだ。

そのため練習をするにしても、汗の量や尿の色の濃さには気を配った方が良い。汗の出が悪い、尿の色が濃い、という状態は熱中症の入り口に立っているため、水分量とカリウム類は特に注意しよう。

周回路での練習

なるべくよく知った道を往復や周回する練習で走れる距離を伸ばすのがよい。いわずもがな、コンビニを含む補給と冷房の両方を考えられる施設にいつでも立ち寄れる安心感がないような状態のコースで走るのは全くもって安全ではないからだ。

やはり心理的と身体的の両面で安全性を確保していない状態での練習(=負荷を意図的にかける)はやるべきではないだろう。

例えば大阪の堺浜などは有名な練習コースになっているが、あれはとてもよいパターンだとは思う。コンビニ店員のやる気を無視すれば。

冷たいものを摂りすぎるべからず

ガンガンに走って汗もかきまくってから飲む冷えた水やアイスクリームの味たるや、多幸感ここに極まれり。という気持ちはよくわかる。とてもとてもよくわかる。

しかしながら、体がいくら火照っていようと熱を持っているのは内蔵ではない。ということを忘れてしまうと、当たり前だが冷たいものを連続で摂取すると内臓にダメージがいくことになる。そうなると簡単に言えば固形物が食べられなくなるので、補給がうまくいかなくなる。

運動時に熱を持っているのは筋肉だ。故に熱中症になった人をプールに投げ込むのが一番いい、とされているのはそこからきていると考えるべきだろう。
次点くらいで太い血管を冷やせ、となっているが、効果がないわけではないが即効性もあるわけではない、ということでもある。何より血液自体に熱を運ぶ能力が高く備わっているわけではないので血液の温度を多少冷却したところで筋肉の熱を奪ってくる役目としては心許ないわけだ。

そう考えていくと中から冷やすという発想も出来なくはないのだが、基本的に腹部が熱をもって仕方がないのだ、という状態はロードバイクに乗っているシチュエーションだとさほど多くはないと思われるし、最大の放熱源たる背中に水をぶっかけて冷やす方がよっぽど体温は下がるだろう。

とにかく発熱源に近いところから冷却をしていくのが正しいアプローチであるのに、体の一番深部から冷やしたところで効果はさほどでもない。
冷たい水よりぬるくなってもポカリのほうが吸収は早いだろうし、汗になって冷却を開始してくれる方が効果はおそらく高いので、過剰な冷凍冷蔵食品ばかりを摂取するのはやめておこう。それよりは汗をかき続けられるように水分と、水っ腹にならないように同時に塩分を含むカリウム類を摂取して体内吸収を助けることを考えるのが良い。

最後に

太陽の下で無闇に乗るな。

これに尽きる。
体温が上がるのをコントロールする能力を身につけた者のみが、ある程度の範囲で乗ることを許されている季節だと考えた方がいいだろう。

ゆえに万全の対策や走る時間帯の調整をしながら暑熱順化を体に覚えさせていかれることを願ってやまない。


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