食事量を変えていないにも関わらず妊婦の体重が増加しやすい理由

こんにちは、ゆうゆうです。
今日は個人的に最近の一番の疑問「なぜ妊婦は通常の食事量でも体重が増加するのか?」を調べてみました。
(妊婦とはかくも体重が増えやすいものなのかと愕然とする日々・・・)

※妊娠・出産の経過については、個人差が非常に大きいものなので、すべての方に当てはまる現象ではありません。
「安定期入って(なんなら入る前から)食欲止まらないやばい体重も面白いぐらい増えていくやばい」というタイプの妊婦さん向けです。

食べる量は変わらないのに増える

まず、私自身に生じた出来事についてお伝えしていきます。正直、体験をしたことない方には理解しづらいかと思います(私も自分が体験するまで理解できませんでした)。
私自身の妊娠初期のつわりは割と軽く、食べづわり(おなかがすくと気持ち悪くなるため、常に胃を満たさないといけない)やにおいづわり(特定の匂いで「気持ち悪い!」と感じてしまう)、恒常的な胃のムカムカがある程度で恵まれた状態で過ごすことができました。

ただ、安定期に入る前後ぐらいから体重が急激に増加しはじめ、5週間で2.1kg増えました・・・。
食欲も増え、食の嗜好が大きく変わったんです。そりゃ太ります。
ただそこで一旦、食事量や内容を妊娠前のものと極力同じにして経過を見たのですが、「妊娠前と同じ食事をしているのに体重計が示す数値が日々洒落にならないほど増える」。これは焦ります。
食べ過ぎた日などは、当日とその後はちょっと体重が増え、数日後に落ち着く、というのが一般的かと思うのですが、妊娠するとまず絶対に体重は減りません。それどころかガンガン(0.2-0.3kg/日ぐらい)増えていくのです。1週間で1kgなんて簡単です。

妊婦が太りやすくなる理由が知りたい!

あまりに焦り、ネットを探し回りましたが、
「赤ちゃんの成長やお母さんの出産・育児準備のために8-10kgは体重増加します!」
「妊婦になると体が重くなり動きづらくなるので運動量が減りがち!」
とあるのですが、知りたいのはそこではない。
体重増加自体を否定するつもりは全くなく、私が知りたいのは「なぜ食事量が変わらなくても太るのか」、「妊娠によって代謝がどのように変わってしまっているのか」なのです。
(余談ですが、食欲の亢進や、嗜好が変わる理由も調べてみたいです)。

犯人はhPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)?

結論。どうやら犯人はhuman Placental Lactogen (ヒト胎盤性ラクトゲン)らしいです。
胎盤から分泌されるホルモンで、母体がグルコース(糖分)を利用するのを抑え、胎児に優先的にグルコースを送ってあげることが仕事です。
胎児にグルコースを送るためには、母親の血中にブドウ糖がたくさん存在していないといけないので、母親の
①インスリン抵抗性を高め、糖を使わせないようにする②脂肪分解機能を促進させ、脂肪からエネルギーを利用できるようにする
という作用を引き起こすのです。
特に①が厄介で、インスリンを分泌しても糖分が取り込まれないと血中にの残った糖分は脂肪という形で取り込まれるんですよね。
そりゃ太る。
ちなみに、②については血中のグルコース濃度が低下したときに働く(飢餓状態になった場合でも栄養が回るようにする)ため、脂肪分解!?とぬか喜びはできないようです。

ちなみに、hPLの分泌量は8週前後から始まり、胎盤の成長と比例して妊娠後期に向けてぐんぐん増えます。減りません。
※詳細はこちらのFig.4をご参照ください。
ここは憶測ですが、特に妊娠後期や臨月で食欲が増す、空気を吸っているだけで体重が増える、という伝説の一因はここにありそうです。
困る・・・今から体重管理に悩んでいる場合ではない・・・。

最後に

簡単な調査ではありましたが、妊娠前と比べて、妊娠中は糖の消費量が少なくなるため脂肪として体に蓄積しやすく、同じ食事量でも異常に体重が増えるということがわかりました。
妊娠7ヶ月時点だと、胎児は約1,000g程度なので、胎児に糖を送るといってもその量は限定的なはず。
改めて「食事管理頑張れ」という結論にしかなりませんでしたが(笑)、これを元に自分の行動変容を厳しくやっていきたい!

参考資料

今回の調査にあたり、以下の記事を参考にさせていただきました。
臨床化学・第8巻・第2号(1979)151~158
Placental Lactogen
糖尿病プラクティス 29巻4号 2012年7月5日 p.407-411
妊婦の糖・脂質代謝

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