拳禅無双プレイ5回目の感想とか

Twitterでレポ希望をもらったので、今の所遊んでみた感覚とか、仲間内で好評だったポイントとかを書いてみようかと。

①攻撃/防御周り

 これまでのSRSと一番変えてきたところはここ。
 SRSに限らず、リアクション成功=無効化っていうデザインが多い中で、リアクション=ダメージ軽減してダメージを受けるっていう形にデザインされている。格闘アクション、っていうイメージに合ってるし、結果的に戦闘のラウンド数がそこまで変化しない(ボスの攻撃回数がそんなに増えない)ことでバランス調整にも良いんだよね、これ。

 攻撃無効=いわゆる回避についても、結構大きめのリソースを払うことで可能になっているので、そのために特技枠を払った特別なPCだけが回避ができるという流れも面白い。実はこのゲーム、待機についても同様だったりする。その辺は次で。

②アクション=特技というデザイン

 回避とか待機とか、「リアクション時に行える行動」だったり「メインプロセスで行える行動」ってな感じで戦闘ルールの中で挙げられる選択肢なんだけど、このゲームではそれれらについては特技によって初めて可能になる。
  それどころか「メジャーアクションで対象に攻撃」っていう行動さえ、取得した特技を介してしか行えない。
(でもカバーリングは誰でも可能だ!)

 もともとFEARゲーには「特技でだいたい何やってるかイメージできる」っていうのをコンセプトにしているところ、というのをドコかで見たが、「近距離の対象に白兵攻撃を行う」ことも《正拳突き》なのか《逆水平チョップ》なのかで趣が違う、そういうところを形で表しているのは良いことだと思う。

 先日は早速、待機で戦場コントロールができていたし、前回のセッションでは「未行動の者を積極的に狙う」という情報を織り交ぜて戦術に活かせるようなギミックも作ったりした。「待機」が選ばれた者の技だからこそのデザインは割と簡単で面白い。

 このデザイン、同じサンプルキャラを使用しても戦闘オプションまで目端が利く/利かないの部分、いわゆるPCの運用の仕方で性能差が出る部分にもひとつのアンサーになってて、サンプルキャラのデータに「このキャラクターは待機ができる」って明記できる(書いてない奴はできない=戦闘オプションの説明を網羅する必要がない)ってのも強みだと思う。
(でもカバーリングは誰でも可能だ!)

③任意のMP回復

 『ガーデンオーダー』の疲労とかがこの流れだね。
 このゲームでは更に徹底していて、PCのMPは「GMが指定したとき」に回復する。『ガーデン~』と違い、PCに回復の術がないくらい徹底しているのがポイント。

 セッション内ゲームに落とし込みやすいのよね、これ。

 基本的に、戦闘終了時に全快する、って運用をしつつ、戦闘と戦闘の間のイベントではペナルティに「MPを1D6失う」とかを用意するだけでPCは結構必死にリソース使って回避しようとする(先の「回避」の判定なんて初期作成のPCだと3回くらいが限度で、最悪その回数が減らされるからだ)。

 情報収集をゲームにするときのお手軽な方法としては
「判定に失敗したら情報は得られるがMPを1D6失う」
 が実に仕込みやすい。

 ただ、戦闘中に回復する術がガチにないので、MPダメージの蓄積は思いの外活躍の機会を奪ってしまうことにも注意だ。やりすぎには注意しよう。

④アルファストライク問題への対応

 もともとここには別のこと書いてたんだけど、見落としによるものと判明したので差し替え。
 このゲーム、セットアップで「気合溜め」を行うごとに「活性化した気合」を溜めていき、ブレイクスルーである「奥義」を放つ。
 最低でも2枚ないと奥義が使えない関係上、リソース消費型のTRPGでときどき話題になる、リソース充実してるときに全力先攻が有利、っていうアルファストライク問題に陥りにくい。格闘アクションTRPGとして、戦闘のケレン味を損なわずに遊ぶことができる。

 さらに応用編として
「活性化した気合」も他のPCに渡すことができるので、周りのPCの協力があれば、「みんなの力をオラにくれ!」と1ラウンド目から奥義を放つことも可能である。この、協力あれば可能、ってのも結構ミソだと思う。

 ミドル戦闘とか、場合によってはPCの強さアピールで1R目から気合集中してあわよくばワンパンな展開もおいしいときがあるしね!

 【前の記事を見て納得してしまった方へ】
 “戦闘終了後に表向きの気合は裏向きに戻す”を見落としてましたごめんなさいー! ミドル戦闘後に裏向きに戻るので、ラス戦でのアルファストライクは起きにくいですー!

⑤GM、割と忙しい

 先に書いた「気合」、シーンプレイヤーになるだけで1枚貰えたり、面白いところでは他のPCの戦闘中、観戦に回りながら「あ、あの技は……!」「知っているのか雷電!?」ってロールプレイを挟むことで貰えたりするのだが、やはり稼ぎどころとしては「プライドに関するロールプレイを行った」であろう。

プライド:キャラクターの目的や信念のほか、シナリオの解決のための動機づけとして個別に渡されたり、クライマックス前に全員に渡されたりするもの。
【プライド:最強を目指す】/パーソナルプライド
【プライド:ヒロインを助ける】/シナリオプライド

 気合の授与を行うのはGMのみなので、GMはPCの行動をつぶさに観察しながら気合を渡すことも忘れないようにしなきゃいけない(おれは気づいた段階で手元に必要分置いといて、シーン終了時にまとめてわたしている)

 全員登場でそれぞれ話しているシーンとかは割と大変なので、これを読んだPL諸氏はしっかりと、プライドに引っ掛けたロールであるとGMにアピールするのを忘れないようにしてほしい。
  厚かましいとか思わない。むしろ助かるのだ!!

⑥《サイレントキリング》は今のうち

 最後は半分ネタの話。
 軍隊格闘術の奥義《サイレントキリング》が他の奥義に比べると群を抜いて強力だ。他の奥義の殆どがメジャーアクションで[キャラクターレベル×5]+ダイスのダメージを与える中、この奥義だけが「タイミング:ダメージロール」でダメージに+[キャラクターレベル×5]なのである。

 他の奥義でメジャーアクションを費やす分、こちらはメジャーの特技と組み合わせる事ができる分、純粋に強力なのだ。

 まぁ、一応他の奥義が「ドッジ不可」で、《サイレントキリング》は当ててから宣言なので「ドッジ」に弱いという弱点はあるが……

「こいつ軍隊格闘技だからドッジしとこ」

 みたいにはなかなかならないんじゃないかな!?(PvPを考える場合はこういうメタは大事かもしれない)

 ということで当方の予測では[キャラクターレベル×4]くらいに落ち着くんじゃないかなーと勝手に思っているのであった。ご利用はお早めに。


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