12/11 ラストレクイエム『月夜の晩餐』感想

ついに『ラストレクイエム』を遊ぶ機会を得た。

思い起こせばTRPGフェスオンラインで卓当選していたにもかかわらず、台風のせいで泣く泣くキャンセル……

(発売延期はまぁ、置いとくとして)

その後もメンバーの都合などでプレイ機会が流れ、入手はしていたんだけどプレイ機会に恵まれない日が続いていた。正直このヤキモキ感、特にオンラインイベントキャンセルの流れは他に例を見ないんじゃないかと睨んでいる。

そんなおれにもついにプレイする機会が巡ってきた!
プレイしたのはルールブック掲載シナリオ『月夜の晩餐』。内容に触れるのは避けていくが、本記事の最後のところだけネタバレになる感想を含めているので注意されたい。
PLとして集ってくれたのはいつものメンバー。

今回は第1回ということもあったので全員にサンプルキャラをお願いすることに。全員ルールブックも持っているし、ライフパスの決定・コネクション周りはセッション当日までに済ませておいてもらう……まぁこの辺も「いつものやり方」だったな。

PC①の場合

サンプルキャラクターは「死を告げる探偵」。近接のアタッカー/タンクのソツのない作り。両方こなせる分メインアタックに用いるスートが1種、というところが若干の「穴」か。TN系と違って、情報収集に有利になる要素などただのひとつも特殊スキル(他のゲームでいう特技)を割り振ってないけど探偵。
……と思ったら〈情報:レイヴン〉を除く〈情報:〇〇〉の技能数6つと、他のサンプルキャラを圧倒する情報技能の数。リソース割り振ってないとか言ってスマン。

今回のPC、樹月ケイは、先代から引き継いだ事務所と名のある武器を手に、手の届く範囲の人々を守ろうと決意している人間(ネオ)。〈情報:神秘〉は持っているけどもゴシック側に傾倒しているわけではない、という辺りの線の引き方は、残るPC②と③がレイブンの組織枠でかつゴシックだから、というPLの嗅覚だね。
大剣を”重く”扱う所作やボスの神業を自身の神業で凌いだ時の「なんとか保たせた」感など、仮面ライダーバトルに放り込まれた人造パワードスーツ系ライダーのような、一回り下から食いついていっているアクションもまた、ネオゴシックRPGのネオ感が出てて良かったなぁ。

序盤から依頼人への紳士的な振る舞いなんかが光るキャラクターだったし、だいぶ”濃い”ゴシックのバディに対しても程よい立ち位置で常識人らしく振る舞うところ、またNPCへの精神的な後押しとかが光る、青年誌以上の主人公系、みたいな雰囲気が見て取れた。

きっとモテるに違いないのにその辺りの片鱗が見えなかった。いまなら亡くしたバディとかの設定をブッ込むチャンスか!?

PC②の場合

サンプルキャラクターは「霜刃の天使」。どこに霜の要素があるんじゃい、というツッコミを氷の微笑で跳ね返しているお姉さんが魅力。
もしかして原型は「魂散刃」だったのをデータが重くなるから「斬妖刀」+「マジックシース」にしたのかな?
スタートアップに自己強化、マイナーで攻撃バフ、メジャー特技2つ組み合わせ、という点で今回のサンプルで最も宣言の数が多いキャラクター。それでも軽量だけどね。他のゲームと違って、スタートアップが戦闘開始時の1回しか宣言チャンスがないので手札の状況によってはその戦闘中に自己バフひとつを封印して戦わなきゃならないのはちょっと怖い。手札管理は慎重に!

今回のPC名は鴉藍(アラン)=ヴァン=グレシル。始祖の仇となるレムレスを追って若き日に日本に渡ってきて日本刀の美しさに魅せられてからアームズになるに至ったルシファー。
近年、何者かに敗れて倒され、蘇ったがその時の記憶は曖昧。蘇った後、その翼の片翼が失われていた……という設定まで付与し、日本刀と黒い片翼でビジュアル系路線をひた走る。
ステータスクラス:エージェントとして今もヴァルハラで仇を追うが、普段の立ち居振る舞いはすっかりやる気のない雰囲気。
(調査を命じられて)「あー、目の前にレムレス現れてくれないかなー」

片翼と言えどもその高機動戦闘に陰りはなく。戦闘時には自らの神業で起こした暴風の中を駆けるかの如き流麗な動きを見せる。まごうことなき烏天狗成分の混じ源義経系ムーブである。あと300歳くらい増やせば「実は義経の伝説は~」って歴史系イフも言い張れたかもしれない。

PC③の場合

サンプルキャラクターは『双弾の吸血鬼』。かつてゴシックを統べた太古の種族・オルフェウスと銃弾を操るトリガーの組み合わせ。そしてステータスクラスは仕えるもの・サーヴァント。特にこのオルフェウスとサーヴァントのミスマッチな組み合わせは一度はやってみたくなるよな。
データ的には押しも押されもせぬドスコイマッチョ。武器定点を上げて、達成値を上げて、差分値で、殴る。以上。今回のサンプルキャラクターで最もアタマワルイ構成である。PC⑤の荒事師でももう少し他に特技枠回すよ?〈見切り〉とか。(風評被害)
ただ、オルフェウスの神業《刹那の玉座》は”望む効果を発揮できる”いわゆる万能系神業。『ラストレクイエム』ではこの手の万能系神業に「手札を全て破棄する」という使用条件があるのだが、このキャラクターのドスコイマッチョ構成はこの神業との相性を考えてのことなのかもしれない。

今回のPCはエマ・エンプーサという執事服に身を包んだ少女(つっても300歳は超えているんだが)。支配者の座を自ら降りることを選んだオルフェウス族、その中でも彼女の一族はただその座を降りるだけでなく…主を見つけて仕えるという道を選んだ…ナンデ!?

ということでイマイチやる気のなさそうなPC②に冷静なツッコミを放ちながらレムレスには手痛い双弾を放つというキャラクターに仕上がった。

個人的には秘技〈†支配者の黄昏〉の演出が気に入っている。
「オルフェウス族としての特権により世界の理を支配するスキル」という何も説明していないも同然のような特技の演出として、放った銃弾の性質を変えたり運動エネルギーをコントロールしたり、っていうのが、常識破りにとにかくスゲーことをしている感につながっていたんじゃないかと思う。

プレイ感とか

・カード補充周り

百聞は一見にしかず。ゲームのメカニクスでもそれは一緒だ。

戦闘といい情報収集といい、「手札補充はシーン終了時(ついでにその際に1枚破棄して手札上限まで補充可能)」というルールがうまく機能していた。
シーンに登場しようがしまいがこの手札交換は可能なので、シーン周りのちょっとしたルール変更(基本的に全員登場、「登場しない人」を募る)ともうまくマッチしている。

「このシーン、登場しないPCはいるかなー?」っていう、実際には言い回しレベルの差でしかない変更なんだが、この言い回しの変化で意識変化は確実に起こせると感じたものだ。

手札公開をセッションルールで決めていいのも好感触。今回はシナリオの薦めもあってGM除く全員が手札公開で遊んだんだが、何ら支障を感じなかった。特にPvP要素だのを絡ませない限りは自分がGMやる限りは常に公開でもいいんじゃないかってレベル。

で、補充に関するルール変更によって、手元のリソースが目に見えて減っていく感覚も面白い。「そこそこのカードで成功する」っていう旨味がPC間の連携に繋がることもあるしね。「おれならスペードの4で成功できるから、ここはおれが~」とか。
FS判定ルールとか、早速自作してみるのも一興かもしれない。

戦闘時にはまさに「行動回数」に直結する。スタートアップとメジャー判定とダメージ札とダメージ軽減と……ってやっていくとどうしても判定できないスートが出来たりいい達成値が出せなくなったり。

同時にこれが「手札が充実しているうちに速攻だ!」に繋がる……と思いきやレムレスのやつ、クライマックスの1ターン目はPCの人数分手札補充して待ち構えているというのがまたニクいw あの瞬間はGMとしてもアガるしPLからも「いかにも強いってのがよく分かる」と好評だった。
こういう「ルール破りの強者」な立ち振舞い自体が、ルールを破って強大な力を得たレムレスのイメージに繋がる。この辺もニクいよな。

・神業周り

『ラスレク』では経験点取得周りの適用範囲が広くなってて、「相手の防御系神業を剥がす」的な使い方がしやすくなっている。
いわゆる即死系神業である《断罪の一撃》だと条件は「《断罪の一撃》によって畏怖を与えることができたら」である。

ゲーム的な要素ではなく、「畏怖を与える」というふんわりとした内容。

一方のTN系システムだと即死系神業は「対象に防がれることなくダメージを与えたら~」みたいなのが多い。《女神の盾》で防がれたとしても「このイージスの盾を使わせるとは…(畏怖)」っていうリアクションがあればOKという話になる。

(ただこれ、GMによっては「打ち消されたからアウト」って裁定もありうるからそれぞれのGMに確認な)

「対象に」という目的語がないことにも注目だ。

ラスボスが全ての苦しみから解き放たれるために、魂とともにあらゆる感情を失ったゴーレムみたいなパンドラで、とても畏怖とか与えられるようなキャラクターじゃなかったとしても。横にいるバディが「あの装甲をやすやすと……(畏怖)」なんてことをするのも経験点の対象になる、ということ。

このあたり、PCの3つの活躍しどころ=神業について、周囲のリアクションを薦めているとおれは考えている。TRPGのあらゆるアクションは周りのリアクションによって成立している、という考えのおれにとっては、この神業の経験点まわりはまさに「ロールプレイ支援システム」の一貫という認識だ。

『鵺鏡』の特技なんかがまさに、成立のために周りのリアクションが必要、というシステムだったが、あれに近いイメージ。いいGM・いいPLであろうと思ったら、周りのPCの神業の経験点条件は押さえておくと良いことがあるはずだ。

プレイ中の雑感

その他、ネタバレにならないレベルの雑感とか。

・なぜ見てるんです!?

のっけからネットスラング的なアレで、かつ、どちらかというと余り周りにはおすすめできない話なんだが、笑って済んだ話なので紹介。

チュートリアル戦闘が発生したのだが、PCが順調にエネミーを倒して残るエネミーは残り1体。なるほど手札補充しない戦いとはこんなものか、といった流れで残る1体を前にメインプロセスを迎えたPC(のPL)におれは言った。

「このままじゃリアクションのチュートリアルができないんだけどなー」

なるほど、とPC③@エマのPLはうなずいた。

後方で殴られないPC③「待機します」
位置的に殴られるPC①&②「ちょっと待てー!」

基本的に、セッションでのPCの立ち回りについて、周りが指図することはマナー違反だと言われる。PC③からは行動の撤回はなかった。
粛々と彼女はルールに基づいて先制値ゼロとなり、エネミーのメインプロセスは行われた。

PC②はそもそもリアクションの手札を残していなかった。
(そしてそれは考えてみたら公開情報だった)

PC①は唯一の〈カバーリング〉のカードを用いてエネミーの攻撃をカバー。背中に傷を負う。

あらゆる面で悪ノリの産物だが、まぁこういうこともTRPGのセッションでは有るよね、って話。
(まぁ、殴られるの本気で嫌で、ちゃんと撃てぇ!?って話になれば当然攻撃してたとは思うけどね)

・最初のメジャーは……

何事にも初めてというものはあるものだ。
おれが『天下繚乱』GMのときに最初に振ったダイスロールがファンブルだった、とかそういう手合いのやつだ。

今回の『ラスレク』でも面白い”初めて”が発生していた。

チュートリアル戦闘の最初のメジャーアクションに際し、手元のジョーカーを惜しんだPC②のPLは、いきなり山引きでの判定を宣言。

心配したGM@おれ「失敗したらファンブルになるよ、まぁゲーム的なペナルティはないけどひどい失敗を演出することになる」

PC①のPL「PCによってはデータ的なペナルティよりも重い、惨めな失敗として周りの玩具になる覚悟が要るということだな」

ルールブック確認したGM@おれ「……いや、ファンブル時に滑稽な失敗を周りが押し付けるのはNGとしっかり明記してある」

PC①のPL「おれら見られてるな」

というようなやり取りをはさみつつ、やっぱりジョーカーは惜しいということで山引きを敢行! これが普通に成立してエネミー撃破までやっちゃうんだから、リアルラックは強い。ということで結局、初めてのファンブルは先送り。

・レムレスって何?

ルールブックに書いてることではあるんだけどね。
ルールブックの203ページからの、「●アンブラの正体と目的」のところは秘匿情報として、なんらかの理由なくPC・NPCは知らない、というような内容になる。

この辺の取り扱いがちょいと難しかったかな。
レムレス討滅を目的としながら、それに力を与えているアンブラについては秘匿情報若干、どこからどこまで、が曖昧だったのが扱いづらさの原因か。
とりあえずアンブラについては”レムレスに力を与えている謎の存在”、くらいの認知度ってことでいいんだよね(ルールブック冒頭の用語説明より)?

GMやってて、依頼人であるヴァルハラの埋葬局長のセリフ考えるにあたり、若干戸惑ったところである。これからGMする人は少しこの辺を整理しておくと良いかもしれない。

最後の手前に

ここから先の記事でネタバレに触れていくので、その前に。
『ラストレクイエム』、システム周りの軽さ、PCの目的の明確さという軽さ。そしてロールプレイ支援の力を増した神業などなど、TN系システムに比べれば”遊びやすい”という印象を強く持った。

あえてレムレスの事情の方に深く踏み込まない、あくまで人間社会に潜む怪物討滅として、『ガーデンオーダー』にあった「ネフィリムハント」のような簡易なシナリオにも相性がいいんじゃないだろうか。

もちろん、欲望を満たすために魂を捧げる、というテーマは様々なシナリオのイメージを惹起してくれる。いわゆるエモ系にだって十二分に対応してくれるだろう。

ルールブックシナリオの2本目、SSSと、まだまだ公式シナリオで遊べる分もあるので、この辺で勘所を掴んで自作シナリオもやってみたいところだ。

【ネタバレ注意】

さて、ここからはネタバレを含む内容だ。
古のブログよろしく、少しスペースを開けておくので、新鮮な楽しみを重視する未プレイの人にとってはこの記事はここまでだ。














・アンブラの正体

欄外にいきなりとんでもないことを書いてきやがった。
マクスウェル神父に力を与えているアンブラの名は「グーラ」というらしい。

この名前にピンと来た人はブレカナの熱心な、最新作まで追いかけているファン、ということになるだろう。リインカーネーションで新たに取り上げられた貪欲の魔神、使徒イグニスにより知能を奪われ、ただ増殖し喰らい尽くす滅びの化身(いわゆる蝗害)となったグーラである。

ここでグーラの名が出てくるということは、ラスレク世界に関与している10人のアンブラというのはブレカナで言う魔神の「10の大王」じゃないかという仮説が成り立ってくる(もうひとりの有名な魔神はパーソナリティズに載っているしね)。

確かに食らって生き延びるというEat Kill Allな生き方はグーラ然としている。が、精神生命体として他者に憑依、っていう知的活動を行うアンブラとしてのグーラに、おれは「イグニスに知性を破壊される前の真・グーラ」である可能性が高い、という望みをかけている!

知性を失うことでグーラは10の大王から外されている(後釜が多分”苦悶の機械”)。その点からもアンブラ10人は旧・10の大王なんじゃねーの、という気がしてならない。

そんなアンブラとレムレスの精神的な繋がりを断つことができるのがレイブンの聖痕、ってのも面白い話だ。

・ヒロインの所在

今回のセッションでは依頼人の姉が宗教団体に入信してしまった弟を心配して探偵に依頼してくるわけなんだが、ここでPC①はいい推理を見せた。
「こんな時間にお姉さんが一人依頼に来るということは、受験に失敗した弟は両親絡みで強いプレッシャーを受けていたのでは?」

なるほどね、と思ったGMはそういう匂わせ(図星を付かれた感を見せる依頼人とか)で返したりした。

そして実際に弟くんに「月神教団」の正体を告げ、《真相解明》を使うときにもPC①樹月はしっかりと弟くんを支えるムーブを見せてくれていた。
依頼人のお姉さんはあくまで依頼人であり、明確にヒロインはこの青年なんだよなー。と思ったときに口をついて出たアドリブが

「ぼくは、また失敗したんですね…」

だった。直後、みんな黙り込んでいたのでそれなりに刺さったと確信しているw

その後は参加者みんなで弟クンが立ち直っていく姿を演出していく形で気持ちがひとつになっていたような気がする。去り際に「――でも、神父があなたの言うような化け物でも、ここで他の仲間と過ごした時間は本物だと思うんです」なんてセリフが出たのもそれ。

そして、全てが終わった後に、記憶処理を受けて日常を取り戻すか、それともこの記憶を抱えて生きていくか、PC①樹月は弟くんにそんな問いかけをした。

その思い出を自分の糧として生きていくことを選んだ彼に《偽装工作》でケア済み、っていう記録に偽装してその後押しをした後、極めつけがPC③エマのエンディング。

オルフェウスの神業《刹那の玉座》は時間を操作してあらゆることを可能にする神業だ。
時が流れ、3度めの受験。トラブルで電車に遅れそうになった弟クンはそこで西洋人の女性とぶつかって、時間を確認していたスマホを落としてしまう。
その女性…エマがスマホを拾い上げ、渡した時、すでに周囲の時間は巻き戻っており、結果弟くんは電車に間に合う……という演出。

ニクいね! 手札全部おいてけ!(※代償)

ちょっとした演出の差し合いの中で、一気に物語がそこに向かって流れだす。いつも決まって、流れ出してから転換点を見つけ出すことになるんだけど、今回はきっと、探偵と弟くんのやり取りだったと確信している。

PC①樹月くんのエンディング、弟と一緒に事務所に帰りつつ、事務所前に止まっていたタクシーから依頼人の姉が降りてきて、そして弟の背中を押す……ってところで終わったしな。

・レムレスつええ。

1ラウンド目の手札枚数とか、ゲーム的強度の話はネタバレ以外のところでも書いたけど、一番変な笑いが出たのは制御値の高さ。【生命】17とかあるので、下手な差分値攻撃はロクに通らない。あと外的防御も10とかあるし。ダメージ軽減2回使うし。

PLも割と引いていた。

まぁ狼王エリスに【生命】で切りかかったときにオジサンも同じ思いを味わわされたよ。

結局神業ラッシュでぶっ倒す流れになって、あまりスゴさは発揮しきれなかったけど、この戦闘バランス感覚でいいのかー、とちょっと驚いたところだった。

ところでプレイ済みのみんなはやっぱり《開放》も《増殖》に使うことで何回も復活したりして「おれの寿命はまだ残っている! 残念だったなぁ!」とか「このままでは死んでしまう……(《魔弾の射手》を食らって「驚愕」の演出)」とかやったよね!

ちなみになんとなくゲーム的な因果関係があったほうが喜ばれる環境なので、《大量虐殺》で信者を殺害するシーンについては「これを通すと《増殖》の使用回数が増えます」とシレっと伝えておいた。参加者ごめんな、あれアドリブで煽った危機感やねん。

あの《大量虐殺》を誰が止めるか、というシーン。もうひとつGMからは「最初フレームインしているのはマクスウェル神父と信者たち。神父が信者たちに神業を使ったところで自由に登場可能になります」という説明を予めしておいたところとかはちょっとした工夫だ。

そしたら「誰が信者を助けるか」でリソースの確認が入ったんだけど、PC①@樹月が「やっぱりここはおれに行かせてほしい」としっかり手挙げしたのはお見事。「手の届く範囲の人を守りたい」という自己紹介、PCの『決意』としてキャラクターを作っているんだものな。

・サンプルキャラクターのチョイス

PLからも出てた話なんだけど、全くの人間であるソロのPC①と、ルシファーとオルフェウスの長命バディであるPC②&③。そこに「短命ゆえに死を恐れたベルセルクが起こした事件」をぶつけるというのは絶対に狙ってやってるとしか思えない。

だからこそマクスウェル神父も長命コンビに「お前たちに言えたことか!」と激高してみたりしたものだ。

そして、人間として死を恐れる気持ちを理解しながら、犠牲にしてきた者達の命に考えが及ばなくなってしまったレムレスという存在にレクイエムを、という流れが綺麗にハマる。

下手するとこの神父、人間との友情とか築いて居たのかもしれないね。神父の外見年齢は30代半ば。ベルセルクが人間よりも短い50年の寿命、目の前のたくさんいる存在よりも明確に”終わり”を意識し始めたのが丁度その頃、ってのはありそうな話だ。

無理にキャラクターに深みをもたせることの是非はあるかもしれないが、このシナリオにおいても「もっとエモくするブラッシュアップ」の道筋は間違いなくあったと思う。

たまたま今回は、弟くんの演出によってそれを得られたように、マクスウェル神父の掘り下げでもそれは出来ていたんだろうなぁ。

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