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1/30 ラストレクイエム『しあわせの真帆路町』プレイレポ

「感想」よりプレイレポートの方がカッコいいと思っただけである。

2022年初のGMとなったのはラストレクイエムのルールブック掲載シナリオ。ネタバレ部分は記事の下部にまとめてあるので、未プレイの人はその手前までにしておいてもらったほうが新鮮な楽しみを得られるはずだ。
これからGMするのが決まってる、みたいな人にとって何かの足しになったり、プレイ後に別世界の真帆路町がどのような顛末を辿ったかを振り返ったりしてくれたら幸いである。

今回は、ほぼ毎週のように遊んでいるセッションを、諸事情により1週お休みしてHO公開から2週間でのプレイ。キャラクターメイクやすり合わせに時間を費やす形式で遊んでみた。結果、クイックスタートで遊んだ初回とは打って変わってフルスクラッチPCが続々登場する結果に。TRPGというゲーム自体に慣れたつもりでも、こういう段階を踏んだステップアップは好み。

しかしこのゲーム、成長にかかる経験点がかなり割安で、1セッションで得られる経験点(フルチェック10点)だと大分強化できる。神業によってデータ強度は余り問わなかったり、成長したPCほど退場時にレムレス化する恐れがあるというシステムではあるのだがインフレは一気に進みそうだな、と思ったり。

■プリプレイ

PC①の場合

女子高生ズから依頼され、失踪した同級生を探す依頼を受ける、というHOを担当するのは巫女神 太陽(みこがみ・たいよう)。彼は心理プロファイルを駆使して事件を解決するタイプ(スタイル:メディック)の少年探偵として名を馳せているが、その実態はゴシック・ナイトメアの先祖返り。

"謎が解けた時の感情"の精神エネルギーを好物としている、ということで、探偵業はそういった人の精神エネルギーを得やすいもの、という位置づけもあったり。

ナイトメアの特殊スキルに”夢の形で奪ったオドを自らの力とするスキル”とかもあるが、彼のいう「好物」がオドを得る、とかであれば割と積極的に捕食行動を取るナイトメアさんってことになる気がするw
(まぁ蚊が血を吸うように本人の精神活動において何のデメリットも生じ得ない程度のエネルギーを得てるのかもしれないが)

そんな設定の持ち主なので、今回のセッションの中ではかなりゴシック寄りのRPが光ったわけだが「他のPCを食い物にする」アクションを直接的に控えてたのは良いスタンスのとり方だったと思う。
またこの設定、今回のセッションではいい感じにマッチするところがあって、結果色々とシーンを盛ることにも繋がった。詳しくは後述のネタバレ記事へ。

PC②の場合

今回、スタイル指定がある唯一のHO。指定されたのはゴシック:パンドラ。機械にしろホムンクルスにしろ、いわゆる人造の生命、人形の一族である。

ハンドアウトにて「自らの目的達成のためには、願いが叶う真帆路町に向かうべし」と謎の占い師に言われる、というキャラクター設定によって千変万化しうる内容。

そこに投入されてきたPCは"怪造人間(誤字にあらず)"北条 進駆郎(ほうじょう・しんくろう)。幼馴染の親友とともに悪の組織に攫われ、身体のすべてを機械の身体に作り変えられたという過去を持つ。そのとき、悪の組織側に立っていた親友から事の真相を聞き出すべく、機械になった体を抱えたまま脱走。レイブンとして力なき人のために戦う(スタイル:イージス)変身(その実、人間態への変身を解除しているのだが)ヒーローである。

担当プレイヤーが仮面ライダーとか好きだからね!
ちなみにそんな幼馴染の親友には恋人がいて、現在はその恋人が営む喫茶店のバイトとして暮らしている(スタイル:デイリーライフ)。

実は初期取得の特殊スキル〈ゴシックブラッド〉ひとつあれば変身ヒーローができちゃう本作。プリプレイにPLと話し合い、「人間の部分が全く含まれないゴシックの体に、魂だけ人間」というキャラクター性の場合はゴシックのみのスタイル構成がいいか、ゴシック×ネオのスタイル構成が良いか、って話し合いもしたりしてキャラクターの掘り下げもできた感じ。

PC③の場合

PC③と④はともにヴァルハラからの依頼で動くバディ導入だ。本作はバディ間でのPC間コネクションは専用のコネクション表を用いて「どんなペアか」ってのを設定することになっていて『ガーデンオーダー』のエッセンスを感じて良い。

同僚同士になったPC③:狼谷 燎(かみや・りょう)の方はスタイル:エージェントを持つれっきとしたランドグリーズ(ヴァルハラが本業)。ベルセルクの父親を持つ彼には獣の相こそ現れなかったものの、ヴァルハラの師匠に仕込まれた白兵技術(スタイル:アームズ)を更に磨き続ける戦人。
ヴァルハラの医師は戦闘力を研ぎ澄ますことでベルセルクの血の影響が強まり、寿命を縮めることに繋がる、などと示唆するが本人は意に介していない。

竹を割ったような性格の野性味溢れる戦闘者のキャラ性であるものの、非戦闘時には割と親しみやすい側面も持ち合わせ。周りのPCに「お前らのほうが気が短いよなぁ?」みたいな問いかけをする一面も。

PC④の場合

PC④:イズヴェルは純血のファフナーにしてステータススタイル:デイリーライフという面白い取り合わせ。本作でのファフナー(竜人種)はその神業:ラインの黄金が示すように多くの財宝を所持し、それを自らの力とする特殊スキルも多い。一方でデイリーライフというスタイルはいわゆる”普通の”生活を送る人たち。

よくよく聞いてみると、一族に連なる中では若い竜人で、受け継いだ竜族の財宝をもってはいるが、「竜たるもの、自分の力で手に入れたもので自分の塒を満たしたい!」という思いのもとアルバイトに精を出し、得たお金を金(ゴールド)に変えて邸宅に貯めていくという求道者スタイルであることがわかった。

だからアルバイターなのに邸宅住まい(外界8)。
下々の暮らしを体感したくなる暇を持て余した神々の遊びのような様相であった。
このミスマッチ感がうまい感じで漏れるあたりは実にいいロールプレイだったんじゃないだろうか。

■メインプレイ(ネタバレなし)

・狙われたPC②@北条

誰に狙われたか。PC①@巫女神だ。
キャラクター紹介にもあったように、親友の真意を知れないままモヤモヤしているPC②@北条のことである。「謎が解けた時の喜びの精神エネルギー」を好物としているPC①@巫女神にとって、「いつか最高に美味しい思いができるかもしれない相手」と映っても仕方がない。

かくして何やら悩むPC②@北条をシーンの隅からニヤニヤと見つめるPC①@巫女神という構図に。
……コネの結び方としてPCの特徴を生かした良い手法だと思うけどね!

ただまぁ、一方的に食い物にするロールは「ご利用は計画的に」というやつで、PCが気づいていないことにするしたりして丸く収めやすくしたのは大事な配慮だったなーと思う。

・その魂は紛れもなく竜人族

満を持して変身したPC②@北条! 両腕に内蔵されたエンジン部がうなる! 吹き出す蒸気! 一片たりとも生身の肉を持たないパンドラの身体の中に宿る人間の魂が雄叫びを上げる! そのさまを見ていたPC④@竜人族はつぶやく。

「俺んちにあったパンドラより強そう」

さすがは純血のファフナー! 自分の意志とは関係なくパンドラの肉体を与えられた改造人間に向かって、言うに事欠いて自宅にさも当然のように置いていた機械人形と比較するような一言をぶつける、とは……!!

まさにかいしんのいちげき。
世界観的にも、パンドラ族はかつてファフナー族を作りだしたという設定もあるし、純血のゴシックの「ズレ」とか空気読まなさを見事に表現したロールプレイには脱帽するしかなかった。

・変身シーンっていいよね

今回のパンドラ枠PC②@北条は改造人間である。ならば必要なのは変身シーンであることは言うまでもない。
本当は人間への擬態を解除してるだけ、という野暮なツッコミはともかく。今回、担当PLは戦闘シーンの描写をしっかりとテキスト化して準備し、変身の宣言とともにテキストをチャットウインドウに貼り付けてみせた。

エンジン状のパーツが付いた腕の話を聞いていたので、そのモーションがスロットルを握る腕とバイクのキックスタートを模したものってのはすぐに分かった。こういった描写をしっかりやると、自然と視線もそこに向いて良いね。

毎ラウンドセットアップが回ってくる従来FEARゲーとちがい、スタートアップ特技の使用チャンスは戦闘開始時の1回きり。スート1枚での変身は、あっさり変身不能に陥る可能性のある諸刃の剣だったのはここだけの秘密だ。

■ネタバレ感想

ここから先はシナリオの内容に触れる感想になる。既プレイ、あるいはGMを予定している人にはおれが付け加えたアレンジ内容なんかも載せてるので、自分の卓ではこうだった、みたいな読み方もできるとおもう。
ただし、それ以外の人が読んでしまうと新鮮な楽しみ方を損なう可能性があるのでご注意。
例によってスペースを広めにとっておく。



















・やってて楽しいコバトのロールプレイ

今回はヴァルハラの依頼を仲介するメッセンジャーとしてルールブック掲載の”悪戯っ娘”(プランキー)コバトが登場する(これくらいならネタバレにならないかもしれないけど)

今回はPC③@狼谷とPC④@イズヴェルを前に悪戯っ娘っぷりを発揮したのだが、思った以上に(特に狼谷との)絡みが面白かった。

ヴァルハラから指令を受けるための待ち合わせ場所にシュークリームを携えて現れるPC④@イズヴェル(この時点でバイトして金を貯めて「金」を得ようという爪に火をともすような生き方とは裏腹に、嗜好品への金銭価格がユルかったりのファフナーぶりである。多分一族の会計とバイト代は別口座)。そのシュークリームを二人の背後からにゅっと飛び出した腕が奪い取る…みたいな登場をしたわけだが、この無銭飲食からの流れがエンディングまで続くとはこの時予想打にしなかった。

依頼をして退場する、というだけなのに上着だけファサっと地面に落ちて消えるとか、その上着をエンディングまで取っておいてくれたとか。沢山動いてオブジェクトを残すとそれだけ触れられる場所が増える、というのを改めて実感したものだ。

・奇跡のような探索行

TRPGのセッションでたまに起こる、奇跡のように偶然にパズルのピースが合ったように感じるやつ。振り返ってみればこれしかない!ってくらいにバッチリの整合性で物語を感じられるものだ。

今回のそれは特に、後知恵の介入する隙がないくらいにハマったといえる。

・行き先:喫茶店/PC②@北条
幼馴染の恋人が営む喫茶店のバイトである北条が喫茶店を選択するのはほぼ必然であった。そこにいたのは自死すら考えたほどに追い詰められた末に、喫茶店のコーヒーを飲むことを終の望みとした会社員。満足して消えていった姿と、改造された自身の現状への不安や疑問とを対比させて考える切っ掛けになった。

・行き先:デパート/PC④@イズヴェル
実家は太く! 本人は日銭暮らし!(「金」を得るため)という金銭感覚崩壊ボーイが出会ったのは買い物依存症の金銭感覚崩壊ミセス。これも運命を感じずにはいられなかった。

あのときGM(おれ)がなんで「あなたも私の買い物の邪魔をするのォォォォ!?」とJ◯J◯っぽいRPをしてしまったのかは未だに謎であるが、かなりのインパクトを与える結果になった。

インパクトを与えた結果、彼女はオドを吸収されることなく生き延び、真帆路町からも開放されることになったわけだが、そんな彼女とのシーンをエンディングシーンとしてイズヴェルが希望したのはちょっとした驚きだった。

励ましたい、という希望があったのに、一人でブランコを漕いでいたのを立ち上がって「こうなったら歌舞伎町の女王になるしか…!」ってRPさせたのはGMの悪ノリの産物です。なんかこう、扱いの軽いNPCだと少し無茶なことしても許されるっつーか(フェイドアウトする声)

(使い残しの)《鼓舞激励》を、神業の使用回数回復ではなく字義通りの「鼓舞激励」として、働いた分だけ使おう、という彼のモットーを諭された彼女は、そこそこ顔の良い行きずりのにーちゃんから励まされたこともあり、歌舞伎町の女王になることを改めて決意する(真帆路町のことは夢のように認識しているので見たことがあるかも?位の感覚)。

決意とともに颯爽と繁華街へ向かう彼女と、それを見送るPC④@イズヴェルの手元のスマホに届く明日のバイトの集合場所……というなにやら深いテーマを内含するようなエンディングになったとさ。

・行き先:映画館/PC①@巫女神
こちらも、謎が解けるときの感情を食べるナイトメア族と、あの時見た最高の映画を思い出せなかったおじいさんとの取り合わせ。
映画館のシーンでは、その「求めていた映画(実際は真帆路町の景色にすぎないわけだが)」を見ようとする老人に話しかけては邪魔をする、というロールプレイ。「何すんねん」と思っていたらその実「満足してしまうと喫茶店の男のように消えてしまうと思ったから」という話。

意図から話してくれるとリアクションをもう少し上手くできたかなぁw

タネを明かせばナイスプレイ、という流れで老人は満足いくあの時の映画と出会うことができず、結果消滅することはなかった。

その上でエンディングフェイズではPC④@イズヴェルに続き、この老人をエンディングで出してほしいとのこと(依頼人とのやりとりを終えたあとね)
そこで《真相解明》を使用し、忘れていた記憶に干渉してその「求めていた映画」を思い出させてあげる……という展開に(ガチで記憶から消えていたら《真相解明》は使えないのだが、今回はエキストラ相手だしその辺はね)

そうして、老人はその映画を思い出し、PC①@巫女神はその謎が解けた喜びの感情を味わう……という流れでシナリオは終わった。

・両者は似すぎていた

PC①@巫女神がナイトメアという点で、シナリオ経過勢はお気づきだろう。「望む夢を見せてオドを奪う」点においても。

だからこそ、ということになるがGMの物語感覚はこのパーツをつっつくしかない、考えたわけだ。ということでPC①@巫女神とエル、二人で話すシーンが爆誕した。「この町でなら貴方の望みは叶う」と迫る彼女。

実は彼女の動機部分を少しシナリオから盛ることにしていて、PC①@巫女神からの《真相解明》を浴びる可能性も考慮してのシーンであった……が、《真相解明》が使われることはなく、PC①@巫女神は彼女の誘いを断る。巫女神のそれは、あくまで現実に生きる悩みを持つ者の開放時のもの、欲するものごと幻影を用意してオドを奪うそれを「悪趣味」と断じ、共闘を断ってみせた。

・素晴らしきトス

ラスボス、霧越エルの目的はクライマックスフェイズで片鱗として語られるのみ。自分はそこを「グリモアの力の媒体である水晶球を得たことで、その占いにより人を幸せにしようとしたかつての彼女。しかし不幸を言い当てるばかりで回避が叶うわけではない。次第に不幸を呼ぶ魔女、と呼ばれるようになった彼女は、次第に魔女の側面血の奥底にあるナイトメアの特性を発現させていく。レムレスとなって『ならば望む夢だけを見せてあげる』として作ったのがこの真帆路町である」みたいなバックストーリーを作っていた。

今回はボスのバックストーリーを少しばかりエモめにするセッティングである。

セッション後の話で、この真帆路町はビーストバインドにおけるドミニオンのようなものという話がでたり「実際天国と変わらないようなもの」なんて話も出ていたりした。

だからラスボスがPCたちに向けてはなった戦闘開始時のセリフは「この楽園の破壊者どもめ!」であったわけだが。
そういったところを受け止めた上で「なんでこんな回りくどいことをする?」と疑問という形で絶妙なトスを挙げてくれたのがPC③@狼谷だった。戦闘スキーに見せかけてこういう細やかな動きをするやつは控えめに言ってカッコいい。

「お前などにそれを語る義理などないわ!」と突っぱねたのも、神業打ってこい!の合図であり、おれとPC③のプレイヤーはオンラインながら「グッジョブ!」目配せをしあう姿が見えていたようだった。

・それは《真相解明》ではなく…

そうして上げられたトスは、戦闘終了後に予想外の形で回収された。PC③@北条の《都市伝説》である。すべてが終わり、覚めてゆく夢の世界で思い出した1つの都市伝説。「誰かの幸せを願いながら不幸の魔女となった女の物語。彼女は誰もが幸せになれる町を作って、叶えられぬ望みを持つ者を待っているという…」

想定していた《真相解明》による彼女の告白、よりもこう、既に彼女をレムレスとして討ったうえで、もしかしたらそうなんじゃないか、っていう形での《都市伝説》で語られる展開は想像以上の静かな起爆力を持っていた。こういうのがあるからTRPGはやめられねーな、というところだ。

前後するが、PC①@巫女神のナイトメアとしての感覚では、倒されて消滅していく霧越エルの精神からは、誰かの幸せを願い続けた彼女が、ついに「解放」された喜びの感情が感じられた。それはついに謎が解けた、という人々の味と何も変わらないものだった――。

・準備していた「望み」

これも前後する話になるが、本作のキモとなるシーンはPC②が目的を達成するために町を訪れ、実際にキリゴエからその目的が達成されたような幻を見せられるシーンである。
(欄外にアドリブで頑張れ、って書いているあたり、シナリオ2らしく少しだけ高難度なイメージだよね)

PC紹介で書いたようにPC②@北条の望みは自分を改造したと思しき幼馴染の友人に「なぜそんなことをした!」と聞き出す、というもの。改造されておきながら人間に戻ること、とかの望みではなく友人にことの真意を問いただす!というのがまた彼らしい。

セッション開始までにGMはそのことをヒアリングしながら、悪いことを考えていた。
「聞くまでが望み? 望む答えはあるんだろうか? どんな答えでも受け入れられるとかそういうやつ?」みたいな感じで色々モヤモヤと。

結果的に、キリゴエが出した幻影は、あの時の彼と同じ姿のまま、「なぜそんなことをした!」という問いかけに「それはお前のためだ」としか答えない(何度なにを聞かれてもそう答える)という仕掛け。

見破られた上で、キリゴエはPC②@北条に「そんな中途半端な望みで見られるものはこの程度でしかない」と毒づく。これがPC②のPLに痛く刺さってくれて。「そうなんだよなー、中途半端なんだよなー」としばらく反芻してくれていた。それがエンディングフェイズでさらに追い打ちをかけられる結果になって、より面白みが増したと思う。

・そしてエンディング

PC②@北条のエンディング。消えた幼馴染の恋人・城戸恭子が営む喫茶店「ポピー」で、北条はうたた寝をしていて、恭子さんに起こされるところから始まる(夢で始まり夢で終わる感じでこれもすごく好きだ)。

いくつかのやり取りを経て、ぽつりと。
「アイツに会える場所がある、って言われたら、恭子さんはそこに行く?」

ゆっくりと首を横に振る恭子
「行かないと思うわ。だって、私はその入口を通って、あの人が帰ってくるのを待っているんだから」

北条「かなわないな」といいながらバイクで町を流すために「その入口」から外に出る……中途半端な望み、もはや人間ではない身体。そんな物を抱えながらバイクで街を駆ける……。

な感じのシーン。いやー、言ってやった感! 帰ってくる場所、欠けてしまったけど本来は三人の場所、みたいなイメージからのリアクションだった(舞台裏のPLからは、このままでは『紅の豚』のジーナになっちゃうぞ、とのコメントあり。たしかに)


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