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ラストレクイエムSSSVol.2 #3『復讐の軍馬』プレイレポ

Twitter凍結ということもあり、連投でのプレイレポについてはnoteで書いといたほうがいいかと思い直した。
どうしてもこっちで書くとTwitter以上の文章量になってしまうので、持続性も考えての配分も練習していく必要があるな。

さて、表題のとおり公式シナリオの、それも3話目からnoteレポを再開するというのは凡そ想定しうる限り最悪のタイミングだ。

だが、満足度に関しては屈指のレベルの達成感が得られたセッションだったので、その勢いも得ながら書いていこうと思う。

ネタバレはハンドアウト部分までしかしないので、その辺は安心してほしい。

■予告&ハンドアウト
公式サイトにアップされているので、リンクを貼っておく。

■過去の感想
ついでにTwitterの過去話の感想。
第一話
第二話

さて、今回はハンドアウトの取得と同時に、キャンペーンに登場しているPCたちには、いくつかのキーワードについて、PCのスタンスみたいなものを考えてきてもらった。
予告&トレーラーから示唆されるものについて、予めPLに考えておいてもらい、セッション内で急に考える前に頭の体操をしてもらう、というのが狙いだ。慣れたPLなら、予告&ハンドアウトをみたときに「ははーん、今回はこういうお話だな?」って予想を立ててなんとなく方向性を決めておいたりするものだが、このキーワードへの問いかけはまさに、それを意図したものだ。

PLにとっては不意に出てきたキーワードであっても、PCにとっては馴染みがあったりなかったり、また別の視点というものがあるからね。予め整理をしておくことは悪いことじゃないと思ってる。

ところで、このキーワードの問いかけをやり始めて1年近くは経つと思うが、予告&ハンドアウトから全く想定できないキーワードばかりになってしまうときは、予告&ハンドアウトで十分に情報が伝えきれてない、セッション内で初出する情報が多い状態にあることが予想される。このレギュレーションの始まりは「ははーん、今回はこういうお話だな?」という想定のテクニックなので、キーワードに唐突感がある場合には予告&ハンドアウトのブラッシュアップを検討したほうが良いだろう。

今回のキーワードはそういう意味では基本に忠実。すべて予告とハンドアウトに関わりをもたせたものだ。
タイトルからの「復讐」、詐欺に遭ったということで「財産」、そして首都高の事故と騎士から「乗り物」の3つ。

今回のセッションでは、これがまた良い効果を発揮してくれた。

■プリプレイ

ネタバレを避けようとすると、プリプレイの話の方が中心になってくる。今回エントリーしてくれた(いや、エントリーは第一話からだが)PCは以下の通り。

●ハンドアウトA:イズヴェル・ジェーニエ

PLは坂崎さん。ファフナー/ファフナーの純血の竜人族にして「自身で稼いだ金で塒を満たす」をモットーに日々額にあせしてバイトに勤しむという形でステータススタイルは「デイリーライフ」という変わり者。しかしてその言行からは竜人族らしい”ズレ”に満ちているという好演が魅力的なPC。

キャンペーンではハンドアウトAが友人など関わりが深いNPCとの交流をする枠になっている。第一話から順繰りに、今回は「イズヴェル回」となったわけだ。

ハンドアウトにあるとおり、今回は数年前に別れた友人の失踪の原因となった詐欺グループがレムレスに襲撃されたと思しき状況からの導入だ。

セッションに入る前に決めていったのは友人・百瀬との関係性。
長いバイト生活の中で、百瀬とは友人同士だったという設定を付与していく中で、そのバイトの理由=バイクを買って日本一周がしたい! っていう提案は「キーワード:乗り物」とも絡めた見事なものだった。
こちらからは、もともとあった「高架下の飲み屋に行っている」設定を拾って、そういう店に行くようになったのは百瀬との友人づきあいの中で、というものも付与したりした。

セッションで描かれるのは、過去の積み上げの帰結としての”今”なわけで、やっぱりPC①はNPCとの関わりをしっかり作ってナンボだよね!

●ハンドアウトB

ハンドアウトBはいずれも、ヴァルハラからの司令によってレムレスを追うという典型的なレイヴン枠だ。
このあたり、ハンドアウトのメリハリがしっかり効いてるのがこのキャンペーンの良いところだと思う。単発セッションなら、いくら主役を設定していても、それ以外の枠にそれぞれの見せ場を構えたりするところだが、このキャンペーンでは大胆に主役とそれ以外、として区分している。主役枠が入れ替わっていくキャンペーンのストロングポイントを活かしていると言える。

●ハンドアウトB:相良 武言

PLはMKさん。スタイルはルシファー/ベルセルク/ディテクティブ。由緒正しき有翼族ルシファーとそのもとで戦っていた獣人族との間で生まれたハイブリッド。「ラブ&ピース」を信念に掲げる愛に生きるゴシック探偵である。

ラブ&ピースな信念からはちょっと意外に、しかしこれまでのPCの振る舞いとしては納得の、復讐のキーワードに対してはわりと肯定的。何も産まないことはわかっていても、それでしか成し得ないものがあることは知っているのだ。人の倫理よりゴシックとしてのあり方、それも血族にも囚われない(実家は太い)自由なあり方を表現してみせるキーワード対応だった。

●ハンドアウトB:狼谷 燎

PLは猫屋敷さん。スタイルはアームズ/ベルセルク/エージェント。登場率の高さからTwitterでの感想ツイートでもおなじみになってしまった感のある、”力の肯定”を信念に掲げる我らがヴァルハラ屈指の戦士職である。「それを為せる力があるのなら」とこちらも復讐には肯定的。もちろんそれを止めさせようと”力づく”なのも含めてだ。GM的にはキャンペーン第一話から引き続いている個人的な”復讐”にも言及してくれたのが嬉しい。

●ハンドアウトB:天之御シエル

PLはクリスさん。スタイルはルシファー/アームズ/タレント。有翼種ルシファーの中でも天使属性をフィーチャーしたローフルなPC。周りの男衆がヤンチャなぶん、相対的に委員長成分が更に色濃くなっている。この辺は配役の良いバランス感覚。
復讐に関してはきっぱりとノー!のスタンス。さらには乗り物に関して一歩踏み込んで「自分も免許取りたいなー」といった日常の一幕なんかもセッション前に開示。
イズヴェルのバイク話に乗っかる形で出されたこの設定が、セッションを通じた軸になっていくことになるとは。

■メインプレイ

公式シナリオゆえ、詳細は伏せる、が……。

今回はキーワード含め、事前のやり取りをしっかりやってよかった!それが呼び水となったセリフ・演出が色んなところでピッタリとハマってくれたのだ。冥利に尽きる、とはこのことか。

セッションはPCにとっての”今”、それは過去の帰結になるものだ。
そこをしっかりと共有しているから、周りがその”今”から受け取れるものも変わる。それはキャンペーンの面白さと同じだ。そこに物語を見るから、心も動かされるのだ。

百瀬と交わした「バイクを買おう」という夢の話。
名前にちなんで出かけた2人乗りの伊豆旅行で付けたバイクの傷跡。
別れを告げる彼からの「バイクは売った」という寂しい顔。
既読が付いたまま、時が止まったLINEの画面。

止まった時間を動かし始めたのは、首都高の燃える騎士。

過去を明かした場所は、2人で行った高架下の焼肉屋だ。

そして、皮肉にも邪悪に形を変えてしまったあのときの約束。

「自己満足だ……!」血を吐くようなイズヴェルの告白と、
彼の宝物の余韻がもたらした夢現の過去。

エンディングでシエルが買おうとした中古車に残された、あのときの傷跡。

予告とハンドアウトから読み取れる情報から抽出したこれらは、ネタバレを恐れる必要もない、おれたちが積み上げた物語だ。

やっぱりセッションは良いものだ、なぁ。

     *      *

今回は色々なものが噛み合って、何十回に1回クラスの満足感を得ることができた。人と人とが絡む遊びだから、どれだけ準備をしたりマインドセットをしても、振れ幅が出るのは避けられない。
人はそれを「セッションは水モノ」として、入れ込んだもののうまくいかなかったときに慰めの言葉をかける。それも正しい。

それでも、だ。こんな奇跡のような偶然が起こることを祈って、それを少しでも引き寄せられるように、振れ幅を少しでも上振れに近づけるように。水
モノというのならそのダイスに固定値を加えるために! 本当にいろいろな試行錯誤が今もそこかしこの卓で行われている。

今回、それがたまたまうまく行った、というたぐいの話ではあるけれど。
そのたまたまを引き寄せる色んなことに関わった、一緒に遊んだ仲間たちを誇りたい気分だ。水モノだからこそ、みんなで目の前の卓を楽しもう!っていう工夫はどんどんやっていけば良い。


シメが壮大になってしまったけど、ここ一番のダイスロールで六ゾロだとか01クリティカルとか出したら、興奮するのは仕方ないじゃないか(運だけに頼らない話をしていたはず)。

ここまで読んでくれたみんなも、良いセッションを。



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