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【WSET diploma対策】D3試験の概要

D3試験の概要

D3はWines of the World(世界のワイン)がテーマです。WSET diplomaのうち、50%の配点がある一番大きなユニットです。多くの人は最後に受験することが多く、ラスボスと呼ばれる難易度の高いセクションです。

毎年、5月と10月に試験がおこなわれますが、年に2回しかないので、D3がなかなか通らずに、diploma取得に時間がかかる方が多いです。

D3の試験構成

セオリーとテイスティングがあり、2日間にわたって実施されます。

1日目のセオリーは1限に2時間の記述試験があり、4問の中から3問選んで解答します。2限は80分の記述試験で、3問の中から2問選んで解答します。1問あたり40分という計算です。捨てられる問題があるということで、多少、何を選ぶかという戦略があります。

2日目のテイスティングは、1限は1.5時間で、6アイテムのテイスティング。2限は1.5時間で、6アイテムのテイスティングです。

セオリーだけ合格、テイスティングだけ合格があります。再試験では落した方だけ受けます。

D3試験の合格率

2022年2月に実施されたD3試験の合格率は、

Theoryの合格率50%(Distinction 0%, Merit 5%, Pass 45%)
Tastingの合格率93% (Distinction 6%, Merit 30%, Pass 57%)

2022年5月に実施されたD3試験の合格率は、

Theoryの合格率57%(Distinction 1%, Merit 8%, Pass 48%)
Tastingの合格率79% (Distinction 1%, Merit 29%, Pass 49%)

となっていて、Tastingは比較的合格しやすいですが、Theoryは相当な難関ですね。しかも、この合格率は世界の受験生の合格率で、日本人のTheoryの合格率は30%を切っていると聞きます。

D3セオリー試験の内容

JSAの試験を受けている人にとってはアペラシオンに関しては、見慣れたもので、JSAほど、マイナー産地は問われません。でも、気候、栽培、醸造、法律、ビジネスにいたるまで幅広く聞かれます。1つの問題あたり、最低でもA3用紙2枚、英語でびっしり書く必要があります。

D3は唯一Examiner’s reportで、完全に問題が公開されているユニットです。過去問を見ると、あらゆる地域から、重量級の問題が出ていることがわかります。これについては、別にまとめます。

D3テイスティング試験の内容

4フライト(1フライト3アイテム)が出題されます。午前中に90分で2フライト、午後に90分で2フライトです。

第1フライトは同じ品種の3アイテム、第2フライトは同じ国の3アイテム、第3フライトは同じリージョンの3アイテム(たとえば、Alsaceとか、Californiaとか)、第4フライトはmix pack(ランダムな3つの組み合わせ)となっています。

それぞれのワインをSATに基づいてフルコメントしたあと、品質評価、瓶熟の可能性、さらになぜそのように評価したか理由を述べる必要があります。何の品種か、どの国か、どのリージョンか、それぞれ理由をつけて述べる必要があります。この理由をつけるという部分が、WSET Level 3とは大きく違う点ですね。

D3のテキスト

全部で600ページ弱あります。国別に章が分かれているので、JSAの教本に似ています。ただ、JSAの教本のようにすべてのアペラシオンを網羅しようというものではなく、マイナー産地は言及しません。重要なアペラシオンに絞って、深く、論理的に書き込まれています。

国に関してもJSAよりは扱っている国は少なく、東欧の国で登場するのは、ハンガリーのトカイだけです。中国の章もあり、過去、出題されたことがあります。

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