チャパティ【1】 チャパティと緑の革命
地平線まで続く黄金色に輝く麦畑。その中を、ターバン姿の屈強な男たちがTATA社製の巨大トラクターで縦横無尽に駆けめぐる。北インドの一大穀倉地帯、パンジャーブの収穫期の風景である。ここで収穫される小麦粉(アーター)こそ、北インド人の日々の食生活に欠かせないチャパティの源泉となるのだ。
冬作物の小麦は、乾季に入る10月から11月にかけて播種され、約5か月たった春先に一斉に収穫期を迎える。インドではこの期間を「ラビ」と呼び、小麦のほかマスタードやゴマなどの作物が植えられる。現在イ