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インド食器屋のインド料理旅

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食器買い付けの旅や国内の専門店巡りで出会った美味しいインド料理やインドの食文化を、「アジアハンター」の店主・小林真樹さんがエッセイふうにご紹介します。
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#ノンフィクションが好き

ナン 【2】 インド各地のタンドール

「大きく作ったナンを、その大きさを強調させるためノーカットでサーブする」 これが日本のイ…

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ナン 【3】 ナンをもとめて何千里

パキスタン国内に絞ってみても、さまざまなナンが各地に存在する。 パキスタンの西端ペシャー…

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ビリヤニ【1】 本物のビリヤニとは何か?

「ビリヤニ用のハーンディーください。今度新しいメニューで出すので」 そんな電話が増えたの…

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ビリヤニ【3】 北インドの伝統的ビリヤニ

インドで多様なビリヤニが存在するのは、何もヒンドゥー教徒用にカスタマイズされたり、もとも…

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ビリヤニ【5】(南インド) もう一つのビリヤニ文化

日本でも朝昼晩でそれぞれ食べるものが異なるように、タミルでも、とりわけベジ(菜食)食堂で…

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ダルバート【3】 ダルバートの未来

インドのシリコンバレーといわれて久しいIT都市バンガロール。市内中心部には国内外の大企業が…

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チャパティ【1】 チャパティと緑の革命

地平線まで続く黄金色に輝く麦畑。その中を、ターバン姿の屈強な男たちがTATA社製の巨大トラクターで縦横無尽に駆けめぐる。北インドの一大穀倉地帯、パンジャーブの収穫期の風景である。ここで収穫される小麦粉(アーター)こそ、北インド人の日々の食生活に欠かせないチャパティの源泉となるのだ。 冬作物の小麦は、乾季に入る10月から11月にかけて播種され、約5か月たった春先に一斉に収穫期を迎える。インドではこの期間を「ラビ」と呼び、小麦のほかマスタードやゴマなどの作物が植えられる。現在イ

チャパティ【2】 家庭料理と外食料理

「インドの家庭ではナンは食べません。チャパティを食べるんです」 インド料理に関心のある方…

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ドーサ【1】 南インドの米事情

「本格的な南インド料理とは?」と問われて、ミールスと共にドーサを挙げる人は多いだろう。例…

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ドーサ【2】 崩壊するヘルシー概念と重い軽食

前項のとおり、タミル人は米をパッチャ・アルシー(生米)とプルンガル・アルシー(パーボイル…

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ドーサ【3】 ドーサを求めてドサ回り

ドーサという言葉自体は古代タミルで書かれたサンガム文献にも登場した古いものであり、南イン…

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モモ【2】 インド化したモモ

その日、私はデリー市内にある巨大ショッピングモールのフードコートにいた。好調なインド経済…

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チキン・マンチュリアン【1】 インドにおける中華料理の登場

昨年(2023年)の夏だったか、「インド中華」に世の注目がにわかに集まった。「町中華」や「ガ…

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チキン・マンチュリアン【2】 インド中華のルーツ探し

一口にインド中華といっても実にさまざまな料理が存在する。そしてその出どころを探っていくと、主に二つのパターンがあることがみえてくる。 まず一つ目は、「チキン・マンチュリアン」に代表される、在インド華僑の手によって創作された中華料理、つまりインド発祥の中華料理である。チキン・マンチュリアンのほかに「ゴビ・マンチュリアン(カリフラワーのマンチュリアン)」といったベジ・バージョンのほか、「シェズワン・チキン」、「マンチョウ・スープ」などが挙げられる。ちなみにマンチョウ・スープとは