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全国最中図鑑

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途…
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2023年12月の記事一覧

「全国最中図鑑」66 栗最中オグリキャップ(岐阜県羽島郡笠松町)

岐阜県の笠松町には、あのダービーの名馬オグリキャップを生んだ笠松競馬場がある。オグリキャップは1987年5月にここでデビューし、8連勝、重賞5勝を含む12戦10勝を記録した後、1988年1月に中央競馬場へ移籍し、重賞12勝を記録、その後も数々の記録を樹立。第一次競馬ブームを巻き起こしたハイセイコーに比肩する第二次競馬ブームの立役者として高い人気を得た。 その出身地笠松町に店を構える御菓子司小梅が地元応援菓として作り上げたのが「栗最中オグリキャップ」。飛騨高山産のもち米を使った

「全国最中図鑑」65 加賀鳶最中(石川県金沢市)

「加賀鳶」という言葉をご存じだろうか。享保3(1718)年、8代将軍吉宗が禄高一万石以上の藩に対し、江戸藩邸を守る大名火消しを設置するよう命じたのを受けて、加賀藩では江戸上屋敷の自衛消防隊を増強した。これが加賀鳶と言われる火消し集団である。 加賀鳶は勇猛果敢な活動と華麗な装備で評判になり、当時の浮世絵や歌舞伎の題材ともなり、いつの間にか大名火消しといえば加賀鳶のことを指すようになった。 その加賀鳶の派手な纏の紋様を最中に仕上げたのが、創業嘉永2年の老舗・諸江屋の「加賀鳶最中」