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全国最中図鑑

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途…
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2023年10月の記事一覧

「全国最中図鑑」62 さざえ最中(千葉県南房総市)

南房総は美味しいサザエが獲れることで有名だ。房総沖は、北上する黒潮と南下する親潮が交じり合い、栄養豊かな海藻が豊富にある。それらをエサにして育った南房総のサザエは、身がふっくらしているだけでなく、肝までふっくらとして美味しいのが特徴と言われている。 そのサザエの貝殻をモチーフにした最中が、盛栄堂の「さざえ最中」。盛栄堂は南房総で100年以上、4代に渡って和菓子を作り続けてきた老舗で、「さざえ最中」は先代の3代目が考案したそうだ。サザエの形をした皮はコロンとしていてとても可愛く

「全国最中図鑑」61 東京駅丸の内駅舎最中(東京都練馬区)

東京駅丸の内駅舎は、1914年に創建。東京大空襲で被害に遭ったが、1945〜47年に一度復興工事が行われ、その後、2007年からの保存・復原工事により、創建当時のままの姿に復原された。創建時の設計者は辰野金吾氏。日銀などを手がけた建築家である。外観デザインはクイーン・アン様式。18世紀のイギリス・アン女王の時代に流行した、左右非対称でレンガを使用し、八角形の塔や寄棟屋根などが特徴の建物だ。 この復元のタイミングに合わせて、練馬区のあわ家惣兵衛が開発したのがこの最中。「時代を超