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全国最中図鑑

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途…
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2023年7月の記事一覧

「全国最中図鑑」56 伊達侯もなか (愛媛県宇和島市)

慶長19(1614)年、伊達政宗は徳川家康から「大坂冬の陣」への参戦の功績として伊予宇和島10万石を与えられた。政宗の長子・秀宗が別家としてこれを継ぎ、翌年宇和島城に入城して、宇和島藩が正式に誕生した。時が移り、明治維新の際、秀宗は大政奉還に功績があったとして侯爵に任ぜられている。 このことから秀宗公の風格をなぞらえて「伊達侯」と命名されたこのもなか、厳選した十勝産の小豆と氷砂糖を職人がじっくりと時間をかけて煮詰め、素朴だが上品な甘さに仕上がっている。皮は手焼きの極上加賀種。

「全国最中図鑑」55 讃州最中 (香川県丸亀市)

明治維新後の都道府県制が敷かれる前、日本の地域行政区画は六十余州(66国と2島)と呼ばれる「国」が単位だった。武蔵(国)、信濃(国)、三河(国)など、今もさまざまな固有名詞に名付けられていたりする国名だが、これらは正式名よりも通称「○州」(例えば武州、信州、三州など)と呼ばれることが多い。香川県はご存知「讃岐うどん」で知られる「讃岐」の国。通称「讃州」である。 その「讃州」の文字を浮き出させた風格のあるもなかが「讃州最中」。 香川県丸亀市、讃岐のシンボル讃岐富士のお膝元で昭和