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全国最中図鑑

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途…
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2023年5月の記事一覧

「全国最中図鑑」52 よーじや謹製 手作り最中(京都府京都市)

京のあぶらとり紙で知られる「よーじや」の歴史は、1904年、舞台化粧道具の行商から三条に店を構えた「国枝商店」に始まる。 大正初期、世間で口腔衛生が注目され始めた頃、初代が歯ブラシの商いを始めた。その頃、歯ブラシは「楊枝(ようじ)」と呼ばれていたことから、人々に「楊枝屋さん」と親しまれるようになり、この愛称を店名に改めたという。 昭和40年、2代目が手描きした、手鏡に京の女性の顔が映っている絵をロゴマークとして採用し、よーじやの全国展開と共に、このおしゃれな「よーじやマーク」

「全国最中図鑑」51 雪ぼうし(北海道江差町)

北海道の代表的な港町・江差で、江戸時代から菓子屋を営んできた五勝手屋。この珍しい店名は、当地にヒノキの伐り出しにきていた南部藩が、五花手地区で豆の栽培に成功し、店の祖先がその豆で菓子を作ったことから名づけられたという。ちなみに五花手という言葉は、アイヌ語で「コカイテ」、波の砕ける場所、という意味だそうである。 その五勝手屋が、冬季のみ限定で販売しているのが「雪ぼうし」。立体的な雪だるま型のモナカで、頭にバケツの雪ぼうしをちょこんと乗せたフォルムが実に愛らしくて、食べるのがため