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全国最中図鑑

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途…
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2023年1月の記事一覧

「全国最中図鑑」44 ひょっとこ最中(宮崎県日向市)

昔、日向の塩見永田という村に「ひょう助」と「おかめ」という夫婦が住んでいた。二人が子宝に恵まれるよう毎日稲荷神社に豆飯を供えていたところ、ある日、神主が空腹に耐えきれずそれをつまみ食いしてしまった。怒ったお稲荷様が、きつねに姿を変えて現れたが、そこにいたおかめの美しさに目を奪われ、おかめの気をひこうと手招きしながら踊り出した。それを見たおかめもつられて踊り出し、亭主のひょう助も一緒に踊り出し、成り行きを伺っていた村の若者たちまでみな踊り出した。 「日向ひょっとこ踊り」は、この

「全国最中図鑑」43 首里城最中(沖縄県那覇市)

首里城は琉球王朝の王城で、沖縄県内で一番大きな城である。2000(平成12)年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録された(城自体は何度か破壊されて復元されており、世界遺産としての登録は「首里城跡」となっている)。2019年10月31日深夜の火災により、正殿をはじめ復元されていた多くの建築物と工芸品などが焼失したニュースは記憶に新しい。3年後の2022年11月3日、正殿復元が開始された。 その焼失前の首里城をモチーフにしたのが、デパートリウボウのオリジナル菓