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全国最中図鑑

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途…
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2021年9月の記事一覧

「全国最中図鑑」11 樽丸最中(千葉県野田市)

樽丸最中は、創業170年の老舗菓匠・丸嶋屋が明治中期に考案した、醤油の郷野田市の銘菓。 野田は約400年前、永禄年間に生まれた醤油の産地。昔は、野田の醤油は樽で作られていたという。 樽丸最中は、野田の代表的醤油ブランドであるキッコーマンとキノエネの醤油樽をかたどったもので、あんは小倉あん、白あん、ゴマあん、そして野田ならではの醤油あんもある。醤油あんは、甘くてねっとりしているが、ほのかにさっぱりとした醤油の風味も感じられて、なかなかの逸品だ。 丸嶋屋 千葉県野田市野田355

「全国最中図鑑」10 奥州二本松 拾万石(福島県二本松市)

奥州二本松藩は、織田信長家臣の猛将・丹羽長秀の孫、光重が10万石で入府して以来、明治維新まで11代続き、丹羽家は今でも「にわ様」と呼ばれ愛されている。 二本松藩が歴史上もっとも知られているのは「二本松少年隊」の悲劇だろう。戊辰戦争で二本松藩は新政府軍と戦ったが、この時、12〜17歳の少年兵部隊が、二本松城落城の際、戦いの最前線で取り残され、戦いに巻き込まれて殉死した。この悲劇は会津の白虎隊と並び称せられ、彼らの最期はNHKの大河ドラマ「八重の桜」でも描かれた。 「奥州二本松