マガジンのカバー画像

全国最中図鑑

80
日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途…
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

「全国最中図鑑」 9 翁最中(長野県松本市)

松本の老舗和菓子店・翁堂の看板菓子「翁最中」。能面をかたどった最中は全国にあるが、この翁の面はともかく柔和で優しい顔をしているのが特徴。ほっぺた、額、あごがすべてぷっくりと膨らんで、深く刻まれたシワもユーモラス。手にすると思わず微笑んでしまう最中だ。 あんこは粒あんかこしあんか? と思いつつ皮を割ってみると、意外や意外、深―い緑色の抹茶あんが飛び出してくる。さすがのサプライズ! なかなか風流な最中である。 翁堂 長野県松本市大手4-3-13 「全国最中図鑑」をまとめて読み

「全国最中図鑑」 8 白ふくろう最中(栃木県那須郡)

栃木県と茨城県の県境にある鷲子山上神社(とりのこさんしょうじんじゃ)は、別名「フクロウの神社」。もともとフクロウは不苦労と書き表わせることから、昔から縁起のいい鳥とされてきたが、この辺りでは特に、古代からフクロウが神様の使い、幸福を呼ぶ神の鳥として崇められてきた。境内には日本最大級の大フクロウ(地上7メートル)をはじめ、数多くのフクロウの像があり、運気を上昇させてくれるパワースポットとして人気を集めている。 その、幸運を呼ぶ白いふくろうをかたどったのが、那須湯本にある扇屋の「