ゲームの研究 2022/02/25
ゲーム開発者はよくゲームの研究をします。研究というと随分大ごとのように聞こえますが、要は遊ぶだけです。
遊んでいると「楽しい」と感じたり「難しい」と感じたり、「悔しい」と感じたり「もういいかな」と感じたり・・・いろんな感情が沸き起こると思います。その感情の揺さぶりのタイミングや方法をいろんなゲームから学び、良いと思ったものは吸収して、自分のゲームの糧にすることを研究と呼びます。※人によって研究の定義は違うと思います
仕事や『JETMAN』の開発で忙しい中でも、なるべく時間を見つけてゲームを遊ぶように心がけています。今やってるのは『真・女神転生V』です。
2021年11月の発売日に購入したものの、遊ぶ時間がなくて積みゲー化していましたが、最近買った攻略本をお供にガッツリやってみようか、と思い立ちました。(攻略本大好き人間です)
このゲーム・・・面白い!
ゲーム自体は古き良きRPGによくある構造です。フィールドを探索しながら先に進み、出くわすボスを倒してイベントを侵攻させ、新たなフィールドへ。というものなのですが、このゲームの真骨頂は成長要素にありますね。
まずは何といっても「組み合わせ」の面白さ。
習得するスキルの組み合わせとパーティメンバーの組み合わせ。1キャラではまかないきれない部分をほかのメンバーで補うとか、特定の敵を攻略するためだけの偏りだらけの特化型パーティとか。このスキルとメンバーの2つの組み合わせにより、ユーザーごとに異なる遊びの体験ができるようになります。組み合わせなんて無限通りありますからね。もちろんある程度の正解の組み合わせもあるのですが、それを実現するために試行錯誤を繰り返し、レベル上げや悪魔合体に勤しむのも、短期的な目標になっていたりして、飽きない仕掛けができています。
次に「選択」の面白さ。
習得スキル何を選ぶ、写せ身でスキルか耐性どちらを選ぶ、悪魔合体で誰を作る、神意何を優先して習得する、会話の選択肢、イベントの選択肢…何気にプレイしてるだけだと実は気づかない?自分がたくさんの「選択」をしているということを。組み合わせと似た仕組みですが、選択が多ければ多いほど、オリジナリティ(自分だけのプレイスタイル)につながります。
そして「制約」の面白さ。
ゲームには、一筋縄ではいかないような程よいハードルがあると、それを超えることが達成感につながり、リプレイバリューが増えます。基本的にユーザーは「効率化」を促進させることを目的に成長要素を楽しむものだと思います。強い悪魔を作りたい!けどレベルが足りない制約。悪魔全書でスムーズに合体したい!けどマッカが足りない制約。写せ身は1個しかないがスキルと耐性どちらかしか選べない制約。神意を習得したいが御厳が足りない制約。といった形で「できなかったことができるようになる」スパンが短く頻繁にあるのがさすがだと思いました。
最後に「マップとの関係」の面白さ。
今作はこれまでの作品と違いマップが広く高低差も結構あります。そうなると作り手としてはマップを隅々まで探索してもらいたいものです。そこで大事なのは引力です。※『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』のディレクター藤林さんがCEDECの講演で使ってらっしゃった単語です。要は、先に進むのが大きな目的なはずなのに、「写せ身」や「御厳」や「換金アイテム」や「マガツカ」といった成長要素に大きく絡むアイテムがことごとくマップの隅々に配置されていて、ゲーム進行そっちのけで探索してしまう、という現象のことを引力と呼んでいます。これがメガテン5にもうまく当てはまっているな、と感じました。(オープンワールドではないですが)
・・・余談ですが。DLCを買ったので御魂がいっぱい出てきて経験値とかマッカとかガッポリ稼げます。時短ですね。ほどほどに活用しております・・でもこのブースト感もゲームとしてアリだよなぁ・・・と思ったり。
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