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悶太の掌編集

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2015年9月の記事一覧

殺生

 ある日、息子がこんな質問をしてきた。

「何故、人を殺してはいけないのか?」

 私は息子をジッと見つめると、読んでいた新聞を畳んで、息子に向き直った。

「そうか、じゃあ今この瞬間から人を殺しても良い事にしよう」

 そう言うと、私は息子の首に手を掛け、ありったけの力を込めた。
 声も出せず、見る見るうちに顔が鬱血し、もがき苦しむ息子をしばし見つめると、腕の力を緩めた。
 解放され、咳き込む息

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