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ふわっと軽くて酸味爽やか「雪降りサワーポテサラ&おまけのポテサラホットサンド」

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今回のレシピはポテトサラダ。マヨネーズを使わないシンプルだけど癖になる一皿です。ごちそうが並ぶ年末年始こそうれしい、さっぱり味のポテトサラダ、ぜひお試しください。

紋白蝶読者のみなさま、こんにちは。
 
じゃがいもを使ったサラダ、それがポテサラ。なんだけど、一緒になにを入れるか、どうつぶすか、どんな味をつけるかで様子はかなり違ってくる。作る人により、店により、国により広がるバリエーション。日本語でポテサラ、レシピ、で検索し、英語でpotato salad、さらにポテサラの親戚筋mash potatoも検索し上がってくる画像を眺めていると、これまでいかに人間がじゃがいもに高い期待(お前ならきっとこの具材と仲良くできるはず)と強い信頼(お前ならきっとこの調味料を受け止めるはず)を寄せてきたのかを感じます。やるな、じゃがいも。
 
じゃあ自分で作るポテサラはどうだっけと考えると、これもまたいろいろありまして。きゅうりとハムと玉ねぎの入った王道から、茹でだこの薄切りと合わせパプリカパウダーでアクセントをつけるものや、ポルトガルで思いついた、あじの干物と青唐辛子を使うつまみっぽいものなどなど。おにぎりの具みたいに、ときどき冒険して楽しめるのがポテサラなのかもしれません。
 
で、今回ご紹介するのはとびきりシンプルなもの。チキンにローストビーフにとご馳走が並ぶであろう年末年始の食卓で、箸休め的存在にもなるさっぱり味。たくさん作ってあまったら、翌日ターキーサンドならぬポテサラサンドにするアレンジもご紹介します。このサンドは、フライパンで焼くホットサンドです(写真はとある日のインスタから)。

では、パパッと作っていきましょう。 

Menu do dia 本日のメニュー
「雪降りサワーポテサラ&おまけのポテサラホットサンド」

材料(2人分)
・じゃがいも 大2個
・ヨーグルト(おすすめは粘りのあるカスピ海系) 大さじ3
・塩、こしょう、市販のフレンチドレッシング※ 各適量 

※自分でドレッシングを作る場合 白ワインビネガー大さじ2、塩、ディジョンマスタード、はちみつ(あれば)各少々をボウルに入れて溶き混ぜ、オリーブオイル大さじ4を少しずつ加えて乳化するまでしっかり混ぜる。 

つくり方

じゃがいもは皮をむいて 4等分し、かぶるぐらいの水に入れ、塩少々を加えて10分ほど茹でる。最初は強火にし、煮立ったら水面がぽこぽこと揺れるぐらいまで火を弱めると、じゃがいもが煮崩れない。中まで茹で上がったらザルにあげて水気を切り、鍋に戻す。
 

 熱々の状態ですぐにじゃがいもをつぶし、ヨーグルトを加えてさらに滑らかになるまで混ぜる。

 味をみて塩で調え、器に盛ってこしょうをふり、フレンチドレッシングをさっとかけて完成。雪が降ったように見えるので、雪ふりポテサラ。マヨネーズの濃厚さとは違う、ヨーグルトの酸味と乳脂肪がきいたポテサラです。
 
ドレッシングはまだらにかけると、食べるたびに酸っぱいところとそうでないところのコントラストが生まれて食べ飽きません。ドレッシングはその場でちゃちゃっと作ってもいいし、市販の好みのものを使っても。ちなみに私の愛用は、浅野屋のフレンチドレッシング。酸味はしっかりありながら玉ねぎやりんごが入っていてマイルド。今回のようなシンプルなポテサラによく合います。

そしておまけのポテサラホットサンド。フライパンで作るから、専用器具は要りません。

 食パン 2枚の片面にマスタードとマヨネーズをたっぷり塗り、片面にポテトサラダを広げ、好みでハムやシュレッドチーズを乗せ、もう片方のパンで挟む。フライパンにバターを入れて温め、溶けてしゅわしゅわしてきたらサンドしたパンをイン。パンの上に小さなまな板、さらに重い鍋ぶた(私はル・クルーゼのふた)で重しをし、中火で5分以上じっくり焼きます。

 片面がこんがり焼けたらひっくり返し、もう片方も焼いて完成。こんがり焼けたバター香る熱々パンと酸味のあるポテトサラダの相性のよさは、言わずもがな。これが食べたいので、いつもポテサラは多めに作ります。

合わせる12月の推しワインは、ナチュラルなワイン造りに徹したポルトガル北部ミーニョ地方のワイナリーによる、繊細なロゼ。ポルトガル土着品種のビニャオン100%で造られ、フレッシュな香りはブラックベリーやチェリーを思わせます。きりりと辛口で味わいにぶどうのうま味の力強さがあるので、食事との相性に悩むことがあまりないタイプ。なにより、グラスに注ぐと淡い上品なロゼ色が美しく、泡立ちも華やか。年末年始の集いにぴったりです。

「アフロス パン エスプマンテ ロゼ」3520円(税込)  

それでは、力強く華やかな淡いロゼと、シンプルだけどあとを引くポテサラで、良い週末を!


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馬田草織(ばだ さおり) 文筆家・ポルトガル料理研究家。東京都生まれ。出版社で雑誌編集に携わり独立。食や旅を軸に雑誌や書籍などで執筆。著書に『ようこそポルトガル食堂へ』(産業編集センター・幻冬舎文庫)、cakesの連載を書籍化した『ポルトガルのごはんとおつまみ』(大和書房)、最新刊『ムイトボン!ポルトガルを食べる旅』(産業編集センター)。ポルトガル料理とワインを楽しむ教室「ポルトガル食堂」主宰。開催日程など詳しくはインスタグラムへ。


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