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なすのポテンシャルを引き出す妄想キャビア丼「なすとベーコンのしっとりごはん」

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紋白蝶読者のみなさま、こんにちは。

新米の時季は、米で呑みたい。今回もポルトガルの米料理を参考に、ひと皿で晩酌のつまみにも晩ごはんにもなる、呑めるごはんものをご紹介します。使うのはなす。なすって軽いですよね。切ってもふわっといまいち手応えがない。この人どうなのって、つい野菜的実力を疑ってしまう。でもそんな存在の軽さに反し、加熱すると自分の水分で一気にとろみとうま味を出して180度違うジューシーなキャラクターになる。結構とぼけた野菜だなと感じます。

「caviar d'aubergine(キャビア・ド・オーベルジーヌ)」、直訳すると「なすのキャビア」と呼ばれるフランスの惣菜料理があります。通称「貧乏人のキャビア」。要は蒸しナスの果肉をペースト状にしたもの。加熱して強まったうま味やなすの種の粒々がキャビアっぽいから、この名になったとか。キャビアは言い過ぎな気がするけど、あの口に入れたときのねっとり感となすのそれを重ねたのは、少し分かるような気もします。一種の憧れ的妄想なのかな。

今回の米レシピは、そんななすのうま味や食感を活かします。加熱してとろんとしたなすと新米とを混ぜ合わせると、なんとも言えないとろみがあとを引きます。刻んだベーコンも加えて全体的には微かにスモーキーな仕上がり。妄想キャビア丼的な(いや、それは言い過ぎ)。

仕上げにすだちをたっぷり絞って酸を加えれば、ワインはもちろん日本酒だっていける。酸味は恐れずに、多いかな、ぐらいがちょうどいいです。

では、パパッと作っていきましょう。

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「なすとベーコンのしっとりごはん」

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