銀河鉄道
こんばんは、もんぺです。
今回の曲は「銀河鉄道」です。
銀河鉄道はシングル曲「プラネタリウム」のカップリング曲で、のちに発表された「present from you」にも収録されています。
このアルバム自体はカップリング集で、もともとはカップリング集は出ないとの噂があったので、驚いた方もいたのではと思います。
この曲は「present from you」で初めて聴いて、「電車の窓がガタガタ鳴く」ってめっちゃBUMPっぽいなぁと思いながら、歌詞を聴いていました。
僕が思うBUMPの魅力の一つは情景描写の細かさとそこから感じる懐かしさですが、この曲もその魅力が発揮された素晴らしい曲だと思います。
電車に乗った男の人が少し疲れた顔をして、荷物を抱えて椅子に座席につく。
落とし物のぬいぐるみを拾ってあげてそのことを後悔したり、背もたれを倒してみたら後ろの人が気になって寝ずらかったり。
電車の中でなくても、善行をしたと思っても少し空回り気味になったことや、周りなんてどうでもいいと思ってみても、どこか気になって集中できないなんてことはみんなどこかで経験があるんじゃないかと思います。
そんな何でもないことの懐かしさがこの曲のもつ魅力の一つです。
「電車の窓はガタガタ鳴く」
「生きた街を遠ざける」
「見送る人もいなかった僕の」
「生きた街を遠ざける」
一番から二番にかけて、電車に揺られる「僕」は少し暗い気持ちが伝わってきます。
そんな中で「良いこと」をしようとする気持ちに従っても報われず、やけになって少し「悪いこと」をしようとしてもやりきれず、気持ちのやり場がなくなっていき、
「人は歳を取る度 終わりに近づいていく」
と自分が気づけない間に進む時間の中で、思うように進まないことを嘆いているように見えます。
「真っ赤なキャンディが差し出されている」
「驚いたけど貰ってみる」
「笑った女の子が席に戻る」
「誰にも知られず僕が泣く」
しかし、三番でクマのぬいぐるみの持ち主の女の子から、お礼のキャンディを受け取ります。
本当に些細なことですが、疲れて、うまくいかなくて泣きそうだった「僕」の心に温かい灯を灯すには十分で、「僕」は涙を溢します。
「電車の窓はガタガタ鳴く」
「生きる街を近づける」
「出迎える人もいないであろう僕の」
「生きる街を近づける」
この小さな優しさで、「僕」の心は前を向きます。
状況は変わっていません。
「僕」はかつて持っていた「切符」でたどり着いた目的地から、次の「切符」の目的地まで移動している。
前の場所ではうまくいかず、次の場所に向かっている。
しかし、感情に変化があります。
「僕」は「生きた街」つまり過去から「遠ざかっていく」、逃げてきたという感情から、
「生きる街」つまり未来に「近づいていく」、向かっていく気持ちに変わっています。
「人は歳を取る度」
「始まりから離れていく」
「動いていないように思えていた」
「僕だって進んでる」
歌詞の形をほとんど変えずに、状況も何も変わらない電車の中で、シンプルに感情の変化を表現するこのフレーズを聞いたとき、僕はとても感動しました。
落ち着いた毎日が連続して訪れると、変化に気づけなくなり自分が進んでいる、「生きている」と言う実感がなくなり、周りの人をみて「自分だけ止まっている」ように感じることもあると思います。
でも、どんな人でも毎日、毎秒、前に進んでいます。
どんな人でも日々何もしなくたって、それぞれが主人公として物語を紡いでいっていると言う、当たり前ですが忘れがちなことをこの曲は教えてくれます。
そしてもう一つ、小さな優しさが人の気持ちを変えられるということも僕はこの曲から感じました。
日々の生活で疲れていても、「おはようございます」と笑顔で挨拶されたら、少し気持ちが明るくなります。
通りすがるどこかの誰かは、もしかしたら暗い気持ちでいるのかもしれません。その気持ちを自分の些細な優しさで、少しでも明るくできるかもしれないと思えば、ちょっと人に優しくできそうですよね。
静かに呟くような声とサビの力強い歌声の対比が心地いい曲です。
BUMPを聞かない人がこのnoteにたどり着くことはないかもしれませんが、もし聞いたことがなければ「銀河鉄道」をぜひ聞いてみてください。
また、BUMPが好きだけどあんまり「銀河鉄道」聞いたことなかったなぁという方も、日頃聞いているプレイリストに追加してランダムでかかってきたときに少し気にして聞いてみてください。
僕はちょっとチャリに乗って電車と並走してきます。
あとがき
やっぱり毎回書いていると自分って文章かくのうまくないなぁと痛感します。曲を聞いたときの気持ちや、曲を聞いた時にめぐった考え、この曲好きだなぁっていう気持ちを伝えたくて書いても、読み直すと三分の1も伝わってないですね笑
僕が伝えたいことは実質「BUMPの曲すごいよ!聞いてみて!」だけなので、それが伝わっていれば嬉しいです。
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