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【初心者編】モノを紡ぐ人のためのアイディアの出し方


①小説を書くにはアイディアが必要である。

 小説は、文字で空想を綴るという創作作品だ。ノンフィクションは少し別であるが、多くの小説は空想を土台としている。今回は、ノンフィクションは除外する。

 ストーリーを描き出す小説。このストーリーを構成する要素が、アイディアとなる。
 小説は書きたいが、アイディアがない――このパターンは勿論ある。本格ミステリーが書きたいが、トリックが思いつかない、など筆頭の例だろう。

 そこで近年、たびたび例に挙げられるのが、『テンプレ』という物語の構造である。序盤をお決まりの物語構成や場面設定にして、なんとか導入部分を書き出し、続きは独自に考えていくという手法だ。

 ただ筆者が思うに、これはテンプレの利用が本質ではないと考えている。テンプレはあくまでも想像力を引き立てるための鍵であり、同時にテーマの始発点を決定しているのではないかと思う。

 即ち、異世界転生というテンプレを使う場合、それは新世界での再出発というテーマを与えられている状態になるということなのではないかと思う。決して、トラックに轢かれる流れの部分の利用が、本質ではないのではないだるか。

 これはライトノベルの例であるが、『テンプレ』や『お約束』というのは、いずれのジャンルにも多かれ少なかれ存在する。時代劇であれば印籠や花吹雪を見せるようなものだ。あれらもその場面自体を書くことが目的ではなく、悪は罰せられるというテーマへと行き着く道標、鍵だと筆者は考えている。

 現在、繰り返し『テーマ』と筆者は述べているわけだが、これは、『テーマが決まればアイディアが浮かぶ』という考えからだ。

②テーマからアイディアを導き出す。

 例えば、男女の恋愛の成就がテーマだとする。すると男女は出会わなければならない。どのように出会ったのか、を、鍵として、想像していく。アイディアを得る鍵が一つここに生まれた。

 勿論出会いの場面が不意に思い浮かんで、そこからテーマを設定することも可能だ。順番はどちらでも構わない。

 この時、テーマはなるべく明瞭かつ簡単で分かり安いものが望ましい。長文でつらつらと詰め込むと、本質が見えなくなる。テーマとは、その物語の主題であるから、『成長』だとか『両想いになる』だとかで、この場合は問題ない。勿論、テーマについて深く掘り下げることは可能だが、今回は取り置く。

 ここでポイントとなるのは、『アイディアを導き出すためには、想像力の手助けをする【鍵】が必要となる事』だと筆者は考えている。

 この【鍵】は、テーマ以外からも得られる。
 例を挙げれば、本日の天候だ。晴れだとする。目に見えるのは太陽。太陽から連想できるものは何か? このように、連想していく思考法で、アイディアには到達できる。ふと思い浮かぶというのも、連想の結果であったり、その時の状況から知覚が受け取った信号により脳が特定の場面を再現するなどの(これを降ってくる感覚だと筆者は思う)要因であったり、様々だろうが、ここで重要なのはアイディアに到達することなので、思い浮かべばよいのである。

 重要なのは、【想像力の引き金となる鍵】と【連想能力】となる。

③アイディアはストックしておく(ネタ帳)

 さて、空想したものというのは、漠然とした思考なので、すぐに忘れてしまうことがある。また、連想するのが苦手だという人もいるだろう。ポンポン思い浮かばないという場合もある。

 そんな時、思い浮かんでいる貴重なアイディアは、即座にメモしておくのがオススメだ。紙でもパソコンでもスマホでもタブレットでもその他の端末でも構わない。後に、ストーリーが思い浮かんだ時、ストーリーを作ろうとしている時、合致するアイディアが見つかれば、組み込むことも出来るだろう。

 連想記憶的には、手書きで脳に学習させる方がいいとはいうが、利便性を考えると、すぐに表示出来る端末も悪くないと筆者は考えている。

④アイディアをストーリーに落とし込む。

 この作業をすれば、正直小説を書く準備は整ったといえる。ただし、ストーリーには他に世界観や登場人物の設定、もっと詳細なテーマなど、考えるべきことが山ほどある。なのでこの段階では、まずはざっくりと、アイディア同士を繋げて、点と点を結ぶように、ストーリーのラインを構築するとよいだろう。隙間部分は勿論空想力・想像力で埋めることになる。または慣れている場合、手癖で埋められる人も多いだろう。

 ここまでが、アイディアの出し方の話となる。

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