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NHK総合『収容所の長い日々・日系人と結婚した白人女性』(1991年5月3日放映)使用曲一覧

NHK総合『収容所の長い日々・日系人と結婚した白人女性』(1991年5月3日放映)使用曲一覧
"DAYS OF WAITING: The Life & Art of Estelle Ishigo" (directed by Steven Okazaki) Soundtrack

  1. Penguin Cafe Orchestra - Air
    "Broadcasting From Home" (1984)

  2. Gidon Kremer & Keith Jarrett - Arvo Pärt: Fratres
    Arvo Pärt "Tabula Rasa" (1984)

  3. 杉浦弘和 (Hirokazu Sugiura)  - 大薩摩 (Ozatsuma) (shamisen)
    "Japan: Traditional Vocal & Instrumental Music" (1976)

  4. Hans-Joachim Roedelius - Zuversicht
    "Selbstportrait Vol. III (Reise Durch Arcadien)" (1980)

  5. Staatsorchester Stuttgart (Conducted by Dennis Russell Davies)
    - Arvo Pärt: Cantus In Memory Of Benjamin Britten
    Arvo Pärt "Tabula Rasa" (1984)

  6. Svend Asmussens Kvintet - My Blue Heaven
    "Put On Your Old Grey Bonnet" b/w "My Blue Heaven" (1940)

  7. Mark Izu & Ray Collins - Sheng Illusion
    Jon Jang "Are You Chinese Or Charlie Chan?" (1984)

  8. Hans-Joachim Roedelius - Legende / Ansinnen / Betrachtung
    "Lustwandel" (1981)

  9. Emmylou Harris - Like An Old Fashioned Waltz
    "White Shoes" (1983)


 1941年12月の日米開戦を受けて、アメリカで行われた日系アメリカ市民隔離政策により、隔離対象外の "白人" でありながら、日系アメリカ市民の夫と共に、ロスアンゼルスからワイオミング州ハートマウンテンの強制収容所に送られ、終戦まで暮らしたひとのドキュメンタリーということで見た番組。戦時中の日系アメリカ市民の強制収容については、その少し前に、山崎豊子『二つの祖国』(1983年)を原作とするテレビドラマ『山河燃ゆ』(1984年)が放映されていました。

 番組を見ると、伝えられている内容とは別に、好きな音楽がたくさん使われていることに驚きました。オープニングは、ペンギン・カフェ・オーケストラ Penguin Cafe Orchestra。収容所での日系アメリカ人の暮らしに関連したもの以外の背景音楽には、ハンス・ヨアヒム・レデリウス Hans-Joachim Roedelius とアルヴォ・ペルト Arvo Pärt。エンディングテーマは、エミルー・ハリス Emmylou Harris によるサンディ・デニー Sandy Denny 作品のカバー。NHKの番組なので、再放送を待って、録画しました(2024年2月現在、VHSデッキ故障のため見られないでいます)。「IMDb (The International Movie Database)」の「Soundtracks」欄に記載があればよいのですが、いまのところ掲載されていないので、エンディングロールから書き起こしました。

Penguin Cafe Orchestra, Arvo Pärt, Hans-Joachim Roedelius, Emmylou Harris

 番組『収容所の長い日々』の元になったのは、スティーヴン・オカザキ監督 "DAYS OF WAITING: The Life & Art of Estelle Ishigo"。エステル・イシゴさん(1899~1990年)は、美術を学んだのち、日系二世のアーサー・イシゴさんと出会い、1928年に結婚するが、日米開戦に伴い、夫とともに強制収容所に送られた。収容所での日系アメリカ市民の生活をスケッチに残し、のちに回想録 "LONE: HEART MOUNTAIN"(1971年)を出版しています。
 2024年2月現在、スケッチは「JANM (Japanese American National Museum)」サイトの「Estelle Ishigo Collection」で、回想録は「OAC (Online Archive of California)」サイトで見ることができます。また、イシゴさんのバイオグラフィについては、「Massachusetts Historical Society」サイトに掲載された「"We searched its gaunt face for the mysteries of our destiny ...": Estelle Ishigo’s Scenes of a Japanese Internment Camp」(2013年4月)を参照しました。

 ドキュメンタリー映像作家、スティーヴン・オカザキ監督は、エステル・イシゴさんの回想録を読み、取材し、この映画を制作しました。この作品で、オカザキ監督のことを知って、しばらくして、よみうりテレビの深夜映画枠「CINEMAだいすき!」で、オカザキ監督の劇映画『リビング・オン・TOKYO・タイム Living on Tokyo Time』(1987年)を見ました。日本からの留学生と日系アメリカ人のバンドマンの交流、齟齬を描いたもので、サンフランシスコ、リトル・トーキョーの音楽の現場が出てくるのもよかったですが、ここでも、背景音楽として、レデリウス、ディーター・メビウス Dieter Moebius の作品がたくさん使われていて、面白かった。


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