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木村フィリップミノルの倒し方

武術研究家のモノノフです。題が某百獣の王のような感じになっているが、それはご愛嬌だ。

みなさんは木村フィリップミノルという選手をご存知だろうか。通称を「KOアーティスト」としている。ハードパンチャーの選手だ。僕が見てもすごいパンチをしている。しかし、同じように鍛えているプロの中で何故ミノル選手だけが、あれほどパンチでKOできるのかは考えないといけない。倒すためにはまず相手を知る研究することが大事なのだ。

ハードパンチャーの選手には共通点がある。それは『軸』だ。明確に『軸』を持っている。ミノル選手がKOする時は前足(オーソドックススタイルなのでミノル選手の場合は左足になる)に『軸』を作った状態で打ったパンチでKOしている。引きながら右のパンチでKOしたこともあるが、それは数少ない。そして、右ストレートでもダウンはとっているが、KOに至っていないことが多い。これらは『軸』が作れているパンチかどうかの違いだ。ちなみに下がりながらというか、前足のあたりに体重を乗せている状態から、後足を下げることなく後足に『軸』を作るように上体を引き、相手を空振りをさせてカウンターを合わせるのがうまい選手がいる。フロイド・メイウェザーだ。それまでに前足に体重が乗っている時はパンチが当たって後足に体重を乗せたらパンチが当たらない絶妙な距離を作っている。相手にとってはギリギリパンチが届かない懐の深い選手に見えていることだろう。キックのある世界でこれがうまかったのはケンカ十段芦原英幸氏だ。自分の『軸』が絶対にブレないし、この懐を深く見せる技術の他にも受けの技術も抜群にうまい。サバキの技術がフューチャーされることも多いが、サバキの技術の根幹はこの軸の移動にある。

それはさておき、今回はミノル選手の話なので時を戻そう!(ぺこぱ風)
ミノル選手がこの『軸』を意識してパンチを繰り出せるようになれば、右でも左でも下がりながらでも倒すことができる。正直僕のアドバイスでもあの左フックの威力を増すことはあまりできない。質を変えることはできるが、ミノル選手がそれを望むとも僕から見ても必要があるとも思えない。それほど完成されている。僕がアドバイスできるとしたら精度を上げることだ。「KOアーティスト」というぐらいなのだから細やかなディティールを気にして欲しい。『軸』だ。この意識さえできていれば、相手のガードの上から殴っても十分威力があるだろう。右でもKOできるようになるだろう。僕を解析トレーナーに入れたならこの「KOアーティスト」にもっと美しい作品を量産させることだろう。

ということで、ミノル選手のKOパンチは原則前足に『軸』を作れた時の左フックが主になる。顔面でもボディでもKOできるので前足を踏み込んでこられて、いい位置にこられたらその段階でかなり厳しい。その形にならないようにするのが得策だ。この場合、しないといけないことは

・『軸』を作らせないこと
・いいポジショニングをさせないこと

この二つが至上命題になる。

そのために必要なことは右のローキックとミドルキックだ。理想をいうとサウスポースタイル(右足が前のスタイル)が望ましい。外の取り合いになる。そして、踏み込まれそうな時は右の前蹴りで骨盤のあたりを押し、距離を取るようにしたほうがいいだろう。場合によっては上段の前蹴りなんかもいい。これを徹底するのがミノル選手を倒す方法だ。至上命題をクリアしつつ、『軸』を作らせないことによって、パンチの威力を下げるのだ。

やられてきた選手はミノル選手がオーソドックススタイルなのもあり、セオリー通り身体が開いている左のキックを入れ、時計回りに回っている。もうこれはミノル選手の思うツボだ。おそらくミノル選手はそういう練習をしてきているし、ミノル選手は左足をいい位置に置けたら勝てるので、ミノル選手は右側から蹴られてもミノル選手の左のステップインには影響が少ないのだ。ほぼ全員同じ間違いをしている。しないといけないのは右のキックだ。

ミノル選手のKOパンチとまではいかないが、ダウンを取れるパンチとして右ストレートも振り回してくる。これに関しては、右のキックを出しながら、逆時計回りに回っていたら当たらない。

さて、本来ならないようにするべきだが、打ち合いになってしまうことも考えてみよう。これに関してはキックボクシングというルールの関係上、キックを想定しているので、みんなパンチはガードをしてしまっているが、ミノル選手のパンチに関してはあまり得策ではない。正直ミノル選手はキックがいい選手ではないので、キックはそこまで警戒しないくていいだろう。
僕が思う打ち合いでの対応策は

ダッキングアッパー

だと思う。スマッシュ気味の角度がいいと思う。ミノル選手のフックは右でも左でも、フックはダッキングでかわして、右手はガードを下げずに、ダッキングしたところから戻る力も利用しつつ、左のスマッシュ気味のアッパー。これがベストだと思う。いっぱいの選択肢があると選ぶのにタイミングを逃す可能性が高くなるので、これでどうだろうか。そもそも打ち合いにならないのが望ましい。ミノル選手は今の階級では決して上背が大きい方ではないので、相手は自分だけが届いてミノル選手は届かない距離にいるのがいいだろう。

ということで、これが実践できれば木村フィリップミノル選手を倒すことができるはずだ!

問題は実践できればということになるが、どうだろうか。実践しやすいようにあまり複雑にならないようにしてみた。相手の超ド級の破壊力に恐れず自分の仕事ができればいいのだが...

モノノフ






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