朝倉未来が疑問を持った合気道

武術研究家のモノノフです。以前『朝倉未来に効かなかった合気道』というテーマで投稿しました。多くの方にみられていて嬉しい限りです。その後、またコラボ動画がありまして、塩田将大さんと朝倉未来さんがコラボしていました。今度は塩田さんが朝倉さんに総合の技を教えてもらうというのと対談が企画されていました。

その中で前回の動画は朝倉未来さんが合気道をバカにしているということでプチ炎上したそうです。誰がどう捉えてそうなったのかはいささか疑問はありますが、プチ炎上したということはそれなりに多くのひとが思ったんでしょう。

僕は武術を学ぶもの側ですが、これに関しては朝倉未来選手をかばいたいところです。誤解のないように言っておくと、僕は格闘技とか好きですし、強いひとに対する尊敬はありますが、基本的にヤンキー上がりみたいなひとは嫌いです。格闘技イベントは興行になるのでキャラ設定などもあり、一丸に情報は鵜呑みにできませんが、僕らの時代から少し上の世代のヤンキーは結構ドギツイことをしていました。それを格闘技で更生して成功したみたいな物語がちょっとなんだかなぁって思います。それまでの被害者のことは？とか思ってしまうのです。格闘技漫画自体はどれも好きなんですが、そういうストーリーはあまり好きではありません。
ただ、そういうひとを更生さすのに格闘技ぐらいしかないんだっていうのもわかります。昔はラグビーなんかもそういう位置付けでした。
という風にむしろ朝倉未来さんのバックボーンはあまり僕の好みではありません。しかし、そういった感情論と朝倉未来さんの実力や、合気道に対する疑問の持ち方がいいか悪いかに関しては別問題です。これは朝倉未来さんの疑問に関して即答できなかった塩田さんが悪いです。
朝倉未来さんの疑問はまとめるとこうです。

「合気道の練習でするような動きは実際使えるのか？」

というものです。これに対する塩田さんの答えは「使えない」でした。僕も合気道の練習で使うような動きをそのまま総合格闘技のレベルで使えるかというと「使えない」が答えになると思います。この理由をちゃんと説明できないといけなかったのです。合気道の練習の動きは古武道や空手などである形の動きに当たるのですが、これは

『身体の使い方を示す教科書』

であって、実際に使う動きではないのです。文字や絵で残すより理解しやすいから形で残しているのです。形の動きは理論書であって、その通りそのままひとと対峙して使うものではないのです。形はあくまで『身体はこうやって使うものなんだよ』って書かれている本です。この理論自体は総合格闘技だろうが、スポーツだろうが使えるものです。この理論で朝倉未来さんの強さの説明もできますし、例えば野球のバッティングでなんでそのフォームでホームラン打てるんだというバッターの理由もわかるのです。
まず、これを合気道家が理解していない、説明できないという問題点があります。
塩田さんはこのあたりはおそらく理解しておられるのですが、とっさにうまく説明できなかったと推察しています。

対談で塩田さんは「合気道を広めたい！」とおっしゃっていました。朝倉未来さんもYouTuberになったのは、「総合格闘技を広めたい！」からだというのが根本にあったそうです。そのために必要なのはこの場合は『本人が有名になること』でした。合気道なら合気道、総合格闘技なら総合格闘技の世界で有名なのではなくて一般人に知れ渡るような有名人になることです。そのために朝倉未来さんは格闘家のYouTubeじゃなくて、一般的に再生数の多いYouTubeを研究しまくったそうです。非常にシンプルで非常に効果的な対応です。朝倉未来さんの強さの原点だと僕は考えているのですが、『シンプルな発想力』だと思っています。わかりやすく芯を食ったことを聞いてくるのです。これに応えられ続ければ合気道もきっと今よりメジャー競技になります。

以前の投稿でも言いましたが、僕は塩田将大さんに大きく期待しています。合気道を流行らすにしても、塩田さん自身が達人になるのもです。塩田さんが他の格闘技などに興味を持って４０までは打撃とか他の格闘技をチャレンジしてみたいという発言もありましたし、動画でしかみていないのでわかりませんが、謙虚で素直な本当にいい人柄をしておられると思います。どれもこれもこれから伸びる要素だなと思います。まだまだ若いですし、合気道のピークは７０歳以降ぐらいのノリなのでこれから合気道界を支えていく人材になっていっていただきたいです。

合気道の理論は本物です！！！

モノノフ