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はたらく現場

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喪に関わるひとたち編(霊柩車の工場の職人さん、墓じまいを任される石屋さん、ホテルマンのように自宅のお葬式を取り仕切るひと、若い女性納棺師さん、きびきび祭壇の花を飾るひと、、、)
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#ルポルタージュ

『芝浦屠場千夜一夜』の山脇史子さんに聞きました(インタビュー田原町01)

「そうそう。ケガの多い職場なだけに、いつもみんな何かあったら飛びだせるような身体の態勢が出来ていて、すごく安心感がありました。あの場所がもっている大きな歴史があって、闘っていた歴史もあるし。だから魅力も大きいんですよね。それこそあの場にいることの魅力は、ライターの仕事よりも面白かったりしたんですよね」(山脇史子さん) インタビュー田原町01 30年を経てかつて働いた居場所『芝浦屠場千夜一夜』を書かれた山脇史子さんに聞きました。 浅草・田原町のReadin’Writin’

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屠場で働いた女性ライターが書いた私的ノンフィクション『芝浦屠場千夜一夜』。田原町のリーディンライティン ブックストアで著者インタビューを行います。

田原町にある本屋さん 「Readin'Writin' BOOKSTORE」(リーディンライティン ブックストア)で、 『芝浦屠場千夜一夜』(青月社)を書かれた山脇史子さんをお招きして、公開インタビューをします。 【芝浦の屠畜解体現場を見学した後、「一週間ほど働かせてもらいたい」と、意思表示をしてから、実現までに三か月ほど時間がかかった。作業現場には女性がほとんどいない。東京都職員である解体作業担当は、当時全員男性。内臓処理業者の作業場には、数人女性がいたが、経営者の家族親類

特殊なクルマを作っている工場を訪ねました⑷

霊柩車づくりから 何気にやる気を起こさせる 「8割ほめ」の極意を学ばせてもらいました 写真©山本倫子  中古車を改造して「霊柩車」を作りだしている工場の見学ルポの最終回。茨城県にある工場を再訪問しました。  再び訪れることにしたのは、前回は日曜日で工員さんたちがお休みで、作業風景を撮影できなかったから。前回のときに見た小型バスの改造作業の進捗を見ておこうと思ったからです。

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特殊なクルマを作っている工場を訪ねました(3)

転職して始めた、霊柩車販売業 社長の前職は…… 写真©山本倫子  中古車を改造して霊柩車を製作販売している工場の見学ルポの3回目。引きつづき、ライフサポート・エイワの寺山和夫さんに話をうかがいます。  寺山さんは40代になってから霊柩車の販売に関わりはじめたそうです。 「もともとは歯科技工士で、入れ歯だとかインプラントの白い歯を作っていました」  寺山さんは昭和33年生まれ。22歳で歯科技工士となり、歯科医院勤務を経て自宅に仕事部屋をつくり、歯科医さんから注文を受

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特殊なクルマを作っている工場を訪ねました⑵

霊柩車は どうやって作られているの?  霊柩車は、トヨタとかイスズといった自動車会社が特注で作っているわけではなく、町工場が買い入れた新車や中古車を霊柩車仕様に改造して販売しているというところまでが前回のルポでかわったことです。  前回につづき、ライフサポート・エイワの寺山さんに話をうかがいました。  仕入れた中古車を補修し、普通に乗車できる段階にまで仕上げてから霊柩車へと改造していくのが工場での流れなのだと教えてもらいましたが、「霊柩車にしなくていいから、そのまま売って

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特殊なクルマを作っている工場を訪ねました(1)

「自分が手がけたものは、 見たらわかります」 写真©山本倫子 「基本は一台一台、イチからの作業なんですよね。だから、クルマを前にして、さぁ、どうしようかというところから入ります」  細身でがっちり体格の岩堀さんは、工場で「設計」担当をしている。作業中の車両の前で話してもらったが、すこし話を聞いただけでもクルマ好きが伝わってくる。ところでココではちょっと変わった自動車がつくられている。 「たとえば、作業の前にたまたまキャンピングカーの雑誌なんか見ていたとしたらイメージが

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『トラックドライバーにも言わせて』の橋本愛喜さんに会いにいく

 いまは対面取材が難しくなっているが、まだコロナが深刻ではなかった日、神奈川県内の小田急線の駅の改札口で待ち合わせた。駅前のチェーン店のカフェに腰を落ち着けると、橋本さんは鞄からノートを取り出し広げた。質問に困らないためのものだという。  そのノートには、びっしりと文字が埋まっている。「取材をするひとなんだぁ、それも熱心に」が第一印象だった。ノンフィクションライターのひとにもたくさんインタビューしてきたが、ノートを準備してきたひとは30年ちかい中でも彼女がはじめだった(過去に

「営業部長」のネコがいる鈑金工場

「コウジョウには朝礼とかラジオ体操があるけど、ないのがコウバなんです」  先日取材したライターのひとに教えてもらった。橋本愛喜さん。『トラックドライバーに言わせて』(新潮新書)というノンフィクションの本をだしたばかりの彼女自身が元トラックドライバーで、金型工作機械を研磨する工場を経営していた父親が倒れ、大学卒業直前に会社を継ぐことになった。  二十歳そこそこのお嬢だった彼女が突然社長の代役だといっても、父親を慕って集まった工員さん(ちょっとヤンチャ)たちがついてきてくれる