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【働き方】"ベーシックインカムがあると働かない"は本当?(ブルシット・ジョブから考える)


はじめに

ベーシックインカムは、全ての市民に無条件で一定額の収入を提供する制度です。この制度が導入されると、人々が働かなくなるのではないかという懸念があります。本記事では、ベーシックインカムが本当に人々を働かなくさせるのかについて考察します。

ベーシックインカムの目的

ベーシックインカムの目的は、経済的な安全を提供し、生活の質を向上させることです。これにより、貧困の削減や所得の不平等の是正が期待されます。また、経済的な不安から解放されることで、人々がより自由に自分の時間を使い、自己実現や社会貢献に取り組む機会が増えると考えられています。

働くことの意味

人々が働く理由は多岐にわたります。経済的な必要性だけでなく、自己実現、社会的なつながり、スキルの向上なども重要な動機となります。デヴィッド・グレーバーの著書『ブルシット・ジョブ』では、無意味な仕事に従事することに対する不満が強調されています。多くの人々は、社会に貢献し、価値を生む仕事を求めています。

ベーシックインカム導入の影響

経済的自由と選択

ベーシックインカムが導入されると、経済的なプレッシャーが軽減されます。これにより、人々は単に生活のために働く必要がなくなり、本当にやりたい仕事やプロジェクトに取り組む余裕が生まれます。例えば、クリエイティブな活動やボランティア、地域社会の改善活動などが増える可能性があります。

実験結果から見る影響

世界各地で行われたベーシックインカムの実験結果を見ると、必ずしも人々が働かなくなるわけではないことが示されています。例えば、カナダのダウフィンで行われた実験や、フィンランドの試験では、多くの参加者が仕事を続けるか、新たな仕事に挑戦するなど、労働意欲が低下することはありませんでした。

働き方の変革

ベーシックインカムの導入は、働き方にも変革をもたらします。フルタイムの仕事に縛られることなく、パートタイムやフリーランスとして働く選択肢が広がります。また、企業側も労働者の意欲を高めるために、より魅力的な職場環境を提供する必要が出てくるでしょう。

反対意見とその考察

働かない人が増える懸念

反対派の意見として、ベーシックインカムが導入されると、人々が働かなくなり、生産性が低下するという懸念があります。しかし、実験結果や心理学的研究からは、多くの人々が意味のある活動を求める傾向が強いことが示されています。ベーシックインカムがあることで、無意味な仕事に従事する必要がなくなり、社会全体としての生産性がむしろ向上する可能性があります。

まとめ

ベーシックインカムが導入されたとしても、人々が働かなくなるわけではありません。むしろ、経済的な安心感が提供されることで、人々は本当に価値を感じる仕事やプロジェクトに取り組むことができます。世界各地の実験結果や『ブルシット・ジョブ』で指摘されているように、人々は意味のある活動を求める傾向が強いです。ベーシックインカムの導入は、労働の質や社会全体の生産性を向上させる可能性があると考えられます。

参考資料

ブルシット・ジョブ--クソどうでもいい仕事の理論
本自体は少し高いですが、Audible会員は定額聴き放題ですのでAudible版もおすすめです。


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