『万物はひもである』(1/4)

宇宙を論じる一般相対性理論とミクロの世界を論じる量子力学の折り合いをつけるために誕生した超弦理論というものがある。

物質を構成する原子は素粒子から構成されておりその素粒子は実は"ひも"であり、この"ひも"の振動数が素粒子の性質を特徴づけているという理論である。

そして、この超原理論を発展させたM理は"ひも"が11次元を持つとされている。

まったくもって想像の及ばない領域であるが理論上はそういうことらしい。
つまり、我々は理論上"ひも"なのである。

そっかー、"ひも"なのかー。

と考えると、あの人も、この人も"ひも"の塊。

嫌いなあいつも所詮"ひも"の塊。いつかは五寸釘で神社の木に打ち付けてやろうと思えば、気分はルンルンである。

素粒子の様な小さい単位で考えると人間は"ひも"の集まりであるが、よくよく考えると、宇宙規模でみても"ひも"かもしれない。

そもそも生命とは地球にある様々な元素が太陽から放射される熱エネルギーを吸収して、エネルギーがより安定する方向へ最適化してきた結果として誕生したものである。

つまり、我々は元来、太陽の"ひも"なのである。

素粒子レベルで見ても
宇宙レベルで見ても
我々は"ひも"なのである。

「私は自立しています!」

という人も結局は"ひも"なのである。

辞書によると"ひも"とは自らは働かず自分の魅力などで惹きつけて経済的に頼ること、とあります。


つまり、科学進歩により構築された最先端の理論から我々が"ひも"であるということが明らかになった現代において、我々は自らが"ひも"であるという事を自覚し、働くことをやめなければいけません。

世間では"働き方改革"等と叫ばれてますが、"働き方"どころか働くことをやめなければいけないのです。

え!まだ働いてるの?"ひも"なのに!?
と驚かれても文句は言えません。

ひも理論万歳!

そして我々は一流のひもを目指すべく、額に汗してせっせと自分の魅力を磨かなければいけないのです。

続く…


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