スポーツ漫画の要素に関する考察

こんにちは。メンバーのisihyaです。
この間の日曜日、暇を持て余していたisihyaと連れは、漫画喫茶なるものに行ってきました。

子供の頃は満喫の存在意義が分からなかったのですが、最近ようやくソファー席でまったりできるし、漫画が読み放題でドリンクバーもついてるので暇つぶしには悪くないと気づいてきました。

え？　家で漫画買って読めばよくないかって？　まぁそうなんですけど、場所を移動してリフレッシュしたいときもあるのです。近頃はリモートワークで家にいることが多いので特に。漫画喫茶に行っても、どうせ屋内でグータラするだけなんですけどね。

それで先日はハイキュー！！を読みました。同じバスケ漫画ということもあって、なんとなく昔読んだスラムダンクを思い出します。
ライバルって大体いる気がするし、だけど恋愛要素はあったりなかったり。そこでスポーツ漫画ってかなり似てる構造あったりするの？とふと思いました。
気になったのでサークルのコラムの場をお借りして考察してみようと思います。

前置き

データ収集としてはスポーツ漫画売り上げランキングから、上位にあった作品を軽く読んだり、調べたりしました。
それとこれから要素をいくつか取り出して考えてみるんですが、もちろん作品の魅力はそんな構造的な所だけにはないと思ってます。例えばスラムダンクの庶民シュートだとか左手は添えるだけなどの名言はバスケをやっていればほぼ常識と言えるほど広まっていますが、その良さは構造とは無関係です。

スポーツと恋愛

スポーツと恋愛の両輪をストーリーに組み込む手法はあだち充先生の『タッチ』、『H2』などが有名だと思います。最近だと競技かるたの漫画『ちはやふる』なんかも恋愛色が色濃いです。
メリットの一つとして、葛藤が生まれやすいのかなと思ってます。
スポーツと想い人のどっちが大事かで悩ませるとか、ライバルを交えて、ライバルにスポーツで勝ったけど恋愛で負ける、あるいはその逆とか。

動機

スポーツをやり始めるには動機があります。
例えば、はじめの一歩ならそれは虐められた経験ですし、スラムダンクの花道であれば好きな人に誘われたからです。
ハイキューのように憧れの存在がいる場合もあります。
いずれにせよそれなりの動機付けが必要だと思います。何となく面白そうだし、朝練がないから入った、とかでは物語として味が出ないです。

ライバルとの対立

スポーツにライバルはつきものです。ハイキューなら影山、スラムダンクなら流川がライバルに当たります。
性格が対照的だとお互いが際立ちます。熱血ならクールなやつ、苛烈さと優しさ、おしゃべりと寡黙、とかです。
ハイキューの孤爪 研磨とか、ピンポンのスマイルは熱くないやつの例です。

ライバルは大抵お互いが最初嫌いで、最終的には仲間とお互いに認め合い好きになります。
スポーツ漫画でよくあるのは、性格は嫌いなのに、互いに実力を認めているので協力しなくてはいけないという葛藤のパターンです。

煽り

ライバルでなくても対立はよくあります。他校のエース、全国大会連勝の強豪などなど、、
強そうな肩書きが大体あって、主人公たちと戦うことになります。大抵すぐにヤバいやつだなと思わせるエピソードがあって（スポーツ漫画ではないですが、ジョジョのディオなら女性を殺して食べるなど）危害を加える印象を与えます。
このサイコパス感と敵対の演出を上手くかけるかが対立のある漫画のキモだと思ってます。残念ながら著者はまだまだ下手です(涙)

成長

スポーツ漫画によくあるのはリーグ制です。スポーツの地区予選だとか全国大会とか分かりやすい肩書きを与えることで、成長が分かりやすいです。
もちろんそれは外面の話で、勝利の理由として内面でも過去の自分のトラウマを乗り越えたり、嫌いな人を好きになったりなど何らかの成長があるのがほとんどです。

特技

特技があるとチームのメンバーそれぞれのキャラが立ちます。ハイキューの日向なら囮役とジャンプ力、越前リョーマなら利腕と反対側で対戦相手を弄ぶところなど、それぞれの特技は性格と密接に関連しています。特技には習得したときのエピソードと理由があり、掘り下げ甲斐があります。

超能力

特技はしばしば超能力と呼ぶべきなほど人間離れします。
テニスの王子様の試合がもはやテニスではないと言われて久しいですが、キャプテン翼やイナズマイレブンなど他にも似たような特徴を持つ漫画は多いです。
これはリアル系に寄ってスポーツに打ち込んでいた人の支持を得るか、超能力でスポーツをあまりやったことない人にも分かりやすく凄さを伝えるかのトレードオフだと思います。
また主人公が特別なのであれば、違和感を覚えそうな人のために裏付けの設定をつけると納得させられるのかなと思います。
弱虫ペダルであれば坂道を自転車で毎日登っていたせいで、部活で活躍する土台ができました。個人的には賛否両論となりがちなジャンプの修行パートの意義は、その辺の納得のために必要なのかなと思ってます。