緊張すること
文花はあんまり緊張しないタイプでした。
ただ、本の世界に引き込まれ、人と距離を置くようになってから、がらりと変わりました。
文花は何かと緊張するようになったのです。
人の性格って、こんなにも変わるものなのですね…………。
買い物に行くにも一人では緊張してしまいます。
そんな文花が、今、一番緊張してしまうのは…………。
自動車学校の、技能教習です。
技能教習
大抵の場合、教師と生徒の一対一で行われる…………と思います。
コミュ障にはきついです。
以前にもお話しましたが、人が怖いのです。
そんな人間が、一時間の授業に耐えられるのか!
答え、かろうじて!
帰る頃には膝が震え、喉はからから、身体が重い。
運転が怖いという理由も、もちろんあります。
でも、先生も怖いのです。
だめかもしれない
文花はピアノを習っていたことがあります。
楽譜を見ながら演奏ができなくて、全部指に覚えさせて演奏していました。
感覚です。
そう、文花は感覚で何とかしようとする傾向があります。
車の運転も同じで「ハンドルをどれだけ回せばどれだけ曲がる」みたいなことを感覚でやろうとします。
計算とかできないです。
だから「どれだけ車に慣れることができるか」が重要になるのですが…………。
全然駄目です。だめだめです。
緊張して、動きがかくかくしますし、手順を間違えたりします。
え?補習まっしぐらでは?
最初から、こんな短期間でできるのか、疑わしかったのですよ!
何だかできる気がしません!
でも、補習になってしまったら追加料金が!
どーしよー…………。
現状打破
何が悪いのか。
緊張する?
だったら、緊張していても身体が勝手に動くくらい馴染ませればいいじゃない!
ピアノの発表会だって、そうしてきました。
でも、ピアノは家で練習できたけれど、車の運転はそうはいきません。
限られた時間で効率よく?
それができたら苦労はしません。
どうすれば…………どうすれば…………。
もう、イメトレしかない!?
それでいいのか!?
不安です…………。
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