「新・UFO入門」をめぐっての騒動の感想

 その本は決して悪い本とは思わなかった。「盗用」さえなければ。

「新・UFO入門」は2007年5月に発行されている。当時、いや今もだがUFOをネタにした同人誌に参加している私はかなり驚いた。
 こういうスタンスの本は(同人誌以外では)ほとんど無かったからだ。
 だいたい書き出しからして変だ。タモリと小松政夫が「水曜スペシャル」の「UFO特集」の真似をしていたなんて事を引っ張り出してくる。

 つまりこれは、世間の普通の人(サラリーマンとかだろう)に向けて文化としてのUFOを語ろうとしている事が推測される。

 UFOの本は、宗教系の本、事例を集めた本、懐疑的な見方の本など色々あるが、だいたいUFOの事をある程度知っている人、あるいはUFOが既に好きな人がターゲットになる。中には「UFOとポストモダン」なんていう本もあって、この場合は「ポストモダン」の方を知っているだけでもいい。
 でも「新・UFO入門」はホントにUFOを知っている必要性がないのだ。誰が読んでもいい。さすがだと思った。

 まあ、今、UFOに入門したいと思ったら「UFO事件クロニクル」あたりの方がいいかなあ。

 ただ、「新・UFO入門」、問題も(盗用以外に)ある。最初の一冊としてはいいかも知れないが、事実より「面白さ」の方を優先させてしまっている部分があるのだ。アーノルド事件が1番目、ロズウェル事件が2番目とかにしてしまうと「ええ?」っとなる。いや、よく知らないが、間に起きてる事件がありそうだ。
 ちょっと笑ったのが、ホルテンの全翼機をアメリカがろ獲した事実はないとか言い切ってしまう所だ。なんで飛行機に結構詳しい山本弘さんあたりに聞かないんだ。まあ性格考えると聞けないわなとは思う。

 もっともそういう「ツッコミ所」が普通のUFOの本に無いかと言うと、そんな事はない。その辺は「と学会」の本で知った。

 当時、場違いなテレビ番組に出ていたとは言え唐沢俊一の本に何を期待してるんだとも言いたいが、盗用問題はまあ、唐沢氏の負けは間違いないだろう。

 じゃ、自分は「反唐沢」側について正義の味方になるかというと、そうも行かなかった。「反唐沢」側も問題があったのだ。
 私の管理しているmixiコミュニティ、当時はmixiは招待制で、「選ばれし者」しか見られないものだったが、そこにあるテキストをコピーしたページをリンク集に入れていたのだ。「と学会の発言をお楽しみ下さい」とかコメントつけて。
 確かにそのコミュニティには山本弘さんと原田実さんが入っていたから、「と学会員」がいないとは言わない。でも大半は普通の人である。せっかく人目につかない所に作ったコミュニティの内容をさらすんじゃねえよ。
 この件が無ければ、「反唐沢」側にもネタを与える事ができたかもしれないなあ。

 そういえば「反唐沢」側には笑える行動もあった。載っているUFO事件自体が「パクり」というのである(まあ、使った資料書いとけよって事なんだろうが)。いやはや、「世界中どこの本からもパクってないUFO事件」がこの世にあるかどうかだよな。あ、郡純の本があったか。

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