なぜかメチャクチャに改変しても辻褄を合わせた話

 単行本になった後で改変のあった「ドラえもん」のエピソードに「なぜか劇がメチャクチャに」がある。ドラえもんの道具によって劇を演じる、正確には演じさせられてしまうエピソードだが、その中にある「ちびくろサンボ」が差別的であると問題視されたので、そのパロディ(?)である部分が差し替えられたのだ。

 演じる話はのび太の考えている事に合わせて自動的に選出される。
 最初は「人魚姫」で、しずちゃんは改変前は(髪で隠れそうだが)上半身裸になっておっぱい丸見えになる事を思い浮かべて「いや~よ」と言うのに対し、改変後はそっちは貝殻ブラジャーで隠れる事になり、下半身が人間の足になる事でアソコが見えちゃう事に身体を震わせる。

改編前、ポーズかわいい
スネ夫王子は賛成
改編後は貝殻で隠れる
しぶしぶ了承
しかし、こりゃまずいか

 改変の一方、「裸の王様」と「星の銀貨」はそのまま使われる。「ちびくろサンボ」も「裸の王様」もストーリーを察知したしずちゃんが止める事で自らの被害を食い止めるのであるが、「星の銀貨」ではそうはいかない。        

 他の男の子達に身に付けている衣服を与え、最後にしずちゃんに肌着を求めるセリフを言う(おいしい?)役はのび太だ。肌着(スリップ)をのび太(せっかくなんだからちゃんと見ろよ)に渡したしずちゃんは片手でおっぱいを隠して座り込んでいるが、時代に合わせたのか下にはパンツを履いていないのだ(と言う事はこの衣裳になった時からスカートの中はそのまま……)。 この辺の下りはどうも連載時とは違うようなのだが。

とまらないんだよォ
神さまのおめぐみ!

 このエピソードはオチに向かって徹底的に「のび太が考えている見たいモノとは何なのか」というのが浮かび上がる。言ってしまえばもちろんそれは「しずちゃんのハダカ」である。そんなのび太の見たがるモノに合わせるドラえもんが悪いのだが、そこは改変されても変わらないのが藤子F先生は偉いと思うのだ。

 他に人魚姫の出てくるエピソードには、「しあわせな人魚姫」もある。

こちらは最初から貝が
変身後、貝は?

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