ミニ四駆の思い出

 中学2年の頃である。沼津のニチイで祭の風景のプラモデルが売っていると聞いて、行ってみたのだが無かった。どうも「縁日」というプラモデルらしいのだが、よく分からない。

 代わりに買ってきたのが田宮のトヨタハイラックスであった。
 それはミニ四駆という名前で、よく考えられた知育玩具という感じで、学研の「○年の科学」の教材レベルの簡単さで形になり、丈夫で、よく走った。

 マブチの130モーターを組み込み、ウォームギアにバターを塗ったりした。

 本とかを積み上げた所を乗り越えさせたりもした。

 ただ、それ以上に遊び方を思い付かなかったのも事実であり、何かの拍子に壊してしまって、ボディだけがしばらく残っていた。

 それから5、6年経っただろうか。親戚(母方の婆さんのきょうだいの家で、よくみかんやお茶をくれた)の家に遊びに行った際、そこの小さい子供がミニ四駆を作るのだと言う。

 その、バギーのようなキットは、どうも自分の知っているミニ四駆とは違ったものだった。

 呆れるほど速い。なんか、コースのような所を走らせるらしい。

 すっかり変わった友人との再会みたいな思いを感じたのだった。

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