モノがだんだん欲しくなる
モノを作ったけれど、それを人にどう広めていくのか。ドラえもんには「ほしい人を探せばいい」っていう話もあったけど、宣伝の方法も色々ある。
「かがみでコマーシャル」は特に使い道の無さそうなガジェットを商用利用するという、モノを売る話の正統派で、「夜を売ります」等で発揮されるのび太の商才もいまいちうまく行かず、結局楽しんでいる所を見せるのが一番の宣伝というオチ。俺もきんつば食べたくなったな。
当時のCMネタである「あばら屋のまんじゅうはおかしのホームラン王です」とか「あばら屋のおかしで百円は買えません」も懐かしい。
ジャイアンの妹、ジャイ子の作ったマンガを売る「虹のビオレッタ」は名前の連呼が結構CMになる事を示すエピソードだが、一番のポイントはマンガコレクターだという学生(勉三さん風?)の「この作者は有名になるかもね」「そうなるとこの本は値打ちが出るよ、古本屋で10万円とか」というセリフである。
アマチュアの自費出版が10万円なんて夢のような話だが、あながちあり得ない話でもない。両藤子不二雄先生が無名に近い時代に作った『UTOPIA最後の世界大戦』の初版など古本屋で100万円を越える価格が付いているのだ。
CM関連といえば「テレビとりもち」は全編CM回と言ってよく、たくあんガムを噛んでみるシーンは『Dr.スランプ』で千兵衛さんが発明品で取り出した食べ物を食べてみるシーンに似てると言っていた知り合いがいたな。他にもリズム感の楽しいコケコーラ、A先生と仲が良かった司会者が登場する本家ナンチューメン(F先生もラーメン大好きだったようだ)も出てくる。そして三角キューブは立体パズルらしいが、俺も欲しい。ハゲランスは要りません。「おじさんおばさんも大切にしよう」は懐かしいな。
CMネタで思い出したが、パーマンの新しい方でもポカリスイート、豆乳石鹸、目産スミーレなんかが登場するエピソードがある。(マッチのマーチで知られ、ワンメイクレースにも使われた日産マーチより大きい。スミーレってのはどこか外国の言葉でスマイルの意味らしいので、実はさほど不自然ではない)
モノを欲しがる仕組みは「プラモが大脱走」という話からも感じ取れる。従兄の指導かスネ夫の撮った迫力のジオラマの写真に、「流行に踊らされるなんて」とか、別の話では「プラモなんか好きなように」と言っていたドラえもんも「かっこいい!」となる。やっぱりビジュアルは大事なんだな。
欲しがるモノは人それぞれで、「タイムコピー」でジャイアンはスネ夫からゲームウォッチを取り上げるが、コピーされたゲームウォッチでみんなが遊んでいるのを見たジャイアンが、「なんだみんなもってるのか、つまらん」と言っている。ジャイアンの場合、スネ夫とか出木杉とか、限られた人しか持ってないようなモノが欲しいようだ
モノを欲しがるといえば、「人間ブックカバー」で本の続きが読みたくなって、読書の面白さに目覚めるのび太の話もあった。この場合はまあ、悪い事ではない。
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