ようかんはなぜ焼かれるのか

 妖怪の世界は奥深い。

 以前妖怪のイベントに行った事があったが、会場にあるホワイトボードに来場者が沢山の妖怪の絵を描いていたのが印象的だった。
 河童、天狗、ぬりかべ、ぬらりひょん、百目、びろーんぐらいは分かるが、見たこともないような妖怪(まあ、妖怪だから見たこともないのは正しい)の姿も多数描かれている。

 質問すると「岐阜の柳ヶ瀬のイベントにいた子です」と言われた。柳ヶ瀬でも怖いもの関係のイベントがあったのだ。

 別のイベントでもよく分からない妖怪を見かけた。バッジになっている。

「その妖怪は名前が無いんですよ」

 しかし名前が無いのは不便なのだろう。お客さんは

「白だっちょ下さい」

 と言っていた。

 妖怪クラスタと呼ばれる人達がいて、私も「妖怪」、「怪異」、「異界」といった言葉の使い方で注意を受けた。

 タブーとされる話題には

「昔のぬりかべは犬の姿」

 という話もある。

 また、「ザリガニ洗濯」も時折話題になる。昔の地図では世界の果てにザリガニが描かれたりしているので、それと関係があるのだろう。

 他にも味噌汁と鍋料理の違いや、マシュごめ製麺も話題になる。「河童懲罰」も主な議題の1つだ。

 詳しい人達であるから、妖怪のテレビ番組の多くは「クソ番組」認定である。

 オープニングの妖怪コスプレは内容と関係ないとか、アマビエは本来そんなやつではないとか、都市伝説も未確認生物もごっちゃだとか。

 たまに「なんでも鑑定団」等の例外があるが。

 そして、妖怪クラスタの人達が反対によく認めるのが「ようかん」である。もはや世の中の森羅万象が「ようかん」と解釈されているのかもしれない。

 その「ようかん」はなぜか燃やされる存在であるらしく、謎は深まるばかりである。

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