のび太にスポーツカーは似合わない? 『ミニカー教習所』
ドラえもんの『のび太の結婚前夜』(てんとう虫コミックス25巻)というエピソードで、のび太がオープンのスポーツカーを乗り回している場面があって、「似合わない」、「乗れるのか?」という感想を抱く人がいる。
しかし、本当にドラえもんを読み込んでいる人ならば、『ミニカー教習所』(てんとう虫コミックス14巻)というエピソードが思い当たるはずだ。
そして、「この時の思い出が後まで残ってスポーツカーを買ったのかも」と「伏線」を読み解くかもしれない。
何と、のび太はドラえもんから自動車の運転を習っていたのである。
これは1つの例だが、知らなかった場合でも「似合わない」、「あり得ない」と切り捨てるより、「ひょっとしたら該当するエピソードがあるかも」と思って探した方が、ドラえもんの読み方としてはずっと楽しめると思う。
大筋の展開としては、クルマの運転の練習ができないパパの為に、庭にミニチュアコースを作るという感動のエピソードなのだが、その前に試しにのび太が乗ってみると言い出すのだ。
ドラえもんの出した「ミニカー」はシフトレバーからしてオートマチック車っぽい。ところが……
実はマニュアルミッションのクルマだったのである。当然上手くいくはずなく……
こんなことになるんだ! でもクルマが丈夫だから無事だ。
とはいえ、ページ数の関係で、のび太はあっという間に運転できるようになる。すごい!
テレビの期首特番並みのスタントもこなす!
ああ、クルマに乗ると性格が変わるやつっているよな。お前らもか。
ゆっくり寝ているパパは起こされて、真相を知る。
パパは実は運転ができましたという話。しかし、さらにオチがあって、という、「ドラ泣き」で終わっていない作品なので、ぜひ読んでほしい。
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