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電車の運休における広報の重要性とタイミング。優先すべき事項とは?

最近、線状降水帯や災害級の大雨など、ライフラインに影響がある災害が発生する頻度が多くなっています。
また、電気ガス水道などをはじめ、通信や交通網など、ライフラインに影響を与える災害が発生する可能性が毎年発生しています。

特に、大雨で閉じ込められたとか?アナウンスが遅いとか?
ニュースで報道されることがあります。
今回は、ライフラインの中でも電車の運行に関して、広報の視点から考えてみたいと思います。

どのタイミングで、運休はアナウンスされるべき?
鉄道会社の方と話す機会があり、大雨や災害が発生する可能性が高まったとき、運休を決断するのは、かなり慎重になるそうです。警報が発令されたタイミングや災害発生の可能性が高いときなど、非常に判断は難しいとされています。当然、帰宅中で電車内にいるお客さんもそうですが、駅に向かっている方に対してもどのようにアナウンスをするかなど、非常にタイミングが難しいと言われています。
鉄道会社の方の話では、最優先されるのは、乗客の生命であり、生命に影響がある場合には、緊急停止や運休を行うことが、会社として最優先事項であると言われています。

電車を急遽運休させる場合の対応方法
車内アナウンスを含め、電車を急遽災害等の可能性があり、運休させる場合に、非常に対応に苦慮するのが、車内に待機している方への対応法です。
飲料や簡易な食事などのもそうですが、遮蔽された空間の中で長時間いることへのストレスを含め、いつ車両が動くかわからない中での待機は非常に精神的にきついものがあります。

特にニュースなどの報道で、お客様の状況の動画や、鉄道会社のアナウンスや駅の模様などを配信されることもあり、非常に対応の決断と対応内容に関して、賛否が分かれる状況であることは間違いありません。

危機管理広報の視点で考える鉄道会社の備え
新幹線など、長距離を運行する電車であれば、飲料や簡易な食事などは、車内サービスなどを開放するなどの手段はとれるでしょう。
一方在来線であれば、そのような設備もあるわけではなく、万が一に備えて、何らかの準備は必要であると言えます。ただ、在来線の設備やスペースを考えるとそのような飲料や簡易な食料を備えておくだけのスペースがあるわけではなく、他の方法をとらざるを得ないのが実情といえます。

  1. 新幹線であれば、車内の備蓄を考慮する

  2. 在来線であれば、運休の決断と乗客の安全を優先にする

その一方で、乗客の備えも非常に重要になります。
警報級の災害が発生する可能性が高まっている場合、乗車前に携帯電話の充電をフル充電にしておき、省電力モードを使用するとか、乗車前に飲料を買っておくといった自己を守るための準備は、ある程度リスクを想定しておいたほうが安心感は高まります。

運休のアナウンスを工夫する。

通常のアナウンスでは、遅延のアナウンスや運休の可能性に、再開の見通しに関して出ているのが通常であるが、危機管理的な視点で考えれば、万が一に備えて、飲料を購入し、乗車くださいといったアナウンスをしてみてもよいかもしれません。
現在は、電車の再開や見通しについて、アナウンスが中心であるが、乗車中の不慮の運休に備えるアナウンスも検討する時期であると考えます。

また、最近多くなっている計画運休のアナウンスに対しても、一部の鉄道会社で取り入れられているが、全国的な動きになってくるでしょう。

これに対して、企業側も一部では、計画運休によるリモートワークの推奨など、BCPに加えて社員の安全を守るため、社内規定を改めて改正することも考えたほうが良いでしょう。
就業時間内において、警報が想定される場合、帰宅を促すことが多いですが、会社として、近くのホテルと災害時の契約(連携協定など)をするなどの対策や、自社に宿泊が可能なスペースの確保など、検討してもよいかもしれません。
そもそも、警報が出ている中で、出社をすること自体がリスクを伴うことであることを理解し、それを会社として未然に防ぐことも重要なリスク回避の手段になります。

大雨になる前に企業の危機管理担当や総務、広報部門は今一度、自社の体制を見直しましょう。







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