詩「無題」

晴れたらそこには池があって
魚の鱗が跳ねているのでした

星がさくさくと大量に降ってきて
太陽の顔にちくちく刺さり
すこしだけうっとうしそう

小骨がぱらぱらと
まるで傘のようにくるくると
目覚ましのように鳴って
辺り一面花びらのようでした

片足立ちの一寸法師は微動だにせず
その衣(きぬ)だけがさらさらと波をうけています

兎は同じく石に固められ
ときどき神さまが削りとって
ちいさきものたちに分けてあげるのでした

その涙が雫となり花となり大輪の花模様になると
前髪の短いお嬢さんの着物の黄色が
にわかに眩しく輝いて
目の前に開いた戸の向こうに
ひとり行ってしまうのでした

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