デザインの学習について思うこと

最近デザインを初めて1年とちょっと立つのだが、デザインの学習で見えてきた個人的な法則っぽいのを2つ紹介する。

(良い/悪い)(足し算/引き算)のデザイン

なんとなく、初心者から次のような順番でグラフィックデザインは意識し、できるようになっていくと感じている。

  1. 悪い足し算のデザイン

  2. 良い引き算のデザイン

  3. 悪い引き算のデザイン

  4. 良い足し算のデザイン

1. 悪い足し算のデザイン

デザインを学んでいない人の大抵はこれ。
色と要素が無駄に多く、全体的に統一感がないデザインである。
原因としては、デザインをよくする方法として、 要素を追加するしか知らないからだと思われる。

2. 良い引き算のデザイン

次に、デザイン4原則などを使って、要素数を変えずに分かりやすく伝えるデザインを身につける。また、配色についてもHSBや補色、トライアドの知識や、デザインのスタイルの知識も得ることで、少ない色でまとまった雰囲気を作り出せるようになる。
この時点で、パワポやシンプルなサムネを作るのは困らなくなる。

3. 悪い引き算のデザイン

良い引き算のデザインがうまくいくと、毎回それをするようになるが、それでは表現できない雰囲気が存在している。引き算を続けて作れるのはミニマルでシンプルなデザインであって、ポップな雰囲気や手数が多い雰囲気は作り出せない。

これは悪い訳ではないが、この引き算のデザインに満足しなくなり、課題感を感じるようになる。

4. 良い足し算のデザイン

ということで、最後は要素加えてたり、派手な素材、色を使ってもまとまりのある雰囲気を作る能力が必要があると気づく。

例えば、左右上下に無意味な言葉が書いてあるデザインがあると思う。あれはデザイン4原則の整列を強めるために、無理やり要素を増やしているのである。

このように、わかりやすい足し算のデザインの法則もあるが、大抵は抽象度が高すぎて、言語化するのも難しい。最近の私は、この課題感を感じるレベルで止まっている。

目と手の能力の違い

デザインのレベルとして、次の2つのものを定義する。

  • レベルA:作品を見た時に、上手いか下手かが判断できる最大の作品のレベル

  • レベルB:実際に自分で作れる最大の作品のレベル

この2つのレベルについて、思うことを書いていく。

- AはBより高い

このルールはクリエイティブ系は大体当てはまっている。料理はまずいと分かっても改善できないし、音楽はリズムがおかしいと気づいても楽器は弾けない。

特に初心者の場合は、AとBの差が大きすぎるので、ダサいものしか作れずに挫けてしまうことが多い。

- BがAに追いつくと、Bはさらに上のレベルに移動する

例えば、イラストがうまくなってくると、だんだん初心者のころには気にしなかった細かい部分が気になったりする。

これは、AがB追い付き、同時にAがさらに上のレベルに移動したことで、判断できる作品のレベルがより上がったと考えられる。

しかし、Aが上に移動すると言っても、その量は段々と小さくなるため、Aに追いつけないとしても、ショックを受けることは少なくなる。つまり、上記で話したようなAとB差が大きくてモチベーションを保てないということは一度追いついてからは起きづらい。

また、懸念点としては、新しく判断できる用になった視点を一般人は認識できないということだ。現状、これによる大きな問題を感じてはいないが、特にto C向けのデザインでは問題が起こる可能性があると思っている。

- Aのレベルはプロと大差ない

使う素材が決められている場合、一番理想的なデザインの形が存在するとする。プロはその理想に一回目の作品でたどり着き、素人はそこにたどり着けないというイメージがあるかもしれない。

しかし、私は素人でも気合があれば理想のデザインを十分作れると考えている。具体的には、自分のレベルAが満足するまで、作品を作り続ければよいのだ。

まず、2Dの画像のデザインにおいて、形、色、レイアウトのパラメーター操作の難易度は低くい。理論的にはそれらをすべて試せば、その中に理想のデザインがあるはずである。レベルBはあくまで、思いついて作れるレベルという意味で、当然全通り試せばレベルB以上の作品を作ることは可能である。

そして、単純なデザインに関しては理想の形と初心者のレベルAに大した差はないと考えている。したがって、100回目、1000回目か分からないが作品を作り続けると、いつかは理想のデザインが出現し、それをレベルAはほぼ正しく感知できるということだ。

こう聞くと、初心者でもプロと同じ理想の形を作れるような気がして来て勇気をもらえないだろうか。実際にどうかは知らないが、そうでも思わないとデザインなんてやってられないので、私はそれを無責任に信じることにしている。

Adobe税を払うために使わせていただきます