デザイン系アプリの学習方法
最近新しいソフトを連続で利用した。思えば会津大学にいるにも関わらず、プログラミング言語よりアプリを触ることの方が多かった気がする。したがって、今回はアプリの習得についてアドバイスや考え方について適当に書く記事。
習熟度
まずはアプリの習熟度について、個人的に次の段階があると思っている。
レベル0:わけわかめ
拡大したいけど、その機能あったっけ?
レベル1: 機能があることを知っている
オブジェクトを拡大する機能どっかにあったはずなんだけどなー
レベル2: 機能を実行できること
このボタンを押すと拡大できるって知ってるぜ
レベル3: 機能を選別できること
3種類拡大に関するボタンがあるけど、今回はこの機能が一番適してるな
レベル4: 効率的にアプリを操作できること
コンポネントに登録すると一気に大きさ変更できて後で多分楽だなー
全てのアプリで4までは目指す必要はないと思う。大体3まで使えれば十分である。ただ、1つだけでも4まで使えるものがあると、他のアプリでも応用できる場合が多いので良いと思う。
私の場合はおそらく次のような感じ。
Figma レベル4
Illustrator レベル2
After Effects レベル2
Blender レベル2.5
Photopea レベル3
とりあえず、初めの学習ではレベル順に習得していくのが良いと思う。逆に言えば、初めのうちに無理に上のレベルを習得する必要はない。
例えば、私はキーボードショートカットを無理に覚えないことを一つのルールにしている。理由としてはキーボードショートカットはレベル4の内容だからだ。別になくても操作できるし、初期のうちにはレベル1、2の方が大事である。下手に覚えてもすぐ忘れてしまうだろう。ショートカットと違い、ボタンの位置だけなら覚えるのは簡単だし、忘れずらい。
Blenderの様にショートカットを覚えないと明らかに効率が悪い場合や、ボタンがすぐに見つからない場合は初期のうちに覚える必要があるが、通常は初期にリソースを割く必要はない。
新しいソフトの学習法
では、どうやってレベル4を目指すのか?個人的にいままで私がやってきた学習法をメリットなどを添えて書くので、その中から自分に合ったものを選んでほしい。
とりあえずなんか作る
分からないことがあったら、その都度調べていくスタイル。
メリットとしては次のものがある。
常にアウトプットなのでモチベーションが維持できる
自分が実際に使う機能だけ覚えられる
ただ、体系的に学べているわけではないので、学び残しが多いという特徴には注意が必要。
本を読んでみる
本のメリットは先ほどのメリットを捨てて、体系的に学べること。逆にインプットが多いので、モチベーションが下がるというデメリットがある。個人的には一通り触ってから本を読んだ方が頭に入りやすくてオススメ。
ちなみに本には次の2種類があると思う。
チュートリアルをまとめた系
体系的に学ぶ系
上記で言っているメリットが得られるのは体系的に学ぶ系である。もちろんチュートリアルの詳しい版が欲しいのなら、チュートリアル本でもいいと思う。ただし、レベル3からレベル4の過程では一度は体系的に学ぶ系を読んだ方が良いと思っている。
チュートリアル動画で勉強
活字読めない病の人はYouTubeのチュートリアル動画がオススメ。書籍より情報がスッと入ってくるし、GUIの位置も分かりやすい。
ただ、注意としては次の2点がある。
同じ内容が多く、体系的に学べない
眺めるだけだと内容が入ってこない
前者は言葉のままの意味なので略。後者について少し話す。チュートリアル動画では、画面の中の中のマウスが作業をするので、自分でもやれる気になってしまうことが多い。ただ、実際にやろうとすると、これが全くできないのだ。
もし実際に作業をせずに動画だけで操作を覚えたいなら、GUIの位置まで頭で思い描くと少しだけ覚えやすかったりする。例えば、メニュー→オブジェクト→トランスフォームの流れを覚えたい場合。この時、メニュー→オブジェクト→トランスフォームと字面だけ覚えても絶対に覚えられない。なので、頭の中でメニューまでカーソルを持っていき、次にオブジェクト→トランスフォームというふうに実行してみる。こうすることで個人的にはGUIの位置を覚えやすくなったと感じている。
禁断の資料作り
人に教えることを前提にスライドを作る。そうすると、手間がかかっているからか正直一番理解できる。ただコストかかりすぎるのが何よりもデメリット。
私はFigmaでこれをやった。2週間くらいかかったが、マジで完璧に理解できる。
アドバイス
悩むより全部やった方が早い
類似アプリやプラグインから、どれを使った方が良いか悩む時があると思う。比較記事を読んだりすることも大事だ。しかし、結論、悩むより全部やった方が早いし理解できる。
やる気はコントロールできない
やる気が出ない!と自責思考になる人がいるが、やる気はやっていることによって変化すると思う。例えば学習初期は自分が思うよう物が作れないので、やる気が低下する。完璧に理解した→何もわからん期に入ると、再度やる気がなくなる。
学習プロセスとやる気の無さは、セットで認めてしまった方が気持ちが楽だと思う。
初めから完成を目指さない
0%を作る前、100%を納得のいく作品だとすると、それぞれの前提条件は次のようになっていると思う。
100%の作品
前提条件:80%の作品を作って失敗すること
80%の作品
前提条件:50%の作品を作って失敗すること
50%の作品
前提条件:なし
つまり、「100%の完璧な作品を作るためには、駄作を必ず作る必要がある」ということだ。こう考えると初めに下手な作品を作っても凹まなくなる。反省を促す凹みは必要だが、モチベーションを低下させるだけの凹みはただの無駄。
特にこの「必ず」という部分が重要。というのも「駄作も無駄じゃない。君の力になっている」みたいな言い方だと、「駄作を作るのは最短距離ではないけれど、なんか力になってるはずだから無駄じゃない」みたいな意味にとれてしまう(右図)。
そうではなく、100%を作るには絶対に駄作を作る必要がある。つまり、「駄作を作るのは最短距離で自分は前進しているだけ」と考える(左図)。そうすると、モチベーションを高く保てる。
全部使えた方がいいが初めは一つ
IllustratorとPhotoshopのどちらを利用した方がいい?みたいな疑問がデザイン初心者だとおあると思う。結論できることが違うので、全部使えるようになるのが理想的だと思う。アプリのツールは、図画工作におけるハサミ、カッター、ダンボール用のハサミのような違いだと思っている。一つでゴリ押ししようと思えばできるが、高いレベルの作業を効率よくするには他の道具も必要だ。
ただ、例外が2点ある。1点目は初めは一つのツールでいいということだ。初めて図画工作をする人には、ハサミ1つで感覚を掴んでもらうところから始めてもらいたい。
二つ目は、あまりに似ているツールは使えなくても良いということだ。IllustratorとPhotoshopはどちらも使える方が良い。しかし、XDとFigma、PhotoshopとPhotopeaのように、明らかに類似していて上位、下位互換の関係があるならば学ばなくても良いと思う。
同じ分野のアプリは簡単に勉強できる
私はFigmaを完璧にしてからIllustratorやPowerPointなどを習得した。そうすると、矢印キーでオブジェクトを動かせるとか、整列機能があるなど、比較的同じ機能があることに気づく。
つまり、1つアプリを習得したら2つ目は楽だし、3つ目はもっと楽だということだ。初めは辛いだろうがしっかり理解する後々楽になる。初めてこれらのアプリを触る人がいたら、これを心にとめて頑張ってほしい。
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